経団連会長が「財界総理」と呼ばれるのは第2代の石坂泰三からである。昭和31年から43年まで12年間も務めた。高度経済成長期で発言力も大きく、硬骨で知られた石坂は政府にもズケズケとものを言った。リーダーシップを期待されて、日本万国博覧会協会の会長に就任した。 ▶1970年大阪万博。「何としても成功させたかった。功名心などからではない。成長した日本経済の姿を国の内外に堂々と展示したい一念である」。首相に直談判してほぼ満額の予算を獲得し、シンボルマークを「大衆性がなければ」と変更させた。建設業界には「これはお国の仕事だ」とコストダウンさせた。 ▶2025年の万博誘致委員会会長に経団連の榊原定征(さだゆき)会長が決まった。「オールジャパンの体制ができた」(松井一郎大阪府知事)が、パリなどと競う誘致のハードルは高い。かつての大阪万博の感動、興奮を記憶する世代は全国に多いから、「オールジャパン」で盛り