韓国政治研究者をしていると、時々こういうことを聞かれることがある。韓国は反日感情の強い国だから、日本人が行って危害を与えられることはないのか、という趣旨なのだろう。大学院生の頃から25年以上、研究その他で日韓の間を行き来し、幾度かの長期滞在経験もある筆者であるが、少なくともその中で、日本人であるからといって、突然殴りかかられたり、危害を加えられたりした経験は全くない。 かつては場末の飲み屋で、日本語で話していると、突然酔っ払いに政治的議論を挑まれたりしたこともあったが、今ではそんなこともほとんどなくなった。最近では、韓国の大学で日韓関係について講義をしても、「日本の教授の意見」に挑戦しようと質問する学生もなく、地下鉄車内で大声の日本語で話していても、振り向く人もない。植民地下の民族運動の記念日である3月1日や、同じく植民地支配からの解放記念日である8月15日にも、日本大使館の前で行われる「