「量のウソ」と「質のウソ」 アドフラウド(広告詐欺)の被害が年間100億円超――。 『読売新聞』(2月18日付)が1面トップで報じた記事が波紋を広げている。 「ネット広告は仕組みが複雑なうえ、日々、技術が進歩しているので業者任せ。広告の質や量をごまかされているんじゃないかという不安があったけど、案の定だった」 こんな感想を漏らす広告主が少なくない。 海外発でアドフラウド被害が報じられ、アダルトサイトに一流企業の広告が掲載されている状況から判断して、日本の状況も寒々としたものであるのは想像できたが、本格的に調査されたことはなかった。 「アドフラウドに関する国内データが明らかになるのは初めて」と、読売は胸を張る。 だが、ネット広告業者は、「ボット(機械的運用)によるサイトの高速更新などで、人が見ていないのに閲覧数を稼ぐような不正が横行しているのは、誰でも知っている。むしろ、年間100億円という