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ブックマーク / okemos.hatenablog.com (27)

  • It was all a lie、全ては嘘だった。 - P.E.S.

    今年、2020年はアメリカ大統領選挙の年ですが、アメリカでは選挙は一つの産業として成立しています。2016年の大統領選挙では、連邦レベル(大統領、連邦上院議員、連邦下院議員)の選挙での総支出は65億ドルを超えました。この内、大統領選挙での支出がおおよそ24億ドル、上院・下院議員選挙での支出は41億ドルでしたが、2018年の上院下院議員についてだけの中間選挙では57億ドルを超えてしまいました。つまり、アメリカでは2年毎の選挙年には6000億円強のお金が選挙に使われるわけです。当然ですがこのだけの金額が動くとなると、専業の業界人たちが存在するようになります。彼らは日におけるような議員秘書などではなく、選挙のプロです。日でも選挙のコンサルタントとかいらっしゃいますが、アメリカではConsultant, Strategist、あるいはOperativeなどと呼ばれたりする人たちが政治系の記事を

    It was all a lie、全ては嘘だった。 - P.E.S.
  • ポール・クルーグマン: あの賃金を引き上げろ - P.E.S.

    hamachanさんがこのブログポストで取り上げている、クルーグマンの最低賃金についての新聞コラムの翻訳です。 追記:コメント欄でのoptical_frogさんの意見を参考に、といいますかopical訳の方が良かったのでのそのままいただきました(汗)。 あの賃金を引き上ろ ポール・クルーグマン 2013年2月17日 オバマ大統領はその一般教書演説のなかで多くの良い提案を述べている。残念ながらそのほとんどは予算の支出を必要とするので、下院を共和党がコントロールしている以上、それらが実現するとは考えにくい。 しかし、とある重要な提案については予算の支出が必要ない。最低賃金の7.25ドルから9ドルへの引き上げと、今後のインフレーションに合わせた上昇という大統領の提案だ。さて、となると問わなければならないのは、これは良い政策だろうかということだ。そしてその答えは、ちょっと驚きかもしれないが、明らか

    ポール・クルーグマン: あの賃金を引き上げろ - P.E.S.
  • 「最初の接触 伊藤典夫翻訳SF傑作選」 - P.E.S.

    「伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触」を読みました。 www.hayakawa-online.co.jp タイトル通り、伊藤典夫さんがSFマガジンに訳された短編を集めたもの。収録作はもともと50年代発表(表題作だけ40年代)で翻訳は60年代のものばかりですが、翻訳については女性の言葉遣いがすこし昔の翻訳調かなという以外は特に古めかしい感じはしないです(もちろん当社比)。傑作選と銘打たれているだけあって、古い作品ばかりではあっても流石にみんな面白いです。 「最初の接触」 マレイ・ラインスター アスタウンディング1945年5月号 ファースト・コンタクトテーマというテーマタイトルになった作品。もちろん、宇宙人とのファースト・コンタクト自体はこの作品よりもはるか昔から宇宙旅行が行われる作品においてはしょっちゅう発生していた事でしょうけれど*1、宇宙旅行を行えるほどの未知の存在との関係樹立の難しさ自

    「最初の接触 伊藤典夫翻訳SF傑作選」 - P.E.S.
  • 「トリフィド時代」、ゾンビ物として  - P.E.S.

    ふつう彼らはほかのグループと合流したがらず、かならずやって来るアメリカ人の到来を待つあいだ、手に入れられるものを手に入れ、避難所をできるだけ快適にしようとする傾向があった。 カーゴ・カルトか!人類社会の終わりを迎えた英国田園地帯にまだ生き延びている英国人達がこのように描写される時代(1951年)に出版された、まさに古典。 www.tsogen.co.jp 非常に有名な作品なのである程度ネタバレしますが、全人類のほとんどが失明した朝から物語が始まり、タイトルにある歩く肉植物トリフィドが環境を支配していく中での人類の物語です。これまで全訳を読んだ事はないはずですが、ジュブナイル版を読んだのか、映画の方を観たのか*1、こういう筋であることは知ってました。ですが今回読んでみたら、面白かったです。今のエンタメとは違って文章がエンディングへ向かって一直線に進んでいく感じではなくて、あっちに行っては少

    「トリフィド時代」、ゾンビ物として  - P.E.S.
  • 嫌な気分ってやつを思いだした...「海外SFハンドブック」 - P.E.S.

    積読を消化しようと、2年前に買って以来放置していたこのに手を出してみました。 www.hayakawa-online.co.jp 早川書房の説明によると、 クラーク、ディックからイーガン、チャン、『火星の人』、SF文庫2000番のレム『ソラリス』まで! 巨匠の作品から最新の必読作まで全100冊を選定して紹介するガイド、年代別SF史、SF作家のエッセイ、完全保存版のハヤカワ文庫SF全作品データなど、一冊で海外SFのすべてがわかるガイドブックの最新版 とのこと。この説明に書かれている事以外にも、アメリカSF略史やミリタリーSF略史もあり、2015年8月に出たなのでそんなに古い印象もありません。とはいえ、アメリカSF略史の中で触れられている中国SF作家劉慈欣の「三体」のアメリでの翻訳が、このが出た直後にヒューゴ賞を取ってしまうという神様の意地悪みたいな事は当然触れられていなかったりしま

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  • 「ゴッド・ガン」 - P.E.S.

    SFにはいくつもの素晴らしい「タイトル」がありますが、その幾多のタイトルの中でも燦然と輝くタイトル「神狩り」は、山田正紀によるタイトル通り「神」を狩り殺そうとする人間たちの話であり、日SF史に残るような素晴らしい書き出しから始まる作品です。そして残念ながら尻すぼみに終わる長編作品でした*1。バリントン・J・ベイリーの「ゴッド・ガン」は、ちょっとマヌケなタイトルと、悪くはないが凄くもない印象の書き出しから始まる短編ですが、こっちはマジで神を殺します。 オフビートなユーモア奇想SFですが、明白なギャグSFでも、複数の神々がいる世界の話でもなく、唯一神が存在してそれが理屈ありで殺されてしまう作品って他にあるんでしょうか?思いつきませんが*2。この流石はバリトン・J・ベイリーという作品を表題作とした短編集が、 ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ) 作者: バリントン・J・ベイリー,大森望

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  • アメリカ政党政治のダイナミクス:Asymmetric Politics - P.E.S.

    アメリカの二大政党、民主党と共和党の間の違いはなんなのか? 勿論、民主党はリベラルで共和党は保守なのが重要な違いなのですが、その点を除くとあたかも両政党が同じかあるいは鏡像であるかのように扱われる事がよくあります。政治経済学の伝統的な中位投票者定理などのモデルでも一次元の政治的選好、つまりイデオロギーの軸上に政党を置きますが、これなども政党は政治的ポジション以外は同じであるという仮定の上に成り立っています。 (一次元の政治的選好の例) もちろん経済学政治学のモデルにおけるそういう仮定は興味の対象以外の要素を排除する為の方便であって、真実であることは勿論、現実的であることすら意図しているわけではないのですが、そういった研究の為のモデルではない政治についての一般の言説においてもそのような対称性が仮定としてではなく、あたかも自明の事実であるかのように語られたりもします。とくにメディアにおいては

  • トランプノミクスは改革派保守の悪の双子 - P.E.S.

    最近、翻訳はやらないのですが、ニューヨーク・タイムズの保守派コラムニスト、ロス・ドーサットのコラムを読んでたらなんか、「辛いなのだな、ジオンも」と思ったのでなんとなく訳してみた次第。 追記:訳中の「ドナークラス」とは、大口献金者、つまり共和党の金持ちスポンサー達の事です。 「トランプノミクスは改革派保守の悪の双子」 2016年8月10日 ドナルド・トランプよりずっと前から、共和党に問題がある事は明らかだった。その中心となる経済アジェンダ、つまり減税、自由貿易、規制緩和、そして巨大な連邦政府を縮小させるという約束は、自党の有権者の多くを含む多数のアメリカ人から、自分達の問題とはかけ離れていて、金持ちへ偏り過ぎているとみられていた。 この問題をなんとかしようという最後の試みがジョージ・W・ブッシュの「思いやりのある保守主義 (Compassionate Conservatism)」*1 だった

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  • ドナルド・トランプ、ローリング・ストーンズ:世界は無情であり、望みが叶う事はない...はず - P.E.S.

    トランプその副大統領候補としてインディアナ州のマーク・ペンス知事を選び全米へ向けて紹介しました。 www3.nhk.or.jp このNHKの記事を読む限り、この紹介は大統領選の中でのごくありきたりの政治イベントの一つであった様に読めますが、エズラ・クレインのこの記事によると、実はこの紹介はトランプですらいつの間にか当たり前の様に思えてきている昨今にトランプが新たに放り込んできた新鮮な驚きであり、トランプが大統領になるべきではないまた一つの理由なのだそうです。要するに、自分を補佐する候補という他者が主役であるはずの場でまた強烈にトランプのナルシーぶりが発揮されたという事です。 Donald Trump introduces Gov. Mike Pence as running mate 41分ある副大統領候補としてのマーク・ペンス紹介のイベントのビデオですが、そのうちマーク・ペンスが話してい

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    facebooook 2016/07/19
    "You Can't Always Get What You Want"
  • 「ヒメアノ~ル」 - P.E.S.

    前にも書きましたが、この映画を観て改めて思いました:日映画面白いですよ! 事前情報はあまり無しに、古谷実原作というのとこのポスターの「めんどくさいから殺していい?」というキャッチコピーだけで、イヤ~な作品なんだろうなというイメージを持って観に行ったのですが、そしたらほんとにイヤ~な映画でとても良かったです。 ほんとにロクに知らないまま観に行ったので、映画館内のスクリーン入口の小さなポスターを女の子がスマホで撮っているのを見かけて、あれ、なんで?とか疑問におもったりしたのですが、なんとポスターの茶髪さん*1がジャニーズアイドルの森田剛さんなんですね。映画観ててもこの森田さんがほんとに荒んだオッサン感を出していて、アイドルとは全く見えませんでした。賞賛してます。すっごく。 『ヒメアノ~ル』予告編 主要登場人物は4人、あるいは6人といったところなんですが、なんとなくドヨ~ンと陰な画面の中、

    「ヒメアノ~ル」 - P.E.S.
  • テキサスは合衆国から脱退するか?(どうせしないけど) - P.E.S.

    史郎正宗原作の攻殻機動隊のシリーズにおいて、アメリカ合衆国は東西海岸諸州の米ロ連合、テキサスを含む南部諸州からなるアメリカ帝国、そしてその残りの地域からなるアメリカ合衆国の三つに分裂します。そもそも19世紀アメリカの南北戦争は奴隷問題をもとにした南部諸州の合衆国からの脱退による合衆国の分裂を阻止して統合を維持する為に共和党のリンカーンが戦ったものですが、南部での民主党と共和党のポジションがひっくり返った21世紀のアメリカでは、テキサス共和党が党の公約として合衆国からの脱退をあと少しで掲げていたかもしれない状態になってます。こちらの記事によると党大会で採択の討議にかけられる党の公約の一つとして、脱退のための州民投票の提案がギリギリで公約案として選ばれなかったそうです。 ja.scribd.com その代わりに採用されたのが、 内国歳入庁や、教育省や、エネルギー省や、商務省やら、アルコール・た

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    facebooook 2016/05/15
    US
  • 民主党予備選モデルの予測の結果 - P.E.S.

    前回の記事に書いた民主党予備選モデルで予測されていた5州の予備選の結果がでましたので追記しておきます。 ニューヨークタイムズによりますと、モデルの予想通りヒラリー・クリントンがロードアイランド州以外の4州で勝利し、各州での彼女の得票率は以下のようになったそうです*1。 結構、予想通りの結果になりましたね。また、この結果によりクリントン対サンダースの獲得代議員数は1640対1331となりました。 まだ546の代議員を持つカリフォルニアも含めて14の予備選がありますが、以前から予想されていた通りサンダースがクリントンに逆転するのはまず無理でしょう。なのでそろそろサンダースにも民主党内でごねるんじゃなくて、11月の対共和党の選を見据えた行動をとって欲しいのですが、果たしてどうなるかな?共和党にとってのトランプほどじゃなくても、2000年の民主党にとってのラルフ・ネーダーのような選挙の妨害者にな

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  • 金まみれの共和党は脱減税の夢を見れるか? - P.E.S.

    トランプの躍進についてアメリカは勿論、日でも心配する意見がありますが*1、現代アメリカの代表的なリベラル言論人の1人になっているポール・クルーグマンがニューヨーク・タイムズのコラムで心配するどころか逆にこのトランプの躍進を歓迎すべきとまで書いています。 私が思うに、トランプ氏の躍進は実は歓迎すべき事なんだ。勿論、彼は詐欺師だ。しかし彼は他の(共和党の)連中の詐欺を暴露する役割を事実上果たしてもいる。つまり、信じがたいだろうが、この狂った困難な時代においてはこれは前進の一歩なんだ。 これは勿論、アメリカリベラル派の共通見解などではありません。クルーグマンがそういう意見を述べる背景には、トランプのお陰で民主党が11月の選で勝利する可能性が高くなったことがあるでしょう。民主党はクリントンが候補になるでしょうから、一般の国民には徹底的に不人気なトランプが、 (トランプについての各種支持率調査

    金まみれの共和党は脱減税の夢を見れるか? - P.E.S.
  • 金持ちですらアメリカ大統領選を買えるわけではない:あるいはチャールズ・コークの牡蠣ではなくて悲しみでいっぱいのインタビュー - P.E.S.

    政治家が金持ちに取りいって貧乏人に目を向けないなんてのは昔からの批判ですが、経済格差の拡大が取り沙汰される昨今、それは更にリアリティを増しているようにも思えます。政治が金で買われているという批判なり不満は、アメリカにおいて金持ち政党の共和党だけでなく民主党に対してもよく言わるものなのですが、実際、それを裏付けるような研究もあります。この調査によると、アメリカ政府の政策は所得階層で丁度真ん中(50パーセンタイル)の人達の選好よりも、高所得層(所得階層の90パーセンタイル)の選好の方により整合的であるそうです。 では金持ちは政治を「買って」我が世の春を謳歌しているのかというと、残念と言って良いのかどうなのか、大金持ちですら政治を操るのは難しいというインタビューがファイナンシャル・タイムズに掲載されていました。共和党の大スポンサーの一人で「古典的リベラル」を自称する、チャールズ・コーク(Char

    金持ちですらアメリカ大統領選を買えるわけではない:あるいはチャールズ・コークの牡蠣ではなくて悲しみでいっぱいのインタビュー - P.E.S.
  • シリアルキラーはなぜ白人男性のイメージなのか? - P.E.S.

    一つ前のポストで、「シリアルキラーは白人男性(。・ω・。)ノ♡」というアメリカの神話は間違いだという受け売りをしました。okemos.hatenablog.com しかしこの神話はアメリカだけでなく、日にもあったりします。 それがなぜなのかについても前のポストで触れるつもりだったのに忘れてしまってたので、その事についての受け売りをこの別ポストで書いておきます。 なぜシリアルキラーというと白人男性のイメージなのか?これについては映像作品の影響じゃないかというのがパッと思いつく答えです。たとえばレクター博士のイメージですね。 羊たちの沈黙 [Blu-ray] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2014/02/05メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (10件) を見るこういった映像作品が「シリアルキラーは白人男性」というイメージを

    シリアルキラーはなぜ白人男性のイメージなのか? - P.E.S.
  • 不平等の拡大と縮小: 先進国中産階級層の一人負け - P.E.S.

    新年あけましておめでとうございます。ここ数年、ろくに更新してませんが、年はなんとか記事を書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。 さて、ピケティの成功以来、所得・富の不平等についての議論が活発化しています。所得の不平等については以前から、国民の大多数の所得が上昇しない中でトップ層の所得だけが急上昇して不平等が拡大しているという指摘と、その認識は先進国だけを見ているからで、途上国のキャッチアップにより世界全体での所得不平等は縮小していっているという反論がありました。どっちもその通りだなと思うのですが、クルーグマンが新年一発目のブログ記事でその両方を一つにまとめた図を紹介していました。 これは世銀のChristoph LaknerとBranko Milanovicの論文の図にクルーグマンが手を加えたもので、1988年から2008年の間の世界全体での所得分布階層ごとの所得上昇率を表

  • 「悪の法則」 - P.E.S.

    映画『悪の法則』予告編 - YouTube この映画ではマイケル・ファスベンダーが時折、横顔でその歯並びを見せてくれるのですが、その歯と歯茎が随分でかくて健康的というより威圧的な印象で、劇中、アーカードの旦那を思い出してしまいました。 アーカードは吸血鬼であり、作中の地獄の中で結構、楽しくやっていくのですが、残念ながらこの映画におけるファスベンダーは悪事に手を染めてみようとしてみた単なる弁護士にすぎず、作中の煉獄の中で苦しむことになります。 監督は、リドリー・スコット。俺はリドリー・スコットの弟でもう亡くなってしまったトニー・スコットの邦題「マイ・ボディーガード」、原題 "Man on Fire"が、ダークでハードで映像が美しくて、そして贖罪の物語として哀しくて好きなのですが、そちらはメキシコを舞台とした誘拐組織との戦いの映画でした。 "Man On Fire (2004)&qu

    「悪の法則」 - P.E.S.
  • インフレ率を信用できるのか?とか、何とか... - P.E.S.

    NBERの論文を適当にみてましたら、"Japan"の文字が。なんだろうと思い読んでみたところ、日の消費者物価指数(CPI)は利用される方法と計測誤差の為に低インフレ下においては信用できないという実証論文でした(ダウンロード制限なしバージョン)。下は論文タイトルとその要旨です。 HOW MUCH DO OFFICIAL PRICE INDEXES TELL US ABOUT INFLATION? by Jessie Handbury, Tsutomu Watanabe, David E. Weinstein CPIのような公式の物価指標は場当たり的な価格の計算式を利用したインフレの不完全な指標であって、経済学者が望むようなきちんと理論的な基礎に基づいたインフレ指標とは異なったものである。この論文はそういったCPIが「真の」インフレについてどの程度正確に伝えているのかについての初めての推計を

    インフレ率を信用できるのか?とか、何とか... - P.E.S.
  • 政治と所得不平等 - P.E.S.

    とある論文を読んでましたら、分かりやすくて興味深い図がいくつも載っていましたのでそれらを紹介。論文はBonica, McCarty, Pool, and Rosenthal (2013) "Why Hasn't Democracy Slowed Rising Inequality?"*1、訳すると「なぜ民主主義は拡大する不平等を抑えてこなかったのか」。単純な中位投票者定理と、大抵の社会では所得の中央値は所得の平均値を下回るので有権者の過半数は平均以下の所得となる事に基づくと、民主主義においては再分配への傾向があり、これは所得不平等が高まれば高まるほど強くなるはずという公共選択論の比較的有名(?)な主張にも関わらず、民主主義国家においてここ数十年の不平等の拡大に対する再分配要求が強まらなかったのはなぜかということについての論文です。この論文の載っているジャーナルのトップ1%特集の一つで、これ

    政治と所得不平等 - P.E.S.
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    facebooook 2013/08/18
    「所得不平等が高まれば高まるほど強くなるはずという公共選択論の比較的有名(?)な主張にも関わらず、民主主義国家においてここ数十年の不平等の拡大に対する再分配要求が強まらなかったのはなぜか」
  • クルーグマン: 真実っぽさの時 - P.E.S.

    クルーグマンのコラムの翻訳です。今回はアメリカの民主主義について、というか嘘と間違いがはびこるアメリカ政治情報について嘆いています。まあ、昔から嘆いてられますし、最近は新古典派総合*1の可能性にも悲観的なことを書いてられましたが。 誤訳、タイポ等ありましたら、コメント欄にお願いします。 修正:2つ修正があります。まず一つは元々のクルーグマン自身による間違いの修正で、下院共和党のエリック・カンターのポジションは3番目ではなく2番めポジションだったそうで、原文に修正が入っています。 もう一つは私の誤訳です。このコラムの原文は"Moment of Truthiness"というものなのですが、最初、これを何の疑問も持たずに「真実の時」と訳していました。文中にも「真実の時」という言葉が出てきますが、これの原文は"The Moment of Truth"で、こちらはクルーグマンが批判している財政赤字

    クルーグマン: 真実っぽさの時 - P.E.S.
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    facebooook 2013/08/18
    「嘘や間違いを吹き込まれた選挙民、喜んで間違いに加担する政治家と吠える事を恐れる番犬。そして広く尊敬される、あまり党派的ではないプレイヤーたちも」