本書の主人公である江藤淳は1978年、新聞での文芸時評の筆を折ってまで、占領時代にGHQが行った検閲の研究へと向かった。その成果である『閉された言語空間』は今日、米国による日本人の「洗脳」を説く陰謀史観だとして、評判は悪い。 しかし文章の背後に書き手の人生がすなおに浮かびあがらない時代が来ることを、江藤は見抜いていたと著者はいう。現に読者が「本人が書こうが、AIが生成しようが同じだ」と割り切るとき、私たちの言語空間は他者へと開かれずに、閉じるだろう。
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