元・早川書房『S-Fマガジン』編集長で現・天狼プロダクション代表取締役の今岡清氏は、AIが書く小説は面白いのか、という問いについて「そもそも、AIは何をモチベーションに書くのか」疑問に思うと切り出した。 早川書房のSF担当の編集者として数多の小説家・小説家志望と会ってきた今岡氏からすると、小説で大きいのは「何を書きたいか」という小説家自身のモチベーション、その基となる小説家自身の思想性や経験だという。 だが、AIには積み重ねてきた思想性もキャリアもない。ではAIはどのようなモチベーションで小説を書くのだろうか。 答えるのは、自身もAIが登場する「第2内戦」という中編小説を書いたSF作家・藤井太洋氏。2015年に第2作『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞を取得した気鋭のSF作家は、元エンジニアという経歴を持つ。 藤井氏は「人間のものとは異なるモチベーションはAIに与えうる」とし、例