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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (38)

  • この本がスゴい!2019

    人生は短く、読むは多い。 毎年この時期、自分のリストを振り返るのだが、読みたいが尽きることはない。読むほどに、知るほどに、知識と理解と表現の不足を痛感する。 それでも読むし、ここに書く。読むことで豊かになり、書くことで確かになるというのは当で、読んでいるときに何を知りどう考えていたかは、書くことでハッキリする。 つまり、自分で分かるために書いているのだ。フランシス・ベーコンは、話すことで機敏になるとも言ったが、わたしの場合、話すことで世界が変わった。[スゴオフ]や読書会、[冬木さんとのSF対談]や、読書猿さんとの知をめぐる対談[1][2][3]で、世界の見え方が変わった。 読書会や対談は今後もしていくが、そこで紹介されたや、2019年に出会ったの中から、わたしにとってのベストを選んだ。これが、あなたにとってのスゴとなれば嬉しい。そして、このリストを目にしたあなたが、「それがス

    この本がスゴい!2019
    natu3kan
    natu3kan 2019/12/01
    『測りすぎ』ジェリー・Z・ミュラーは面白そう。なぜ人は見せかけのKPIに振り回され手段の目的化に陥るのかって、共産主義のノルマ達成の為のウソ報告やスタハノフ運動と絡んで国家運営でも面白いテーマの一つだしな
  • ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』

    たとえば天下りマネージャーがやってきて、今度のプロジェクトでバグを撲滅すると言い出す。 そのため、バグを出したプログラマやベンダーはペナルティを課すと宣言する。そして、バグ管理簿を毎週チェックし始める。 すると、期待通りバグは出てこなくなる。代わりに「インシデント管理簿」が作成され、そこで不具合の解析や改修調整をするようになる。「バグ管理簿」に記載されるのは、ドキュメントの誤字脱字など無害なものになる。天下りの馬鹿マネージャーに出て行ってもらうまで。 天下りマネージャーが馬鹿なのは、なぜバグを管理するかを理解していないからだ。 なぜバグを管理するかというと、テストが想定通り進んでいて、品質を担保されているか測るためだ。沢山テストされてるならバグは出やすいし、熟知しているプログラマならバグは出にくい(反対に、テスト項目は消化しているのに、バグが出ないと、テストの品質を疑ってみる)。バグの出具

    ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』
    natu3kan
    natu3kan 2019/09/25
    「どんな状況でもノルマ達成必須」と「どんな理由でもミスは厳罰になる」は、現場から正しい報告が上がってこなくて、粉飾ノルマ達成報告とミス隠蔽という嘘の報告しか上がらないのは共産主義が教えてくれた。
  • リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた

    「女の子の匂い」をご存じだろうか? 「臭い」ではなく「匂い」である。 よく言われる、せっけんの香りではない。デオドラントや柔軟剤、コンディショナー、乳液、ハンドクリーム、化粧水、オーラルケア、ファンデなどの香料、フレグランスでもない。それらは、女の子から漂ってくる様々な匂いを構成する要素にすぎない。 そうした、外づけの化合物ではなく、女の子自身から発する匂いだ。ココナッツミルクや白桃を想起させる、何とも言えない、「匂い」というより、「あの感じ」といえば分かるだろうか。心地よく、はっとする感じ、あるいは身体的にオンになる感覚である。 これは、わたしの変態性が生み出した妄想にすぎぬ、と考えていた。しかし、優れた先人たちの研鑽と研究の末、「女の子のいい匂い」とは、以下の物質であることが判明している。 ・高級脂肪酸と安息香酸エストラジオール ・ラクトンC10、C11 では、女の子の匂いを再現するこ

    リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた
    natu3kan
    natu3kan 2019/05/23
    若い女の子はバターと車の芳香剤と桃で出来ている。どっかで車の芳香剤で女性の香りに似てるのあるって話題になってたの思い出した。追記:使ってみたら一瞬だけベーコンみたいな匂いになってお腹が空きました。
  • 山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』

    三大「〇〇好きに悪人はいない」のカウンターができた。 犬好きに悪人はいない → 『冷たい熱帯魚』 子好きに悪人はいない → 『IT』 山好きに悪人はいない → 『闇冥』 最初は、埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした映画園子温・監督・脚で、猟奇殺人事件に巻き込まれた男を描いたホラーだ。死体解体など凄惨なシーンもあり、R18+に指定されている。 次は、殺人ピエロの異名を持つジョン・ゲイシーから想を得た小説。みんな大好きスティーヴン・キングの長編で、映画にもなっている(リメイクされたハイ! ジョージーが有名やな)。怖さなら小説を、おぞましさなら、実話のほうWikipedia[ジョン・ゲイシー]をお薦めする。 最後は、今回お薦めの山岳ミステリアンソロジー。馳星周が選んだとあって、ノワールなやつから悲哀に満ちた作品までさまざま。ここでは、山岳ミステリの傑作とも言われる、松清張「遭難」について紹

    山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』
    natu3kan
    natu3kan 2019/03/10
    チョモランマでも山に捨てられた酸素ボンベとかのゴミ拾いしたりするし。人気の山とゴミ問題はセットではあるんだろうな。よい~好きとは、死んだ~好きのことなのかもしれない(偏見)。
  • この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    まとめ すごく長くなったので、まとめる。まず、今年のベスト。 このがスゴい!2018のラインナップ。 このがスゴい!2018の一覧は以下の通り。 ◆フィクション 『ランドスケープと夏の定理』高島雄哉(東京創元社) 『舞踏会へ向かう三人の農夫』リチャード・パワーズ(河出書房新社) 『寿司 虚空編』小林銅蟲(三才ブックス) 『直線』ディック・フランシス(ハヤカワ文庫) 『ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ(作品社) 『槿』古井由吉(講談社文芸文庫) 『平家物語』古川日出男(河出書房新社) ◆ノンフィクション 『知の果てへの旅』マーカス デュ・ソートイ(新潮クレスト・ブックス) 『愛とか正義とか』平尾昌宏(萌書房) 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』吉川浩満(河出書房新社) 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ(ダイヤモンド社) 『文学

    この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    natu3kan
    natu3kan 2018/12/01
    要点となる種本をいくつか読むと、だいたい本の内容って類型があるのわかってきて、本を読めば読むほど新しい知識が得られる可能性って減っていくよね。一般書なら学問を一般人向けに解説した本とか種本になりやすい
  • 読書猿『問題解決大全』はスゴ本

    一生役立つ一冊。 これ、言い切っていいと思うが、わたしが直面するあらゆる問題は、検討済みである。 新しい問題なんてものはない。「問題」をどの抽象度で定義するかにもよるが、新しく「見える」だけで、分析してみれば、分解してみれば、裏返してみれば、再定義すれば、古今東西の人たちがすでに悩み、検討し、着手し、対処してきた問題であるにすぎぬ。 ただし、対応する人にとってみれば、それは新しい問題である。または、初見の状況に直面することもある。だが、人や状況が違えども、問題そのものは、ほどいてみれば、既出なのだ。新しい状況下で、新しい人が、既出の問題を解き直しているといえる。 そして、問題を解決するための方法もまた既出である。わたしが知らないだけで、古今東西の人たちがすでに考え抜いている。ある手法は学問分野になっていたり、またある方法はライフハックやビジネスメソッドになっていたりする。規制や法制度化され

    読書猿『問題解決大全』はスゴ本
    natu3kan
    natu3kan 2017/11/28
    下請けの立場で理不尽な元請をどうにかしてデスマを緩和する方法が知りたい。自分の立場が弱かったり発言力がない身分だと、そもそも問題解決できるだけの状況が揃わず、耐えるだけの体力勝負になる事が多い
  • 『土木と文明』はスゴ本

    土木から見た人類史。めちゃくちゃ面白い。 土木工学とその影響という切り口で世界史を概観する。テーマは、都市、道路、橋、堤防、上下水道、港湾、鉄道などに渡り、テーマごとに豊富な事例で紹介する。土木技術の発展なしには文明も発達せず、また文明の発展につれて土木技術も発達してきた。そうした土木工学と文明の関わりを歴史的に串刺しで見ることができる。 大きなものから小さなものまで、人が手がけてきた土木事業は、それこそ星の数ほどある。それをどうやって整理するか。書は、そのとき直面した問題(治水、防衛、流通、疫病対策等)と、利用できるリソース(人・技術・時間)、そして成し遂げられた結果(土木事業)という観点で整理しているのが素晴らしい。 面白いことに、問題と対策という視点で眺めると、時代や地域を超えた普遍性が現れてくる。異なる時代・地域の人々が、それぞれに知恵を絞り、そのときに手に入るリソースを駆使した

    『土木と文明』はスゴ本
    natu3kan
    natu3kan 2017/09/01
    仏教を広めるために、広める場所の治水の改善をして現世利益を見せて、信者をふやすと。奇跡で生活を豊かさを与えれば、奇跡を与えてくれた人を信じるわなあ
  • 最高のライトノベル『この恋と、その未来。』───ただし完結するならば

    恋とは、求めるものを投影した相手に惚れてから幻滅するまでのわずかな期間のことを指すか、または一生醒めない夢を見続けることだ。従って、叶った恋は恋でなくなるから、ホントの恋は片想いになる。「この恋」を、ずっと大事にしていきたいのなら、決して明かしてはならないし、露ほども表にしてはならない。そのためには、嘘でもいいから彼女をつくり(そのコにとってはいい迷惑だ)、周囲を騙し、自分を偽る。恋の質は、秘めた幻なのだ。 だが、そんなことできるわけがない。自分も相手も、若いんだし、若いということは、変化することなんだから。心はそのままでいたいと願っても、体は変化する。男は男の体に、女は女の体に。見た目だって、匂いだってそうなってくる。欲を求める自分の肉が、おぞましいものに見えてくる。変化に抗って、「この恋」をそのままに留めるには、すごい力を必要とする。恋は常に現在形である。「この恋」を、そこに留めてお

    最高のライトノベル『この恋と、その未来。』───ただし完結するならば
    natu3kan
    natu3kan 2016/07/19
    心が男でも男に惹かれたっていいよね!
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: たしかに、プラトンは「最近の若者は…」と言っていた、が…

    このエントリで主張したいことは2つある。 たしかに、プラトンは「最近の若者は…」と言っていた。しかし、若者批判の意味で述べたのではなく、民主政体の比喩として言った わたし自身への戒め:ネット「だけ」を検索している限り、「見つからないのは、悪魔の証明」と嘯く資格はない。ネットに訊いている限り、得られる情報はウィンドウ枠から出られない 「最近の若者は…」とプラトン(紀元前427-347)が言ったとかいわないとか。わたしも調べたことがある。google センセイに訊くわけだ。「プラトン 最近の若者」か、あるいは、プラトンを「Plato」あるいは「Πλάτων」に置き換えて。文節を変えたり類語で広げたり、言語を変えたり、他のサーチエンジンしたり… 得られた中で、比較的まとまっている回答は、以下の通り。 「最近の若者はなっていない」という感じの文章は紀元前●●●年前から、石版?か何かに書かれていた。

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: たしかに、プラトンは「最近の若者は…」と言っていた、が…
    natu3kan
    natu3kan 2016/07/19
    「最近の若い者は……」と遥か昔から言われてたか。
  • 『世界システム論講義』はスゴ本

    「なぜ世界がこうなっているのか?」への、説得力ある議論が展開される。薄いのに濃いスゴ。 世界史やっててゾクゾクするのは、うすうす感じていたアイディアが、明確な議論として成立しており、さらにそこから歴史を再物語る観点を引き出したとき。「こんなことを考えるの私ぐらいだろう」と思って黙ってた仮説が、実は支配的な歴史観をひっくり返す鍵であることを知った瞬間、知的興奮はMAXになる。 たとえば、「先進国(developed)」と「途上国(developing)」という語に、ずっと違和感があった。「後進国」は差別的だからやめましょうという圧力よりも、この用語そのものが孕む欺瞞を感じていた。 なぜなら、この語の背景として、近代化・工業化が進むというプロセスがあるから。なんなら、進化のメタファーを使ってもいい。産業構造が一次から高次に転換するとか、封建社会から資主義社会に"進化"するといった欧米の経済

    『世界システム論講義』はスゴ本
    natu3kan
    natu3kan 2016/02/10
    労働者に消費者させた方が、買う人が増えてお得だし間接的に自社で作った製品を自社の社員が買うみたいな状況になり、長い目で大規模でみると人件費がかからない事態になるので、消費を生まない奴隷制度より儲かる
  • デザインはコミュニケーションから生まれた『コミュニケーションのデザイン史』

    対話するように読めるコミュニケーション・デザインの教科書。自分の経験と著者の知見が響きあい、参考文献が芋づるで出てくるのが嬉しい。 著者の目線が素晴らしい。わたしは今まで、機能や美的造形を考慮したプロダクツやその設計を「デザイン」と考えていた。しかし彼は、「意思を持って何かをつくる行為」をデザインと再定義する。すると、デザインされた「モノ」や「コト」だけではなく、その前後にいる「人」にフォーカスが当たるようになる。デザインの話というと、「モノ」や「コト」に目が行きがちだが、デザインが人により生み出され、人により享受される以上、人を取り巻く状況や文脈込みで見ろというのだ。 たとえば、地図と交通について。古典的なTO図やプトレマイオス図、そして大航海時代の地球儀を横断的に参照しながら、地図とは「世界はこのようになっていると定義したもの」という観点を引き出す。つまり、地図とは現実にそう見えている

    デザインはコミュニケーションから生まれた『コミュニケーションのデザイン史』
    natu3kan
    natu3kan 2015/12/11
    芸術はコミュニケーションというか一種の言語だからこそ、理解できない圏の人には滑稽とかもう終わったデザインにしか見えない。突き詰めたのが現代芸術
  • この本がスゴい!2015

    「いつか読む」は一生読まない、いつ読むの? 人生は短いのに、読みたいが多すぎる。残り全部を注いでも、いまのリストは読みきれぬ。己の変化を確かめる、再読リストも増えている。今際に後悔しないため「読んでから死ね」が優先なのに、積まれるスピードさらに上。を通じて出会った人から教わったがまたスゴい。オフ会は危険な場、積読山がマシマシだ。それでも読むしかない、それも今しかない。 「このがスゴい!2015」は、この「今」を積み上げた一年間からピックアップしたもの。ネットや読書会を通じてお薦めされた作品もあれば、書店や図書館で「呼ばれた」もある。非常に愉しいのは、リアルで話し込んでいると、記憶の底からリレースイッチのようにタイトルが"発火"してゆくところ。完全に忘れてた、思いもよらない作品につながってゆく様は鳥肌もの。 世界は対話で拡張する。わたしが知らないスゴを"発火"させる、あなたが凄い

    この本がスゴい!2015
    natu3kan
    natu3kan 2015/12/01
    小さな失敗を露見させないことで、学べずに蓄積されていく危険>「失敗を排除するため圧力をかけると、失敗が報告されない組織になる」この危険性は、失敗が大惨事になった場合に曝露される。
  • 中国農民はなぜ貧しいのか

    スゴいです。都市部・農村部の格差に焦点をあて、その原因、影響、予測を徹底的にデータに語らせてます。なのに、中国のさまざまな側面→犯罪、教育、医療、社会保障、年金、AIDS(SARSも)問題があぶりだされています。 増すゴミにより、きらびやかな都市部の側面がチヤホヤされているけれど、13億のうち8億人は農村人口。農民を見なければ中国を見ていることにならない。 島耕作で中国を理解したつもりになるな、ありゃ団塊のファンタジーだぞ(by 名無しさん) キーワードと私のコメント 東西問題:沿岸部・東部と、内陸部・西部の経済格差問題。昔は「東西問題」といったら、東西ドイツに代表される「共産主義vs資主義」の問題だったのに… 貧困者の数:農村部+都市部合わせて6000万人。きちんと統計とれているわけではないことに注意 三大差別:三大差異、「農業と工業」「都市と農村」「頭脳労働と肉体労働」 二等公民:

    中国農民はなぜ貧しいのか
  • 苦しまないと、死ねない国『欧米に寝たきり老人はいない』

    せめて、死ぬときぐらい安らかに逝きたい。 だが、現代の日では難しいらしい。老いて病を得て寝たきりになっても、そこから死にきるためには、じゅうぶんな時間と金と苦しみを必要とする。寝たきりで、オムツして、管から栄養補給する。痰の吸引は苦しいが、抵抗すると縛られる。何も分からず、しゃべれず、苦しまないと死ぬことすらままならない。 タイトルの「欧米に寝たきり老人はいない」理由は、簡単だが単純ではない。というのも、「寝たきりになる前に(延命治療を拒否して)死ぬから」が答えであることは分かっていても、なぜ「延命治療を拒否する」ことが一般化しているか明らかでないから。書によると、数十年前までは日と同様に、終末期の高齢者に対し、濃厚医療が普通だったという。欧米では、これが倫理的でないという考えが広まり、終末期は「べるだけ・飲めるだけ」が社会常識になった。金の切れ目が命の切れ目。高齢化社会に伴う医療

    苦しまないと、死ねない国『欧米に寝たきり老人はいない』
    natu3kan
    natu3kan 2015/09/22
    日本の場合は年金だけじゃなくて恩給もあって、それなりの額もってるのもあって、老人に死んでほしくなかった側面はあったんだよな。今はどうか知らないけれど。まだ日本は金があるから終末医療できるけど
  • 事故る人と事故らない人のあいだ『交通事故学』

    人は一生のうち、一度は交通事故に遭遇して負傷するか死亡する可能性があるという。書は、その確率をより小さくするための一助となる。 著者は早稲田大学の教員で、行動特性の観点から交通事故におけるヒューマンエラー分析を行ってきた。その知見を元に、人間心理、車の構造、交通システム、運転環境の視点で、「どうしたら事故を減らせるか」に迫る。人は間違いをするものだが、車が衝突するかしないかは、ドライバー次第であるという主張に身が引き締まる。事故る人と事故らない人のあいだには、運以外のものが沢山あることが分かる。 「人は間違える」という前提で、「物陰から急に飛び出してきた」という証言や、「とっさのことで間に合わなかった」という説明が再検証される。突然、危険が発生したかのように聞こえるが、実はその前に判断材料があるにもかかわらず見落とし、判断せずに進行してしまったため事故に至ったケースがほとんどだという

    事故る人と事故らない人のあいだ『交通事故学』
  • 正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義だ『正義はどう論じられてきたか』

    世の中には、あてにならない言葉がある。 「行けたら行くわ」 「怒らないから言ってみなさい」 「テスト勉強してないわー」 「大丈夫、何もしないよ絶対に」 他にも、「全米No.1」や「免疫力」、「効果を実感したと答えました」なんて浮かぶ。これらは、言葉があてにならないというよりも、むしろ、このセリフを言う人を信じてはいけない。「行けたら行くわ」と言う奴は頭数に入れないし、「何もしない」は連れ込むための方便だ。 これに「正義」が入る。あてにならないのは言葉ではなく、ふりかざす人。前提なしで「正義」を振りまわす人が胡散臭い。主義に応じて伸び縮みし、いかようにもカスタマイズできるこの言葉を、それが使われることで流された血をきれいに忘れ、恥ずかしげも恐ろしげもなく使う人を、わたしは信じない。 この「正義」について、古代から現代までを振り返り、正義論の思想地図を検証したのが書になる。プラトン、アリスト

    正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義だ『正義はどう論じられてきたか』
    natu3kan
    natu3kan 2015/04/25
    カチグミは聖書すら改竄する!
  • なぜ最近の老人はキレやすいのか?

    キレやすくなっているのは老人であり、若者ではない。 もう一度いう、大人として成熟できず、我慢のなんたるかを知らず、ついカッとなって暴走するのは、20代ではなく、60代以上の年齢層において激増している。このエントリでは、事象の裏づけと、なぜ最近の高齢者がキレやすくなっているかについて考察する。なお、「高齢者」「老人」とは、60歳以上の日男女を指している。 最初に断っておくが、安易な結論「高齢化社会になったから」ではない。確かに高齢者は増えているが、老人の犯罪者はそれをはるかに上回るスピードで蔓延っている。もっとも、老人が老人に襲い掛かる老老犯罪が増えている文脈で「高齢化社会」を語るならまだ分かる。しかし、そもそもキレやすい老人が増えている事実を糊塗して「高齢化社会になったから」と、したり顔で全部説明した気になっているマスコミ、コメンテーター逝ってよし! 目次は次のとおり、長いデ。 激増す

    なぜ最近の老人はキレやすいのか?
    natu3kan
    natu3kan 2014/07/08
    義務教育を受けていなかった世代の社会性のなさ
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「読んでいない本について堂々と語る方法」はスゴ本

    スゴいのは、書が巧妙な罠だということ。 タイトルはを開かせるための釣りで、書そのものに仕掛けがしてある。もちろん「未読について語る方法」はあることはあるが、そいつを探しながら進めると、ホントの目的を読み流してしまう可能性が大。 ■1 書の、「表面」 疑似餌となっている「読んでいないについて堂々と語る方法」は、書のあちこちに散っている。なかでもズバリなやつは、p.169-170 だろう。すなわち、第一に、冒頭で作品を褒めることで、読み手の信頼感を抱かせろという。あとはひたすら一般的考察に逃げ、最後に次の記事でに言及することを予告する。しかし、次の記事なるものがあらわれることがなく、そのを葬り去ることができるというのだ。 そして、誰もがを「読んだ」と思っているだけで、「ちゃんと」読むなんてことは、ほとんどありえないことを明らかにする。ほとんどの場合、ナナメ読みか飛ばし読みし

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「読んでいない本について堂々と語る方法」はスゴ本
    natu3kan
    natu3kan 2012/04/26
    未知なら理解できるまで精読。既知なら速読して速攻で既存の抽象化フォルダに叩き込む。このバランスが重要なのは当然といえば当然だが難しい。小説でも既知(物語の構造)と未知(物語固有の結末)の混ざり合ってる