沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、来日中のマイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長に聞いた。 ◇ 日米が2006年に合意した沖縄県名護市への移設計画を日本政府が進めない場合、普天間返還を含む米軍再編計画全体が頓挫する恐れがある。理由は二つ。 一つは、再編のもう一つの目玉である沖縄海兵隊8000人のグアム移転が止まる。米議会が関連予算を承認しないからだ。議会は、現行計画以外の「県外移設」や「米軍嘉手納基地統合」案は、部隊運用面で不安がある、と明言している。 二つ目は沖縄の地元選挙だ。移設の結論を先送りすればするほど、来年1月の名護市長選、秋の県知事選で争点化され、決着しなくなる。 一回頓挫すれば次に決着のメドが立つのは、これまでと同じ期間、10〜15年かかる。政府間で正式署名した課題の履行を一方が拒んだ場合、信頼関係は完全に崩れる。再構築は簡単ではない。米議会にも