日本ではほとんど普及していない家庭用の核シェルターが、にわかに注目を集めている。夏以降、米国のメーカーや国内の取扱業者には、前例のない勢いで注文や問い合わせが舞い込む。北朝鮮によるミサイル発射が相次ぎ、脅威を現実的に捉える人たちが増えたことが背景にある。(野上英文) 「北朝鮮からの攻撃が心配だ。家族を守りたい」 米テキサス州のシェルター製造販売会社ライジング・Sには夏以降、こんな電話が1日数本は必ず入る。大半は日本人や日本に家族がいる日系米国人からだ。 2年前にはゼロだった日本向けの注文が、昨年は6件、今年は100件以上と急増した。うち71件の受注は7~8月の2カ月間に集中。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)や、北海道上空を通過する弾道ミサイルなどを発射した時期と重なる。 「北朝鮮の標的となることを本気で心配する日本人が増えている。この商売を14年やっているが、こんなブームは初めて」。