「引退はせん。戦いの中で死んでいく」――。75歳の政治家はこう言い切った。河村たかし名古屋市長だ。残りの任期が1年を切った5月上旬、今後の動向を探るべく本人を直撃した。「総理を狙う男」として国政に転身するのか。市長続投か。冒頭の意味深な言葉に込められた思いとは。【聞き手・川瀬慎一朗、加藤沙波】 <主な内容> ・「とんでもないこと言う議員がようけおる」 ・多選批判に「その時の雰囲気だわ」 ・ 今は3合目か4合目 ・「保守」は悪の代名詞… <現在4期目の河村市長。2025年4月27日に任期満了を迎える。60歳だった09年の市長就任から歩みを重ねた。「ワシももう75(歳)」が最近の口ぐせで、年齢について語ることが多くなった> ◆今年76になる。トランプ(前米大統領)やバイデン(米大統領)よりは若いけど、ポツポツと同級生が亡くなっている。もうすぐ死ぬわなというのを感じるようになった。こつぜんと死は
日本国憲法は3日、1947年の施行から77年を迎える。毎日新聞が4月20、21の両日に実施した全国世論調査では、岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことについて尋ねたところ、「賛成」との回答は27%で、「反対」との回答の52%を下回った。 2022年4月の調査は「賛成」が44%、「反対」は31%と賛成が上回っていたが、23年4月の調査では「賛成」が35%、「反対」は47%と賛否が逆転している。2年連続で「賛成」が減少する一方、「反対」が増加した。首相は自身の自民党総裁任期中に憲法改正を目指すと発言しているが、9月末に1期目の任期満了が迫る中、世論の機運は高まっていない。 支持政党別に見ると、自民党支持層では「賛成」が6割弱、「反対」は約2割だったが、公明支持層では「賛成」が2割弱にとどまり、「反対」は4割弱だった。改憲に積極的な日本維新の会の支持層でも、「賛成」と「反対」が拮抗(きっこう)
裏金事件 パーティー、派閥「悪くない」 論点すり替え 「モラルの面でも、人権感覚の面でも、政界の取り組みは一番遅れていると感じます」。派閥の裏金事件で根強い金権体質が明らかになった自民党と向き合う、立憲民主党参院議員の塩村文夏さん(45)は嘆く。東京都議時代に「セクハラヤジ」を浴び、女性蔑視の風潮を改善するきっかけになった「あの人」である。 「政治資金パーティーって本来、悪いものではない。それを悪者にしたのは大きな問題点かなと思っています。真面目にやっている議員からしてみればそりゃないでしょ、と思います」。東京・永田町の参院議員会館で向き合うと、のっけから持論を展開され、やや面食らった。しかも、元タレントで、政治家としては「塩村あやか」で活動する塩村さん、やわらかな笑顔を浮かべて軽やかに語るのだ。
「豊かさとは何か」(岩波新書)などで知られる経済学者の暉峻淑子(てるおか・いつこ)埼玉大名誉教授(96)=東京都練馬区=が4月、「承認」をテーマに人権と民主主義社会を問い直そうと著書を出版した。「権力者が真実と認めること」「個人が互いに尊重し合うこと」―。市民と対話を重ねながら社会を見詰めてきた暉峻さんは、こう警鐘を鳴らす。「その承認は公正か? 意識してほしい」(石原真樹)
国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。 ※本記事は河合雅司『未来の年表 業界大変化』から抜粋・編集したものです。 大都市圏の通勤路線は転換点にある。これまでは郊外から中心市街地のオフィス街にいかに効率よく大量に輸送するのかが問われてきた。通勤に便利な場所の地価が上昇し、そうしたところに鉄道会社のグループ会社が住宅を開発するというビジネスモデルが成功してきた。こ
自民党青年局が和歌山市内のホテルでエンジョイしたハレンチ懇親会をめぐる波紋は広がる一方だ。政治活動の延長線上の会合に高露出のセクシーなダンサーを招き、濃厚接触して盛り上がっていたのだから、品性を疑われるのは当然だろう。こんな下劣な余興を企画したのも、問題視されているチップの口移しをしたのも、世耕弘成前参院幹事長の新旧秘書であることが判明。公金を使って女性局は観光、青年局は乱痴気パーティー。ベテランは裏金づくりに邁進する自民党が進む道は解党一択だ。 和歌山県連が昨年11月に主催したハレンチ懇親会は、党青年局近畿ブロック会議後に開かれた。出席者は40人ほど。 顛末が発覚した先週末、参加していた青年局長の藤原崇衆院議員と局長代理の中曽根康隆衆院議員が辞任。ダンサー5人を招くなど、企画を担った世耕元秘書の川畑哲哉県議も県連青年局長を辞任して幕引きを図ったものの、全国的な猛批判に遭い、週をまたいだ1
「手術禁止」を言い渡されるも… のちに赤穂市民病院が外部の有識者に依頼してまとめた「ガバナンス検証委員会報告書」などにもとづき、A医師の関与が疑われる医療事件を時系列順に総覧したのがこちらの図表だ。 報告書や地元紙「赤穂民報」などの報道によると、A医師はXさんの母を執刀した翌月にも、75歳男性の脳腫瘍の手術、84歳女性の脳梗塞のカテーテル治療を担当したが、ともに術後に重い脳梗塞や脳出血を起こし、亡くなっている。この時点で合計8件もの医療事故に関与していたA医師は、病院から「手術・カテーテルなどの侵襲的(患者の体を傷つける)治療の中止」を指示された。 その後の経緯は、記事の後半でもA医師の主張とともに触れるが、Xさんとその母に訴えられたA医師は、それから1年あまり経った2021年8月に赤穂市民病院を依願退職。ほどなく、前編記事で触れた大阪市の医誠会病院に勤務し始めた。 新たな事件が起きたのは
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半導体関連企業が株価を引き上げている 日本、アメリカの株価が今年になってから急上昇している。その中心にあるのが、アメリカの半導体設計企業であるNVIDIA(エヌビディア)だ。 同社の株価は、2024年初の482ドルから3月5日の860ドルへと、1.78倍になった。2023年6月に1兆ドルを超えた時価総額は、2024年3月初めでは2.1兆ドルとなり、同社は、アマゾンやアルファベット(グーグル)を抜いて、世界第3位になっている。 半導体関連企業の株価急上昇は、NVIDIAだけのことではない。台湾の半導体受託製造企業TSMCの株価も、2024年初から3月初めまでの期間に、576ドルから1130ドルまで、1.96倍に上昇した。時価総額も7000億ドルを超え、世界第10位となった。 またオランダの半導体製造機器メーカーであるASMLの株価も、同期間に644ユーロから913ユーロに、1.42倍に上昇し
人口減少日本で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、本当の意味で理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 100万部突破の『未来の年表』シリーズの『未来のドリル』は、コロナ禍が加速させた日本の少子化の実態をありありと描き出している。この国の「社会の老化」はこんなにも進んでいた……。 ※本記事は『未来のドリル』から抜粋・編集したものです。また、本書は2021年に上梓された本であり、示されているデータは当時のものです。 2020年、外国人入国者は前年より86.2%減少 人口減少対策三本柱の3本目である「外国人の受け入れ拡大」については、どうだろうか? これも、コロナ禍によって対策としての限界が露呈した。 外国人の受け入れについては、旅行者と労働力に分かれるが、まず旅行者に関してだ。 少子高齢化で若い消費者が激減していくためにできる穴を、「
東京に駐在する外国メディア特派員らの目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第95回はルモンド紙(フランス)のフィリップ・メスメール東京特派員が、退潮する日本経済を通して、日本が抱える「爆弾」について指摘する。 日本はもはや世界第3位の経済大国ではない。2月15日に内閣府が発表した2023年の名目国内総生産(GDP)の速報値によると、日本はドイツに抜かれ、順位は世界3位から4位に転落した。もっともこれはドル換算での数値なので、円がドルに対し、この2年で20%も下落したことの影響を考慮に…
米アウトドア用品メーカー「パタゴニア」日本支社を年末で雇い止めになる札幌地域労組パタゴニアユニオン代表の藤川瑞穂さん(52)が23日、札幌市内でストライキを実施した。藤川さんは「雇い止めの撤回を求めるとともに、『無期転換逃れ』に強く抗議する」と集会で訴えた。会社側は譲歩する姿勢を見せていないため、藤川さんは撤回を求めて会社側を提訴することを検討している。 8人いる労組員は全国の店舗に散らばっているため、23日のストには藤川さん1人が参加。藤川さんは朝方の始業時から夕方の終業までストを続けた。午前には藤川さんが働く札幌市北区のパタゴニアの店舗前で集会を開き、労組員や支援者ら25人が駆けつけた。 藤川さんはマイクを握り、「雇用の安定は企業が果たすべき第一の社会的責任。その責任を果たすように訴えていく」と会社側の姿勢を批判した。 非正社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、無期雇用に転換でき
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、脳科学者の茂木健一郎さんと常連客の落合陽一さん。ここでは、落合さんが代表取締役CEOをつとめるピクシーダストテクノロジーズ株式会社が、今年7月31日(米国時間)にナスダック上場したニュースからトークが展開されました。 ◆日本は海外に対して興味がない?茂木:ナスダック上場、おめでとうございます。どういう感じで(上場まで)もっていったの? 落合:証券の人とやりとりをしながら法律文書を作っていくわけなんですけど、(上場先を)国内にするか海外にするかを考えて、うち(ピクシーダストテクノロジーズ)は言語バリアがある製品は特になかったことと、僕らが上場を目指していたタイミングって、日本の国内ベンチャーITの株価が全然上がらないタイミングだったんですよ。 茂木:ああ~。 落合:それで
ウクライナ侵攻によって「核戦争勃発」も現実味を帯びた。前編記事『プーチンが「暗殺」されたら即発射か…ロシア「核報復システム」の危ない実態』では、もしもプーチン大統領が暗殺されれば、「死の手」と呼ばれるシステムがAIによって核ミサイルを発射する可能性を報じた。 加えて、日本でもロシアによる不穏な動きがあると専門家は言う。ロシアの大陸間弾道ミサイル「サルマト」は、10発でアメリカの全国民を殺害する威力があると言われており、サルマトに搭載されマッハ20で飛行する極超音速滑空兵器(HGV)「アヴァンガルド」も配備していると話した。 爆撃から逃れられない 防衛省関係者が語る。 「弾道ミサイルは軌道を観測しやすいのですが、アヴァンガルドのような極超音速ミサイルはレーダーや衛星による探知も難しく、着弾の数分前にならないと見つけられない。 発射位置によりますが、日本を狙った場合、探知から着弾まで3分程度し
北朝鮮が21日夜に「人工衛星」を発射し、東京・市ケ谷の防衛省では自衛隊員が対応に追われた。通告期間よりも前の発射という予想外の行動に「何が起きたのか」「極めて異例で寝耳に水」などと驚きや戸惑いの声が上がった。 北朝鮮は22日午前0時~12月1日午前0時の間の発射を日本側に通告していたが、発射は21日午後10時43分ごろだった。 一報を受けて駆けつけた自衛隊幹部は「通告まで時間があったのでゆっくり構えていた。衛星でない別の弾道ミサイルの発射かと思った」と驚きを隠さない。「北朝鮮はあくまで衛星の発射だと主張し、国際社会のルールに沿って発射期間を通告してきた。国際的な信用を落としてまで、なぜ発射を早めたのか」と首をかしげた。 北朝鮮は軍事衛星の開発を2021年からの「国防5カ年計画」で重点目標の一つに位置づけ、開発を進めてきた。攻撃対象の動向を正確に把握するための「目」として「何としても手に入れ
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