編集部から:本連載では、IT業界にさまざまな形で携わる魅力的な人物を1人ずつ取り上げ、本人の口から直接語られたいままでのターニングポイントを何回かに分けて紹介していく。前回までは、田中氏がさくらインターネットを上場させるまでを取り上げた。初めて読む方は、ぜひ最初から読み直してほしい。 経営危機を乗り切ったさくらインターネットは2008年、本業のデータセンター事業に専念すべく、ホスティングのサービス強化やメニューの拡充などを進めていった。当時、さくらインターネットが置かれていた状況について、田中氏は次のように説明する。 「当時はやっと経営を立て直したばかりで、お金もありませんでしたから、2008年は“本格的な復活のための前段階の時期”と位置付けて、まずは主に既存サービスのブラッシュアップを行いました。具体的には、ディスク容量の増加や専用サーバサービスのラインアップ拡充などですね」 会社として