「皇帝」 その昔、そんな称号が冠せられたロシア人プレーヤーがいた。アレクサンダー・モストボイは、ピッチの統治者だった。 「俺のパスがなぜ通るのか? パスコースなんてもんは、たいていは塞がれているのさ。だから技術だけがあってもパスは通らない。どれだけ足が速くても、腕っぷしが強くたって役立たないね。パスコースはさ、作るんだよ。"時間を操って"な」 そのとき、皇帝モストボイが浮かべた笑みは幻惑的だった。それは叙情的な表現ではない。事実、モストボイは空間を我がものとし、時間を操れるからこそ、皇帝と呼ばれたのである。 「なぜか通るパス」 「通りそうで通らないパス」 その二つにある大きな差とはなにか? モストボイはトラップした瞬間、相手が飛び込めない場所にボールを置くこともあるし、あえて飛び込ませてかわすコントロールをすることがあった。その点、彼はなによりもボールを支配していたし、相手選手を手のひらで
5月30日、カンプ・ノウ・スタジアム。スペイン国王杯決勝はFCバルセロナが3-1とアスレティック・ビルバオをリードしていた。そのまま推移すれば、華やかなバルサのセレモニーへ、という流れだった。 ところが、後半40分に"事件"は起きた。 左サイドでロングパスを収めたネイマールが、ビルバオのディフェンダーと1対1で対峙したとき、両足でボールを抱えて相手の頭越しにドリブルしていくプレーを見せた。これはLAMBRETTA(イタリア、ミラノで製造された人気スクーター)と呼ばれる一種のボールコントロールで、スクーターに乗ったように膝を折り曲げ、はねたような状態になるところに名前が由来している。 この技は失敗したが、ビルバオの選手たちが一斉に激昂した。ネイマールに激しく詰め寄り、その行為を非難。その表情は怒気を含んでいた。 「私がビルバオの選手だったら、同じようなリアクションを取っただろう。もしくは、も
愛される前園真聖。彼が今、実に面白い。レギュラー出演している『ワイドナショー』を始め、『めちゃ×2イケてるッ!』のスペシャル番組「トップアスリート抜き打ち期末テスト」で存在感を放ち、『ボクらの時代』で三浦知良、中田英寿との対談が放送されるなど、幅広いシーンでメディアに姿を見せている。 2013年10月の“タクシー騒動”から、約1年半。謹慎復帰後の活躍の理由はどこにあるのか? ずばり、本人に話を聞いた。 ――まずはサッカーのお話しから始めさせてください。以前、日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ新監督、日本代表の注目選手について話をうかがいましたが、今シーズンのJリーグで注目しているチームはありますか? 湘南が面白いですね。個々の力ではJ1の上のチームには負けているかもしれないですけど、それでもどうやったら勝てるかというサッカーを確立しているので、それが日本代表につながるかはわからないですけど
やっと生活がもとに戻った。 この二週間、初めて育児で「詰んだ」。 何となく頭が回らないなと思いながら日常生活を送っていたが、ふとした瞬間に熱を計ってみると40度を超えていた。もともと熱には耐性があるのか、熱が高いだけではそれなりに動けていたのだが、改めて体温計のスクリーンに40度の文字を見ると、急に寒気がした。 いま、妻が第三子を妊娠しており、つわりの状態がこれまで以上によくないため、起床から保育園の送りまでと、保育園の迎えから寝かせつけ、その他の家事を基本的にすべて引き受けている。もともと育児、家事は夫婦のどちらがということがないため、すべてのタスクをこなすことはできるが、10週~12週あたりの妻の状態は本当に病気のレベルだった。 僕の体調に異変があってすぐ、第一子が嘔吐した。熱を計ってみると40度あり、すぐに病院へ。診断名はインフルエンザ。幸い、予防注射をしていたので病状は軽かったが、
毎年、この時期になると2008年の年末を思い出す。 リーマンショック後に非正規雇用の人々が仕事を失い、ホームレス状態まで追い込まれた年末。 いわゆる「派遣切り」が横行して話題になった時期だ。 そのため、厚生労働省前には、「日比谷公園年越し派遣村」が出現し、炊き出しに並ぶ人々の姿が年末年始に報道された。 働いていても貧困であるワーキングプアの深刻さや支援制度の不十分さが明るみになった。 そして、それは今も変わらない。 毎年、年末になると来年や来年度の雇用調整として、離職させられる労働者が後を絶たない。 だから、厚生労働省は、リーマンショックの時と同じように、失業して家賃が払えなくなり、労働者がアパートを追い出されることがないように制度をつくった。 それは住宅支援給付制度。 ずいぶん前にできた制度だが、実はこの制度、忘れ去られている。 仕事を失い、家賃どうしようかと考えている方やすでに滞納して
集団的自衛権の是非は、間違いなく今回の衆院選の重要争点の一つであろう。それは、日本が攻撃を受けなくとも、米国の都合で自衛隊員が実際に海外で殺し、殺される、ということである。その重みを安倍政権は、そして有権者は実感しているのだろうか。先月、元イラク帰還米兵のロス・カプーティさんがイラク戦争の検証を求めるネットワークの招聘で来日、各地でその経験を語った。イラク戦争での従軍経験から10年経つ今も苦悩し続けるカプーティさんは、「米国の戦争に日本は加担するべきではない」と警告する。 ○イラクで感じた疑問カプーティさんは1984年生まれ。米国北東部の保守的な街で生まれ育った。高校卒業後、変わり映えのしない退屈な暮らしに飽々し、刺激と変化を求めたカプーティさんは自ら米軍に入隊した。「当時の僕は、軍隊に入り戦闘に加われば、ハリウッド映画の主人公みたいなヒーローになって、女の子にモテると思っていたんだ。イラ
固定残業代が、残業代を払わず長時間労働をさせるために、若者を使い捨てにするいわゆる「ブラック企業」で数多く利用され、違法の温床・長時間労働の温床となり、社会問題化しています。 固定残業代は、「正しく」運用すると、基本的に使用者にメリットがない制度です(残業代不払いのための違法な運用が摘発されないとう場合はあり得ますが、それは違法行為を前提とする運用は論外)。 この文章の目的は、実際に固定残業代に関する裁判をいくつも経験した弁護士の立場からの問題提起です。 1 固定残業代って何? いわゆる固定残業代制度には、以下の2パターンがあります。 a基本給のうち一部を残業代とするパターン基本給20万(基本給に残業代5万円を含むもの) b基本給とは別に残業代を支払うパターン支給総額20万円(内訳:基本給15万円、5万円の定額残業代) どちらのパターンも、支給総額が20万円であること、残業代として5万円で
追記:2ちゃんねるをご存知の方にだけ、この記事の結論を先に書いておきます 「Facebookのアクションは常にageだから、ポジティブなことしか書かないほうがいいよ」 私の中では、これで満足しました。みなさまコメントありがとうございました。 ----- Webサービスの運営者から見て、Facebookはグロースハックの塊みたいなサービスだ。グロースハックとは、サービスを成長させるために、あれやこれやと手を変え品を変えて、ユーザを増やす努力すること。 まだ日本でFacebookが流行る前に、こういう話を聞いたことがある。 「Facebookは書き込みをしてもらう必要はない。とにかく実名でさえ登録しておいてさえもらえれば、勝手に友達から申請が来るようになって、写真のタグ付けを通じて関心をもたないわけにはいかなくなる」 と言う話。 つまり実名+写真SNSという関心引き寄せ装置としての構造がそこに
この記事を読んで、僕の生活パターンだったら、どこに罠があるかなぁということを考えてたんです。 「世帯年収355万円 私たちマンション買っちゃいました!」←の広告が酷すぎると話題に 関西の方の物件らしいのですが、年収の低い夫婦でも共にローンを契約すれば2600万円級のマンションを購入できるというもの。合算した年収が355万円を超えればローンが組めるのだそうです。 モデルケースとして、旦那が230万円、パートナーが125万円でも買えますという例や、親子で180万円ずつ年収があればローンが組めるという事例が紹介されています。もし払えなくなっても、貸せば元が取れますとちらしには書いてあります。 賃貸を取るか購入を取るかという宗教論争における最大のツッコミどころは「その返済、35年も続けられるの!?」というところに集約されます。ここに貼られていたチラシにあるようなケースだと、親子で買った場合に、親が
もうすぐ4月。新学期が始まる。 消費税が8%にあがる。さらに2015年10月には10%にあがることも予定されている。 その他、所得税があがったり、厚生年金保険料も多く徴収される。 「あがる」「あがる」の大合唱にかき消されがちだが、実は増税と同時に家計に少しだけ支援がある。 児童手当を受け取っている子育て世帯には良いお知らせがあるのだ。 4月以降、お住まいの役所で申請をするだけで、子ども1人あたり1万円支給される。 このニュースをtwitter(@fujitatakanori)でつぶやいたところ、反響が大きかったので、記事としてまとめてみたい。 それは『子育て世帯臨時特例給付金』と呼ばれる政策だ。 担当する厚生労働省はホームページで以下のように説明している。 平成26年4月から消費税率が8%へ引き上げられますが、子育て世帯の影響を緩和し、子育て世帯の消費の下支えを図る観点から、臨時的な給付措
2008年、月亭八方さんに入門し、昨年1月1日付で、芸名も山崎邦正から改名した月亭方正さん(45)。恩人として挙げたのは、同い年ながら、芸人としては先輩となる東野幸治さんでした。落語家転身という人生のターニングポイントも、東野さんの助言から始まったといいます。 かつてブレークした「電波少年」ケイコ先生の現在とは 皆さん、お察しの通り(笑)、僕は「世話になる人間」か、「世話をする人間」かでいうと、圧倒的に「世話になる人間」なんです。だから、たくさん恩人がいるんですけど、その中でも、東野さんは特別なんですよね。 というのは、僕と東野さんは同い年なんです。芸歴は東野さんの方が上なので、先輩にあたるんですけど、何というのか、すべてが見えているというか。同い年だけに、そのすごさが際立つんですよね。例えば、すごく根源的な話ですけど、お酒を飲んでいて「なんで人は人を殺したらダメなのか」という話をした時の
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をベースに、ウェブブラウザなどから手軽に楽しめるソーシャルゲーム。一般的なゲームと比べて、コミュニケーション要素が強いのが特徴となっています。ブラウザだけで遊べるのでブラウザゲームとも呼ばれ、元々はPC上で楽しむSNSの一部コンテンツでしたが、現在の日本では携帯電話やスマートフォンでプレイするものが主流といえるでしょう。 日本におけるソーシャルゲームのツートップといえば、グリーが運営する「GREE」と、ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」が挙げられます。しかし、一時期は「ソーシャルゲーム・バブル」と呼ばれるほど急成長したこの業界にも、陰りが見え始めました。 ソーシャルゲームに陰りが見え始めてきた理由 一番大きなきっかけとなったのは、2012年5月に「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」の違法性が指摘された点でしょう。コンプガチャとは、
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