先日の「密告義務法」をめぐる採決では民主党の対応に落胆した(『民主党は本気で密告義務法に賛成なのか』)が、多少の意地と悔しさをバネにして調べてみるとアンチ・マネーロンダリング・システムを開発している多国籍企業の姿も見えてきて、私たちも単なる「反監視社会」的な言説だけでは、事態の本質を見失う場合もあるかと思うようになってきた。古典的な権力とは、軍人や官僚であり、また財閥の有力者などの複合体であった。ところが、「9・11」事件以後、反テロ・反マネーロンダリングの旗印のもとに続いている密告監視社会化のグローバルな動きは、ITコンサルタントやエンジニアたちの開発した万人監視型テクノロジーの技術水準がビジネスゾーンを牽引し、市場で販売される商品を待ち受けるような立法環境が整備されるという傾向がある。 より、噛み砕いて言えば、政府や官僚の政策判断の背後には、多国籍企業のITコンサルタントがお膳立てをし