尖閣諸島、南鳥島、大東諸島…。明治以降にブームとなった無人島探検。その目的は世界市場で高値で売買されるアホウドリであった。この行動は「帝国」日本の領土拡大を導き、はるか太平洋の島々へも進出させた。「アホウドリ史観」という新概念を打ち出した労作。 はじめに――研究の足跡と分析視角 第Ⅰ部 アホウドリと日本人の無人島進出 1 アホウドリを求めて――「南進」への行為目的 (1)小笠原諸島の領有とアホウドリ――「南進」へのプロローグ (2)鳥島開拓とアホウドリ撲殺事業 (3)榎本武揚と玉置半右衛門を取り巻く人々 (4)海洋小説と無人島開拓──ユートピアの実現 (5)南洋ブームと日本人の北太平洋の認識 2 マーカス島から南鳥島へ――発見から領有へ (1)島の発見から日本領有へ (2)南鳥島事件の発生と展開 (3)羽毛採取からはく製業、鳥糞(グアノ)・リン鉱採掘へ 3 アホウドリと尖閣諸島 (1)尖閣