山陰両県の一部の神社で参拝の光景が様変わりし始めた。これまでは参拝者が拝殿などに次々と押し寄せていたが、近年は境内に整然と行列ができる神社がある。出雲大社の大遷宮の効果や縁結びの「パワースポット」ブームで参拝者が増え、首都圏などから訪れた観光客が「並ぶ」ルールを持ち込んだらしい。神社関係者などからは事故防止になると歓迎の声が上がる一方、地元住民からは拝むまでに時間が掛かる、と嘆息も漏れる。 松江市八雲町熊野の熊野大社では元日、本殿前から駐車場まで200メートル以上にわたって行列ができた。熊野高裕宮司は「これまでは大勢の方がどっと神前に来られるのが普通だったが、3、4年前から列ができるようになった」と話す。 正月三が日に77万人の参拝者が訪れた出雲市大社町杵築東の出雲大社では、入場規制がかからない平日でも行列が自然発生する。出雲観光協会の小野篤彦事務局長は「並ぶのは関東の人が多い」と指摘