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「桜花」――まもなく満開となる桜のことではない。戦時中の日本軍の非常さを象徴する、生還不能の特攻兵器につけられた名である。大型爆弾に操縦席と翼、ロケットをつけ、母機から放された瞬間に搭乗員の死が約束されるこの兵器は、敵の米軍にとって理解不能だったようで、彼らは「Baka Bomb(馬鹿爆弾)」と呼んでいた。 この兵器を発案した男は、終戦直後に死亡したとされたが、生存説もささやかれ、長らくその消息は謎に包まれていた。だが、5年前、遺族から神立さんへ一報があり、戦後、別人として生きてきた詳細な軌跡が判明する。 「特攻兵器『桜花』の生みの親」という過去を消し去って生きた男は、どのような後半生を送っていたのか? 特攻兵器「桜花」の初陣は全機撃墜された いまから74年前、昭和20(1945)年3月21日午前11時20分。鹿児島県の鹿屋海軍航空基地から、「神雷(じんらい)部隊」の異名をもつ第七二一海軍
家康に過ぎたるものが二つあり 唐の頭に本多平八「唐の頭」とは唐物(中国製)の珍しい兜のこと。 追記:指摘があったので訂正します。「唐の頭」とは正確にはヤクの毛の兜飾りのことです。武田信玄や石田三成が描かれるときに、よく兜に付いているカツラみたいなやつのことですね。珍しくて高価なものではあるのですが、三河武士のあいだでやたらと流行っていて、十人いたら七・八人はヤクの毛をつけていたらしいです。というのも、ヤクの毛を大量に積んだ貿易船が難破して三河に漂着したから、棚ぼたで手に入れたんだとか。そら「過ぎたるもの」と言われますわ。 「本多平八」とは徳川四天王のひとり、本多忠勝(1548生)のこと。 三方ヶ原の戦いに先立つ一言坂の戦いで、退却する徳川軍の殿を本多忠勝がつとめた。 「家康に過ぎたるものが」はその活躍を称賛した落首である。 治部少に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城治部少は石田三
金足農高が「東北初の甲子園優勝校となるか」みたいなテレビや新聞の報道を見ていると、それだけで苦笑いしたくなる。 秋田県は明治初期の戊辰戦争で一体何をしたか。 戦争中期、現在の秋田県内の久保田藩は奥羽越列藩同盟を離脱して、いち早く新政府軍に参加したことを忘れたわけではないだろう。 秋田の同盟離脱で戦争決着の帰趨が決まったとも言い切れないにしても、この一件は現在でも東北全体で禍根を残している。 未だに仙台や福島においては、秋田県民を裏切り者呼ばわりする人がいるのだ。 詳しく知りたい人は、ウィキの「秋田戦争」のページを読んでみてね。 戦後、官軍側についた秋田県は新政府から様々な面で優遇された。 南部藩にあった小坂鉱山のある小坂地区は秋田県に編入されたし、現在の県立高校に相当する旧制中学も、東北では秋田で最初に設立された。 秋田には秋田美人が多く、仙台はブスばかりという迷信も、秋田優遇の思想から生
※本コラムでは、「銀河英雄伝説」終盤の展開について触れています。 「銀河英雄伝説」の新しいテレビシリーズ(※「銀河英雄伝説 Die Neue These」)がはじまりましたね。たまたま深夜にテレビをつけていて、「銀英伝」の新しいシリーズがはじまったのに気付きました。僕は前のOVAシリーズと劇場アニメの音響監督をやっていたので、そのときに演じてもらった役者さんが別のキャラクターを演じているのに「おお」と驚きましたが、今の若い人にはそんなことは関係なしに、これはこれで人気がでるのだろうなと思いました。今回は、OVA版「銀河英雄伝説」のキャスティングについて、お話しします。 OVA版のキャストを決めるさい、プロデューサーの田原(正聖。現・正利)氏から、ダブルキャストはなしで、「このキャラクターはこの声優さん」とのかたちでいきたいという話がまずありました。そのうえで、オーディションをしたり、サンプ
What's New! ●三浦梅園 梅園詩集――(2023/09/23) 』 ●三浦梅園『敢語』――(2023/09/23) ●伊丹万作「戦争責任の問題」――(2023/07/02) ●本居宣長「国号考」――(2023/03/02) ●小泉三申『新版・由井正雪』――(2022/11/02) ●葛洪『抱朴子内篇』――(2022/09/24) ●三浦梅園「五月雨抄」――(2022/07/16) ●穂積陳重『復讐と法律』――(2022/07/07) ●三浦梅園『東遊草』――(2022/07/03) ●高群逸枝『女性の歴史・続』――(2022/06/01) ●山本宣治『結婚 三角関係 離婚』――(2022/05/17) ●高群逸枝『女性の歴史・下』――(2022/05/16) ●高群逸枝『女性の歴史・中』――(2022/04/25) ●高群逸枝『女性の歴史・上』――(2022/04/15) ●三枝
権威ある科学誌にまつわる「利権」が科学の世界を牛耳っていると指摘され、これに反対する一部の科学者たちがネット上に科学論文を無償で公開するという行動を起こしつつあります。科学から巨大な利益を生み出すことに成功したのはかつてのメディア王ロバート・マクスウェル。稀代の天才起業家が、いかにして科学の分野に切り込み巨大な利権を生み出したのかについてThe Guardianが触れています。 Is the staggeringly profitable business of scientific publishing bad for science? | Science | The Guardian https://www.theguardian.com/science/2017/jun/27/profitable-business-scientific-publishing-bad-for-scie
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もし200年前にタイムスリップしたら、自分はその時代の人々に有用な情報を与えることができるのだろうか?と考えてみると、自分の生活が自分のあずかり知らない機構をもった「文明の利器」によって支えられていることに気づく。スマホ、パソコン、車など、ほとんどの生活必需品を作ることも、機構を理解することもできない、自分の無知ぶりに愕然としてしまうのだ。 【目次】 涼宮ハルヒの「宣言」に対する岡田斗司夫の見解 未開の惑星に流れ着いた現代人のお話 トースターをゼロから作った男の話 AI導入・普及の以前に 東北地方の漁師の話ー科学技術と信仰ー 最後に みなさんは、タイムスリップして過去に遡った時、自分が活躍している様子を想像できますか?医者が現代から江戸時代にタイムスリップして大活躍する「JIN-仁-」は、ドラマ化されるほど人気の作品でした。この作品のように、医者といった特殊な技能をもっている人なら活躍する
現実の巫女装束にはない、マンガ・アニメの「巫女服」特有の袖の飾り紐はいつから描かれている? という調査です。最古とみられる「サイレントメビウス」(1988)について、作者・麻宮騎亜先生のお話も得られました。
えーと、twitter上、togetter上ではみんな大好き、戦闘民族・薩摩人たちの逸話やそれを基にしたフィクション。漫画になっているものも多く、最近もいくつかが話題になりました。その流れで、平田弘史、みなもと太郎らも漫画化した「宝暦治水」についても時折話題にあがります。 ところがこの逸話に関し「かなり脚色されたものではないか?」という研究などが出てきています。ちょっとつくり時を逃して検索により雑多になってしまいましたが、そんな議論をまとめました ツイートを使わせていただいたアカウントはこちら(※追加は除く) @kirinosakujin @otegarushuppan @yurinan90 @koh1970 @ele_cat_namy @meitetsu600V @den2do @hiragumoP @puremalt2010 @r_cat01 @miztan2 @ruroumin @f
歴史資料を「みんなで」読み解く 日本国内には江戸時代以前に筆記・出版された、多数の文字資料が残されています。古文書・古記録・古典籍など、これらの資料は内容や形態によってさまざまに分類されますが、いずれも私達の過去を知るための貴重な手がかりです。また、地震や洪水など過去の自然災害を記録した資料は、現在の防災にとっても大きな意味を持ちます。 こうした歴史資料を活用するには、まず文字を現代の活字に直し、データとして扱いやすくする必要があります。この作業を歴史学の用語で「翻刻」と言います。歴史資料の翻刻は、これまで日本史学や国文学分野で訓練を積んだ専門家の役割とされてきました。しかし、現代に伝わる歴史資料の数は膨大であり、少数の専門家の手でその全てをカバーすることはできません。 「みんなで翻刻」は、多数の人々が協力して史料の翻刻に参加することで、歴史資料の解読を一挙に推し進めようというプロジェクト
【1/10追記その2】 全く今回の記事は、私の調査不足によるところであり、猛省しております。記事を読みご不快になられた方もおられると思いますので、この場で改めてお詫び申し上げます。 皆様からの情報と、改めて調べたことを付け足して、この記事の追記をいったん終わりたいかと思います。 結論としては、「薬箱の破壊」に関する逸話は、真偽はともかく、100年以上前から既に存在していた、ということです。 元ツイートの方が資料として挙げられました、Ladybird社のナイチンゲールの伝記は、確かに当時日本で流布した伝記もののひとつです。日本での販売元のいずみ書房はふとっぱらなことに、その日本語訳をオンライン上で公開しておりますので、該当箇所を見つけることができました。長いですが引用します。 数百人の負傷兵で病院がいっぱいになると、包帯やすべての医療品が大量に必要になりました。それらの品はいつも不足していま
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