戦後、10年で物価が200倍近くに上昇した準ハイパーインフレ期は特別として、グラフを見るとほとんどの時代で物価が上がっていることが分かる。 数少ない例外は、インフレ対策から緊縮財政に転じ、激しい物価下落を引き起こした1880年代のいわゆる「松方デフレ」と、大正バブルがはじけ、昭和恐慌が発生した1920年代のみである。 戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の経済顧問であるジョセフ・ドッジ氏が行った緊縮政策であるドッジ・ラインも短期間ではあるがデフレを引き起こした。しかし朝鮮戦争特需が発生したことで、デフレはすぐに解消している。 バブル崩壊後のデフレは物価下落の程度で考えれば、横ばいに近い水準だが、継続した期間は突出している。逆に言えば、25年間もデフレが続いた時代というのは、近代日本の歴史では例がない。これは英国や米国など諸外国も同様であり、30年以上のデフレというのは極めて珍しい現象と思ってよ