今から40数年前、私がまだ高校生だった頃、NHKのドラマシリーズ「男たちの旅路」の「シルバー・シート」という回を見て、非常に衝撃をうけました。 この「男たちの旅路」は、警備会社に勤める警備員たちがさまざまな事件・事故と遭遇する中で、社会の矛盾や問題に直面していく、といった内容です。「シルバー・シート」では、空港に配置された若い警備員たちが、毎日やってきて誰彼となく話しかけ、かつて自身がロンドンに派遣された記者だった頃のことを語る老人と知りあいます。そして、その老人が空港で急死したことで、彼が暮らしていた老人ホームの仲間たち4人とも親しくなるのですが、その4人組が都電の車庫に忍び込み、路面電車の車両に立てこもる騒動を引き起こします。4名のうち一人は、かつて都電の運転士でした(放送当時でも、すでに荒川線しか残っていない状態でした)。 老人たちは問いかけます。死んだ元記者も元運転士も、みながんば