稲盛さんは自信をのぞかせた【京都新聞のコラム】「日航を再生すれば、低迷する日本経済も活性化する」。再建に向け一歩踏み出した日本航空の会長に、今週就任した京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは自信をのぞかせた ▼そんな姿が、映画化で昨年秋に話題を呼んだ山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」(新潮社)のシーンと重なる。航空会社再建のため三顧の礼で財界から迎えられた会長が就任式で「信頼と誇りをもう一度、われわれの手に取り戻す」と語りかける ▼もちろんフィクションであり、舞台は架空の航空会社。ただジャンボ機墜落や労使対立で揺れる日航に取材して、再構築した小説とされ、当の会長は当時の中曽根康弘首相の後押しで着任した鐘紡会長だった伊藤淳二さんがモデルとみてよい ▼伊藤さんは日航改革の先頭に立ち、安全運航徹底など社業立て直しに腐心したが、社内の反発に遭い1年余りで退任に追い込まれた。派閥抗争が「お家芸」とさえ言