高校球児たちが取り組む「野球ノート」の存在を知っているだろうか。 決まった形はない。個人で取り組んでいるものがいれば、チームとして取り組む高校もある。チームで取り組んだ場合、その方法もまた多岐にわたる。監督に提出し言葉のやり取りをするチーム、選手同士でグループを作りコメントしあうチーム、一冊のノートを順番に書いていくチーム……。 書く内容もさまざまで、チームや個人の目標、日々の練習メニューや出来事、そこから学んだこと、感情的な思いや技術的なメモなど、それぞれが趣向を凝らしたものとなっている。 ただ、ひとつだけ同じものがある。 それは、少しでもうまくなりたい、勝ちたい、甲子園に行きたい……という球児とそこに寄り添う指導者の「思い」だ。 野球ノートを見ると、高校野球の魅力が分かる。 こうした「思い」を追いかけた『野球ノートに書いた甲子園』という本がある。2013年以来、毎年刊行され、今年第4弾