6月14日(ブルームバーグ):3歳で亡くなった男の子、ラシード・アーメドちゃんの死をめぐっては死亡証明書に記されていない事実がある。 証明書には死亡者の名前のほか、つづりの間違っている母親の名前と、マラリアという死因が書かれている。8月のある夜、インドの首都ニューデリーの病院に搬送された際、ラシードちゃんの体重がどれほど軽かったか、肋骨(ろっこつ)がどれほど突き出ていたか、そして治療に当たったジビ・ガウラブ医師には手の施しようがなかったこともそこには記載されていない。 ガウラブ医師は8月15日、セイント・スティーブンス病院で夜間勤務していてラシードちゃんの死に立ち会った。「この子を死なせたのは飢えだ。非常に弱っていて栄養不良だった。マラリアでも下痢でも最初にかかった病気で死んでいただろう」と振り返る。 ラシードちゃんの母親、ナジアさんの息子の死に見舞われるまでの30年の人生は、国民に