イタイイタイ病裁判の原告団の先頭に立ち、勝訴の原動力ともなった患者、小松みよさん(1918~85)の苦悩に満ちた生涯と、戦いの軌跡をまとめた「イタイイタイ病との闘い 原告 小松みよ」が来年1月1日、出版される。著者は、民放テレビのアナウンサー時代、約20年間にわたり取材を続けたイタイイタイ病を語り継ぐ会代表の向井嘉之さん(74)=富山市豊島町。来年、裁判の提訴と国内初の公害病認定から50年を迎えるのを機に「小松さんの人生を通して、イ病とは何だったのか考えてほしい」と執筆した。【青山郁子】 小松さんはイ病発生地、旧婦中町萩島(現富山市)の農家に生まれた。実母もイ病患者で、看護のため近所の小松家に嫁いだ。幼いころから神通川から引いた生活用水で暮らし、1952年、自らも発病。長男の小学校入学式の時、階段を上ろうとして痛みを感じたのが発端だった。