マーケターは時に胡散臭いと言われることがある。怒ってはいけない。事実、胡散臭いのだ。なぜなら、マーケターというのは「まだ誰も見たことのない風景を見てきて、それについて語る」人のことだからだ。 問題が解決されて、商品が飛ぶように売れるようになった暁、つまり成功像をありありと描くのが仕事。まだ誰も見たことのない風景というのは、つまり「未来」のことである。胡散臭くないわけがない。 ダメなマーケティングプランというのは、誰からも見えている風景しか書かれていないもののことを言う。いくらデータ分析が緻密だろうと、美麗なチャートが描きこまれていようと、それが「現在」についての言及に終始しているならば、マーケティングプランと呼ぶには値しないのである。それは問題の再描写にすぎない。 マーケティングを学ぶ、ということは、データ分析の方法や、チャート表現のレパートリーを増やしていくことではない。風景の描写技術を