このブログでは、聖徳太子に関する諸分野の最新の研究成果を紹介するとともに、大山誠一の聖徳太子虚構説を詳細にわたって批判したうえ、法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮めるための寺と論じた梅原猛(こちら)、ノストラダムスの大予言シリーズで人気になって聖徳太子をその類の予言者とした五島勉(こちら)、日本をキリスト教国家にしようとした蘇我氏が邪魔な聖徳太子を暗殺したと妄想した田中英道の本(こちら)なども取り上げ、論評してきました。その類の「あぶない」聖徳太子論を取り上げて分析した面白い本が刊行されました。 オリオン・クラウタウ『隠された聖徳太子―近現代日本の偽史とオカルト文化』 (筑摩書店、ちくま新書1794、2024年5月) です(クラウタウさん、有り難うございます)。 クラウタウさんのこうした研究については、以前、このブログで論文を紹介したことがあります(こちら)。今回の本はその拡張版ですね。その時も今