【季刊民族学・シノドス共同運航便】ジェプツンダンバ9世か、ガンダン寺僧院長か?――モンゴル仏教の最高指導者をめぐる相克 ジャダムビーン・ハグワデムチグ / 滋賀県立大学客員研究員 国際 『季刊民族学』とウェブ上のアカデミックジャーナル「SYNODOS」とのコラボレーションが実現しました。本特集記事「モンゴル仏教と化身ラマ――あるいは生まれ変わりの人類学」のうち3 編が誌面を飛び出して「SYNODOS」に登場します。ウェブ媒体と紙媒体のマリアージュをどうぞ。(満永葉子訳 / モンゴル語翻訳者) 遠くを見つめるガチェンラマ寺院の僧院長 撮影:島村 一平 「モンゴル仏教の長官(ダルガ)は2人いると思います」 2017年12月、モンゴル国ウランバートル市で開催された国際会議の際に、ガンダン寺のある僧侶は、こう発言した。1人はモンゴル最大の寺院であるガンダン寺の僧院長のチョイジャムツ師で、もう1人は