年をとった人が、その自分の 年をとったこと、そのものを考えるというのは、 そうとうにむつかしいことだと思うのです。 自分自身が、これまでとちがう。 自分と社会との関係に、新しいずれを感じる。 そういうことを、見逃さずにできてないと、 自分の自然な変化には気づけませんよね。 吉本さんの話に、よく驚くのは、 自分の変化についても、 ほんとうに正確にとらえようとしていることです。 しかも、まだわかってないことについては、 「わかる」とは言わない。 そしてさらに、なにかしらの仮説を目の前に置いて、 それについて語りはじめる。 今回は、テーマそのものについて読むのと別に、 吉本さんの、いつもの「考える姿勢」について 味わうのもいいですよね。