いまだに放射線量が高い帰還困難区域 福島県双葉町の鵜沼(うぬま)家に入る道路は、今も銀色のゲートで行く手を阻まれている。看板には「この先 帰還困難区域につき通行止め」という文字。住民の立ち入りは厳しく制限されている。 帰還困難区域は7市町村の計337平方キロメートルに及んでいる。住民登録している人は約2万人。国はその面積の8%を「特定復興再生拠点」とし、避難指示解除を始めているが、鵜沼さん宅の地域は対象外だ。 震災後に夫を亡くした鵜沼久江さん(69)はこの10月、20日ぶりにこの自宅に戻り、私も同行した。 ゲートの前で鵜沼さんが電話すると、3分後に青い作業服の男性がやってきた。男性は、鵜沼さんと私の運転免許証を確認。施錠された銀色のゲートを押し開けた。鵜沼さんが車を進ませると、セイタカアワダチソウやササなど高さ2メートルほどの草が道の両側を埋め尽くしていた。 「ここはみんな田んぼです」 ど