若者に、選挙に行けと促す中高年の少なからぬ人たちが――私も含めて――自分の過去は棚に上げている。大学生だった頃、お前たちは、言うほどそんなに投票所に足を運んでいたのか? 正直に告白すると、私は、否、だった。 理由は非常にお粗末なもので、面倒くさいだとか、無関心だとか、政治不信、政治家不信など、大体、そんなようなことだった。私だけでなく、選挙に毎回行ってるなどという友人は、今の言葉で言うなら「意識高い」系の、どちらかというと変わり者扱いだった。 私はそのことを反省しつつ、どうしてそうなのだろうかと、最近よく考える。言いわけのためではなく、その背景にある問題を放置していては、結局、いつまで経っても、若者の投票率は上がらないからである。 そもそも、東京にいると、国会議事堂も目に見えて存在しており、テレビや新聞を通じて知る政治というものを、身近に感じる機会もあるが、十代まで地方で育つと、なかなかそ