アンパンマン世界は本当に『全体主義的』なのか？｜串間あずき｜note最強？人形ホラーとしての『アンパンマン』（菊地 浩平／早稲田大学文学学術院助教） こちらの記事を読み、諸所思うところがありまして、映画『それいけ！アンパンマン いのちの星のドーリィ』に関して（それは恐らくアニメ版アンパンマンシリーズ全般に通じることでもありますが）、己なりの解釈を書こうかと思います。未読の方はまず上記のリンクからお読みください。 さて、この記事を読んだ自分は当初、 「こういう視点で見ると、道徳的に見える幼児向けアニメも実は結構ヤバイ世界なんだぜ？」 と受講生に面白おかしく示し、「アンパンマン世界は一見牧歌的だが、実は絶対的正義の行使者の元で統治された恐ろしい全体主義的世界観である」と断定し（いや彼自身はしてないんですけどね）、穿った見方へ誘導しかねない、そういう構造の論文に思えました。 なんというか、菊池先生の仰る「全体主義的恐怖を描いたホラー」になり得るってのは、オマージ
