アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫) 作者: 野坂昭如出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1972/02/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 99回この商品を含むブログ (61件) を見る 大野裕之「文学逍遥 野坂昭如『火垂るの墓』」『毎日新聞』2019年7月6日 大野氏は大学時代に野坂昭如講演会を企画したことがあるという。 当時の面影を求めて作中の池のモデルであるニテコ池に着いて、言葉を失うほど拍子抜けした。フェンスに囲まれた貯水池には野鳥がさえずり、池畔の巨木は周囲の豪邸や瀟洒な高級マンションが並ぶ街並みと見事に調和している。腹を空かせて、泥だんごで造ったおかずを「どうぞ、お上り、食べへんのん?」と言って死んだ節子。彼女が死んだ土手の上を、その日は日傘の女性がのんびり歩いていた。 『火垂るの墓』*1`は野坂の実体験をもとにしているが、実際は、妹はまだ乳飲み子で`別の場所で