砂上の楼閣 日本銀行 「脱デフレ」を掲げ、日本銀行が「異次元緩和」に踏み出して4年半余り。だが、「2%物価目標」は達成されないままで、金融緩和をやめるにやめられない状況が続く。日銀はどこに向かうのか。 バックナンバー一覧 日本銀行が「異次元緩和」に踏み出して4年半余り。だが、いまだ「2%物価目標」は達成されないまま、金融は「マイナス金利」、財政も赤字が止まらない「財政と金融の同時破綻」とも言うべき状況だ。「アベノミクスのリスク」を一手に背負いながら超金融緩和をやめるにやめられないジレンマと不安に襲われている日銀の今を、8回シリーズで追った。 水面下で路線修正に動く 財務省と日銀 「メガバンク出身の鈴木さんが審議委員になったのは、ひとまずよかった。1人で何ができるかというわけではないが、政策委員会も少しは緩和縮小に向けての“出口”議論が行われるようになるんじゃないか」 7月下旬、日本銀行の金