セガがかつてゲーム機を販売し、市場の半分以上を握っていた時代がある。ゲーム機市場を制覇していたことがあるのだ。少なくとも、USにおいては。 『セガ vs. 任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争』は、任天堂やセガのスタッフ200人以上を取材し、弱小メーカーに過ぎなかったセガが任天堂に仕掛けたゲーム機戦争の内幕を明かたノンフィクション小説だ。 その中身はセガと任天堂の政治的な内幕にまで迫っており、驚きの連続である(なんせ、ソニックの生みの親、中裕司さんの当時の給与額まで書いてある)。 また、単にゲーム系小説としてみても非常に面白い。 業界にどっぷりハマっていたスーパーファミコン・メガドライブ世代必読の書と言える。 本書は、セガ・オブ・アメリカ(SOA)の社長であるトム・カリンスキー氏の視点をメインとした群像劇の小説として描かれる。 上巻の最初の主人公は、任天堂アメリカの荒川實氏。アタリショック