国によって相続税の水準がどう異なるかを理解するために、各国における相続税収額の税金総額に対する比率をグラフにした。 相続税の機能としては、以下の2つがあるとされる(国税庁資料)。 ・所得税の補完機能 被相続人が生前において受けた社会及び経済上の要請に基づく税制上の特典、その他による負担の軽減などにより蓄積した財産を相続開始の時点で清算する、いわば所得税を補完する機能である。 ・富の集中抑制機能 相続により相続人等が得た偶然の富の増加に対し、その一部を税として徴収することで、相続した者としなかった者との間の財産保有状況の均衡を図り、併せて富の過度の集中を抑制する。 かつて、贈与税がなかった時代には、財産を生前贈与によって移転することで、容易に相続税課税の回避を行うことができた。特に英国では1974年まで、贈与税がなかったことから、世襲貴族などの資産家の富の承継が可能で、貧富の差の拡大を招いた