英国の首相として「特殊作戦執行部(SOE)」の結成に尽力したウィンストン・チャーチル。SOEは第2次世界大戦中、枢軸国に対する破壊工作やプロパガンダ活動を行った英国の秘密組織だ。チャーチルは秘密諜報員に「ヨーロッパを燃え上がらせろ」と命じた。(PHOTOGRAPH BY KEYSTONE, GETTY IMAGES) 1942年、スペイン領ギニア(現・赤道ギニア)の港町サンタ・イザベルで、イタリアとドイツの商人がパーティーに誘われたとき、手の込んだ策略だと疑う者はいなかった。しかし、商人たちがグラスを傾けているとき、英国の極秘スパイ集団が船を盗む準備を進めていた。当時は第2次世界大戦中で、枢軸国の武器を積んでいる疑いがあったためだ。 「ポストマスター作戦」として知られるこの大胆な任務は国際的な事件に発展し、破壊工作や騒乱の種まきを専門とする英国の極秘組織「特殊作戦執行部(SOE)」の力が証