日本のカメラメーカー、オリンパスは2011年4月、本社の社長に初の外国人として勤続30年のベテランである英国人マイケル・ウッドフォード氏を任命した。だが半年後、同氏がオリンパスによる総額17億ドル(当事の為替レートで約2000億円)に上る過去の不審な買収案件について疑問を呈したところ、社長職を解任された。 『Exposure』はウッドフォード氏が社長に就任してから、「正義の行動」を取ったがゆえに短期間でその座を追われるまでの記録を自らつづったものだ。 話はオリンパスが2008年に、さほど利益も出していない零細企業3社を8億ドル(約734億円)も投じて買収したところから始まる。だが、オリンパスは3社を買収したばかりであるにもかかわらず、その年度末までにこれら3社の資産価値の4分の3を減損処理したのだった。 加えてオリンパスは、英領ケイマン諸島にある所有者も法的地位も不透明な会社に対して「アド