広岡 延隆 日経ビジネス記者 日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。 この著者の記事を見る
2014年3月15日に行われた「第3回将棋電王戦」(主催:ドワンゴ、日本将棋連盟)の第1局は、コンピューターソフト「習甦」(開発者:竹内章氏)が菅井竜也五段に98手で勝利した。コンピューターの指示した手を将棋盤上で再現する“代指しロボット”の「電王手くん」は、休憩も含めて10時間20分に及ぶ対局で終始無難に動作し続けた。開発を指揮したデンソーウェーブ制御システム事業部技術企画部製品企画室主任の澤田洋祐氏への取材に基づいて、電王手くんの裏側に迫った(関連記事1、関連記事2)。 設置環境 有明コロシアムで行われた第1局では、電王手くんを対局場の畳の上に置いただけのように見える。だが、実際はその下にある床面に固定していたのだという。対局場は床面に対して30cmほど上げ底になっており、電王手くんのコントローラーもこのスペースに格納していた。コントローラーは、対局場の外にある控え室のコンピューターと
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