前エントリーで見たような経緯で公的支援が決まったAIGだが、米政府の思惑とは裏腹に、マーケットはまったく落着きを見せることがない。「次はどこか?」との憶測が憶測を呼び、「どこまで損が広がるのか」と、終わりが見えない不透明感が、事態をより悪化させている。すでに、「1930年代の大恐慌以来の最悪の危機」との評価がなされている。 当初は公的支援に否定的だった政府を動かしたものは、AIG は "too, too big to fail" だったという実情だろう。5兆ドルを超えるクレジット関連デリバティブのカウンターパーティ(引受先)として世界中の金融機関との取引が複雑に入り組んでいる同社の破たんは、世界を巻き込んだ未曾有の金融危機を巻き起こしうるとして、そのシステミックリスクは大きすぎると判断された。 しかし、この当局の一連の動きについては、いくつもの論点が提示されている。 一つは、その意思決定基