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  • 「ヤバイ」ではなくすごいコメ コシヒカリ環1号の実力

    コシヒカリ環1号を知っていますか? コシヒカリから生まれた新品種で、カドミウムをほとんど吸収しないという性質を持っています。このコメの血を引く「あきたこまちR」という品種も、2年後には登場しそうです。 実はこのコシヒカリ環1号、日のコメが抱える二大問題を解決できるかもしれないすごい品種です。ところが今、「放射線育種米」や「放射線米」などと名付けられ、SNSやYouTube、TikTokなどで情報が流されて「ヤバイ」などと言われ始めました。放射線という言葉が誤解につながっているようです。このままでは風評被害にもつながりかねません。 コシヒカリ環1号はどんな品種なのか? なにがすごいのか? 科学的に正しい情報を提供します。 カドミウムという負の歴史 コシヒカリ環1号のすごさを理解するにはまず、日のコメのカドミウム問題の歴史を知る必要があります。 重金属カドミウムは土壌や水、銅や亜鉛などの鉱

    「ヤバイ」ではなくすごいコメ コシヒカリ環1号の実力
    njamota
    njamota 2023/11/12
    放射線を使った育種によって作られた品種は人体に有害(かもしれない)という指摘により健康上の逸失利益が生じる勢い。https://x.com/mizuhofukushima/status/1722423523271159919
  • 除草剤〝発がん性疑惑〟の科学的事情と海外の状況

    筆者は生協などによく講演を頼まれるのですが、除草剤グリホサートとネオニコチノイド系殺虫剤は、質問が相次ぐ2大農薬。「発がん性が……」「はちが死ぬ……」「諸外国はみんな禁止になっているのに、日は残留基準値を上げた……」などと質問責め。残念なことに間違った情報も広がっています。 グリホサートは、田植え準備で行う田起こしの前や、畑で種まきをする前、雑草を枯らすために用いることが多い(taka4332/gettyimages) そこで、二つの農薬について解説しましょう。今回は、「発がん性疑惑農薬」などと喧伝されるグリホサートをめぐる科学的事情と海外の状況を詳しくお伝えします。非常に複雑です。でも、これが科学なのです。 登録されてから30年以上経過した除草剤 グリホサートは、米国モンサント社が開発し、日では1980年に農薬として登録された除草剤の成分名称です。非選択性、つまりあらゆる作物、雑草の

    除草剤〝発がん性疑惑〟の科学的事情と海外の状況
    njamota
    njamota 2022/05/16
    「グリホサートをめぐる科学的事情と海外の状況を詳しくお伝えします。非常に複雑です。でも、これが科学」しつこいデマや独善的な運動は、この複雑さに耐えられない知性と基本的信頼感欠如から来る不信感の複合では
  • 教育委員会の都合は最後に考えよう

    組織に所属している人なら、大なり小なり、その内側から改革を進めていくことの難しさを感じたことがあるだろう。千代田区立麹町中学校校長・工藤勇一氏の歩みは、そうした現実との戦いの歴史だったとも言える。かつて在籍した新宿区教育委員会では前例のない規模で公立学校のICT(情報通信技術)化を進めた。当時、工藤氏とともに働いた3人の区職員の話を交え、改革者の横顔に迫る。 第一印象は「変な人だな」 「私の30数年におよぶ役所人生の中でも、あの3年間は特に『仕事をしたな』という実感が得られました。およそ役所の常識では考えられないようなことを実現したんです」 松田浩一氏(新宿区・福祉部地域福祉課長)は当時をそう振り返る。公立学校のICT環境を整備するべく、新宿区は2009(平成21)年に「学校情報化担当チーム」(当時)を新設した。異動の内示を受け、学校情報化推進担当となった松田氏は、ICT教育の専門家として

    教育委員会の都合は最後に考えよう
    njamota
    njamota 2018/09/21
    「私たちの仕事ではさまざまな立場の人との調整が必要ですが、今やっていることが子どものためになるかどうかという視点で話せば、どんな相手とも対立軸がなくなって、互いに納得できる場所へ着地できるんですよ」
  • 帝国陸軍は愚かで非合理だからアメリカと戦争したのか?

    「8月や、6日、9日、15日」という詠み人知らずの歌がある。広島に原爆が落とされた8月6日、続いて9日に長崎、そして15日無条件降伏(ポツダム宣言の受諾)である。 8月15日には、陸海軍を中心に戦争時の資料が大量に焼かれた。今でも「大営発表」というと悪い意味で使われるように、戦時中は負けているにもかかわらず、勝っているような発表がされ、負けてしまえば、責任逃れのために資料を焼いた(公文書を粗末に扱うという官僚の悪弊は今にも引き継がれているということだろうか……)。 このように昭和の軍部、特に帝国陸軍は、非合理主義で、極端な精神主義に走った組織という認識が一般的だ。 ところがそんな陸軍が、開戦前に日を含め、アメリカ、イギリス、ドイツなどの主要国の「経済抗戦力」について調査を行っていたという。陸軍主計中佐・秋丸次朗をリーダーとして調査組織を設置した(通称「秋丸機関」)。 秋丸機関の調査によ

    帝国陸軍は愚かで非合理だからアメリカと戦争したのか?
    njamota
    njamota 2018/08/16
    1.開戦しなければ2-3年でジリ貧、2.開戦しても高確率でドカ貧、3.低確率だが上手くいけば開戦して講和に持込める。ここで3を選んじゃう行動経済学の「プロスペクト理論」。「非合理的な陸軍が無謀な戦争」は戦後の気分
  • 「忖度」か「炎上」か、言いたいことも言えない世の中は変えられるか

    福島第一原発事故から7年が過ぎ、放射線リスクをめぐる対立はかつてほどには目立たなくなっているが、対立がもたらした分断は、ローカルなコミュニティにもネット上にも残されている。このことは、「政治」が議会でのみ行われるのではなく、日常生活の細部でも常に起こっていることを再認識させる。 原発事故後の分断について「」を通じた分析を行ったのが、『原発事故と「」 市場・コミュニケーション・差別』の著者、社会学者の五十嵐泰正氏だ。原発事故後に千葉県柏市で消費者や生産者らの協働による社会運動を率いた経験ももつ五十嵐氏と、やはり社会学者で著書『社会運動と若者 日常と出来事を往還する政治』など運動参加者へのインタビュー調査を続けてきた富永京子氏が、若者のデモから“左派嫌い”が生まれる理由まで、幅広く語り合った。 人は「自分と似た人」の言うことしか聞かない? 富永:『原発事故と「」』を読んでまず感じたのは、

    「忖度」か「炎上」か、言いたいことも言えない世の中は変えられるか
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    njamota 2018/08/07
    立場を超えて共有できるものを自然科学が提供するから、それを使って立場の違いを調整するところを社会科学がやれよってずっと思ってるの。科学者に社会的な調整能力とか期待するな。それは社会学の専門じゃないか。
  • 「運動」への不信はなぜ増幅したのか

    来はまったく別の問題が、政治性に絡め取られて「抱き合わせ」になり、社会を分かつ踏み絵になってしまうのはなぜか。社会学者二人による、日常のなかの「政治」をめぐる対話の後編。(前編はこちら) 「誰にも話せないこと」を抱えた人々 五十嵐:『原発事故と「」』を半分ぐらい書いた時点で自分に課したのが、「科学の議論に逃げない」ということだったんです。もちろん、科学的なファクトは尊重します。でも、モリカケ問題や公文書改ざんを持ち出すまでもなく不信感が蔓延していて、お互いに相容れない人たちがいる状況で、どう間を取り持ち、議論のプラットフォームを開き、最終的に判断が異なる人たちの間を調停し共存していくか、というのは自然科学の課題じゃないんですよね。社会学者はそれを真剣に考えなければいけなかったのに、それを怠ってきたんじゃないかってずっと思っていたんですよね。 ――科学的な正しさが機能しないのはなぜか、と

    「運動」への不信はなぜ増幅したのか
    njamota
    njamota 2018/08/02
    リアルで話せなかった不安をネットで「話すとその不安に何がしかの「根拠」を与えてくれる人がいる、そこで抑圧からの解放感を得て、そこを自分の居場所だと感じていく」汚染の危険性がなぜタブー化するのか。
  • 放射能とワクチン 不安に寄り添う怪しげな「支援者」

    福島の被ばくと子宮頸がんワクチン。弊誌Wedgeが取り上げ続けてきたこの2つのテーマには似通った問題が潜んでいる。福島出身の社会学者、開沼博さんと、医師・ジャーナリストの村中璃子さんが、縦横無尽に語り尽くす。 ※記事は4月20日発売のWedge5月号の記事の一部です。 編集部 被ばくとワクチンをめぐってどのようなことが起きているのか、実態を教えてください。 開沼博(以下、開沼) 福島の惨事に便乗する言説によって、二次被害と呼べる問題が明確に出てきています。 事故直後の「急性期」には、避難する過程で多くの人が命を落としました。放射線の危険性を過剰に煽る報道によって、農業や漁業に従事する人の中に自殺したり、将来への悲観から廃業したりする人が出ました。 しかし、状況がある程度落ち着いた「慢性期」の現在もそういった惨事便乗型言説による実害は発生し続けている。避難をし続けて、心身に不調を来たして亡

    放射能とワクチン 不安に寄り添う怪しげな「支援者」
    njamota
    njamota 2016/09/22
    不安を絶対視して批判を許さずそれに寄り添う支援者と、不安を否定されない事で承認されたと思う被害者が、共依存関係を構成する事で、被害が固定化し解決から遠ざかる(別種の利益はある)、という構造。
  • 正しくは「速報と変わらず因果関係なし」 名古屋市子宮頸がんワクチン副反応疫学調査「事実上撤回」の真相

    名古屋市は、昨年、市内に住む若い女性約7万人を対象に、日初の子宮頸がんワクチン接種後症状に関する大規模調査を行った。回答率は4割超。こういった調査では高い数字である。 「調査結果(速報)」で示された結果は、月経不順、関節や体の痛み、光過敏、簡単な計算ができない、身体が自分の意志に反して動くなど、子宮頸がんワクチンとの因果関係が疑われている24の症状について、年齢で補正するとむしろ15症状でワクチン接種群に少ないという衝撃的なものだった(参考記事はこちら)。この調査で解析を行ったのは名古屋市立大学大学院医学研究科公衆衛生学分野、鈴木貞夫教授の研究室である。 一方、薬害問題に取り組むNGO「薬害オンブズパースン会議」は、速報発表当日に名古屋市役所で会見を開き、「明らかに不自然な結果で、被害実態をとらえる解析もなされていない」(朝日新聞の記述)と批判。2日後の12月16日には市長宛てに「速報の

    正しくは「速報と変わらず因果関係なし」 名古屋市子宮頸がんワクチン副反応疫学調査「事実上撤回」の真相
    njamota
    njamota 2016/06/27
    昨日のNHKの件の詳報。名古屋市は集計結果は公表するが名市大のやった解析結果(有意差なし)は報告書から削除、との事。名古屋市が因果関係なしと言ってると取られると困るんだって。公表資料で誰か解析・報告すれば
  • 利用される日本の科学報道(続篇)

    3月16日夜、TBSのNEWS23では「“子宮頸がんワクチン”と示された写真だけが緑色に光る画像」が映し出された。ある実験に用いたマウスの脳切片の画像である。 信州大学第三内科(脳神経内科)教授(兼副学長、兼医学部長)の池田修一氏が班長を務める厚生労働研究班は、子宮頸がんワクチンが「自己免疫」というメカニズムで少女たちの脳神経に障害をもたらす、という仮説に立って研究を進めていた。自己免疫とは来は異物を攻撃する免疫が自分を攻撃してしまうこと。NEWS23の画像は、その日の午後、厚生労働省で行われた成果発表会で池田班が用いたスライドを元にしたものである。 池田教授はNEWS23に対し「明らかに脳に障害が起こっている。ワクチンを打った後、こういう脳障害を訴えている患者の共通した客観的所見が提示できている」と語った。3月16日の発表直後、筆者は池田教授にマウスの数、ワクチンの投与量など、スタディ

    利用される日本の科学報道(続篇)
    njamota
    njamota 2016/06/26
    厚労省が先日自らケチをつけた件で、追加情報が出たの。厚労省はなんか言わなくていいの?ワクチン打つべきか否か、打っても良いかどうか、いい加減に見解を示してよ。一体何を恐れているのか。業界も同様。
  • 福島のタブーに挑む・その3 賠償の区切りと広域復興

    東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年が経とうとしている。 パニックが収まっていない中で次々と決定されたこれまでの政策措置は、当面5年程度を念頭に置いていたという。5年経てば、事故の収束や放射能汚染、避難状況等について、事態を冷静に分析できる状況になっているだろうから、その時点で再検討を加えると考えていたわけだ。 2016年は、17年3月の避難指示解除以降の政策のあり方について、抜的な検討を行う極めて重要なタイミングである。 事故直後の政治的判断がつくり出したタブーや囚われた固定観念を、意図的に表に晒して議論することが必要だ。 前篇「除染のやり過ぎを改める」についてはこちら 中篇「被ばくデマ・風評被害の根絶」についてはこちら 賠償問題の区切り 現行の原子力損害賠償制度の大きな欠陥は、事故を起こした会社とその被害を受けた個々人との間の損害賠償しかカバーしていないことにある。 そもそも大

    福島のタブーに挑む・その3 賠償の区切りと広域復興
    njamota
    njamota 2015/12/28
    「「責任追及と補償」というある意味で他者への依存構造を招きかねないネガティブな推進力から転換し、「日常に戻し、未来を築く」ために構築すべき政策体系を再検討しよう」
  • 「因果関係確認できず」名古屋市の子宮頸がんワクチン調査とメディアの曲解

    2013年4月に定期接種となり同年6月には事実上の定期接種停止状態となっていた子宮頸がんワクチンの副反応問題。名古屋市は、市内に住む若い女性約7万人を対象にワクチンの接種群と非接種群におけるワクチンの副反応が疑われる症状の発症状況についての調査を行い、12月14日に結果(速報)を発表した。回答率は43.4%、回答者のうち接種者の割合は69.47%。 年齢で補正した調査結果は、月経不順、関節や体の痛み、光過敏、簡単な計算ができない、簡単な漢字が書けない、身体が自分の意志に反して動くなど、メディアでも繰り返し報道されてきた子宮頸がんワクチンとの因果関係を疑うとされる24の症状について、「接種群に多く発生しているわけではなく、むしろ15症状で少ない」というものだった。 9月の朝日新聞の報道によると市内の接種者は約4万2000人。これを基に計算すると接種者のアンケート回答率は約5割で、非接種者の回

    「因果関係確認できず」名古屋市の子宮頸がんワクチン調査とメディアの曲解
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    njamota 2015/12/17
  • 惨憺たる日本の漁業 実は先進国では成長産業 分かりきった改革がなぜ進まない?

    先進国で漁業は成長産業 日の漁業は衰退の一途を辿っている。日の漁業従事者は、ピーク時の100万人が、現在は20万人を割りこみ、さらに減少を続けている。平均年齢は60歳を超えた。漁村の限界集落化が進んでいる。日の漁業は、縮小再生産どころか、消滅しかねない状況である。 漁業従事者の高齢化は、ここ数年間に始まったことではない。何十年も新規加入が途絶えた状況を放置してきた結果である。日の漁業はすでに産業として成り立っておらず、一般の企業だったら、とっくに倒産している状態を補助金で維持している。漁業者の平均所得は、200万円程度。年金の足しにはなるが、これから家庭を持つ若者が、夢を持って参入できる環境ではない。「仕事がきつい。収入は悪い。そんな漁業には、いくら息子といえども、入ってこないのは当然です」と、年配漁業者は肩を落とす。 漁業の存続には、漁業収入の改善が急務である。中長期的に安定した

    惨憺たる日本の漁業 実は先進国では成長産業 分かりきった改革がなぜ進まない?
    njamota
    njamota 2013/08/19
    勝川先生の例の話。で、なぜこの解決案が実現しないのかについては、あまり書かれていない。そここそが問題なのでは。なぜ日本だけできないのか。何か見落としが有る?
  • 言葉は動物の“歌”から生まれた(前篇)

    ジュウシマツのラブソングにハダカデバネズミの挨拶、 人間の赤ちゃんの鳴き声、大人たちが話す言葉。 コミュニケーションの手立てである言葉の起源を探ることで、 小さな頃から追いかけてきた、こころの謎に迫る。 高井ジロル(以下、●印) 先生は、小鳥の鳴き声に文法を見出したんですよね。 岡ノ谷一夫(以下、「——」) 僕が研究対象にしているジュウシマツの鳴き声は、短く鳴く「地鳴き」と、2~数十秒続く「さえずり」(歌)に分けられるのですが、求愛のときにだけ歌うこの歌が複雑なオスほど、メスをひきつけることがわかっています。 ジュウシマツの歌う歌自体には意味はないけれど、ある音のかたまりを一定の順序で組み合わせるという構造は持っている。この構造を「歌文法」と呼んでいるんです。 ●鳥に文法があるなんて面白いですね。ところで、ジュウシマツのラブソングは、求愛行動のためだけなんですよね。僕は人間みたいに「いっし

    言葉は動物の“歌”から生まれた(前篇)
  • アイスランドの漁業 儲かりすぎて税金4倍に

    漁獲枠を設ける意味がない日 (図1)では2隻の探索船の情報が出ていますが、このような情報が24時間更新されていきます。必要に応じて、漁船の協力を得てより広範囲を短期間で調査することも可能です。資源管理がしっかりしている国では、調査に協力することで漁獲枠をもらえれば、漁業者側としては、漁獲量が厳格に決まっているため、それはお金と同じで価値になるのです。 日のように、もともとどれだけ獲れるのか分からないのに、漁獲枠を調査費としてもらっても、枠自体に価値があるのかないのかは、よく分かりません。マイワシとスケトウダラのTAC(漁獲可能量)が11月上旬に行われる水産政策審議会で、資源の再評価の結果を受けて、期中改定が行われ、各28%と33%増枠する見通しです。これでは、入札する人も、漁業者も、途中で水揚げされる数量の前提が変わってしまうことになりますので、真剣にTAC(漁獲可能量)の価値を考えて

    アイスランドの漁業 儲かりすぎて税金4倍に
    njamota
    njamota 2013/02/18
    「科学的根拠をベースにした個別割当ての漁獲枠」をオープン・厳格に運用すると、漁獲可能量と価格が連動する(資源が減ると価格が上がる)ので、持続的漁業が経済的インセンティブを持つようになる、ということ?
  • フクシマを「支配するまなざし」 ローカルな「正義のあり方」

    東日大震災による福島原発の事故をキッカケに、それまで以上にエネルギー問題は脚光を浴びることになった。事故以前より、原発立地地域をフィールドワークしながら、歴史を掘り返し、戦後社会論を書き続けてきた社会学者がいる。開沼博氏だ。 震災前に書き上げた『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)が昨年反響を呼び、その後さまざまな媒体や議論の場に参加した。その激動の1年のなかで書き綴った評論やエッセー、対談をまとめたのが『フクシマの正義 日の「変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)だ。今回、開沼氏には「原発調査のキッカケ」「ローカルな正義」を中心に話を聞いた。 ―――躍脚光を浴びた『「フクシマ」論』のもとになった原発の調査をはじめたのは2006年ということですが、それはどんな意識からだったのでしょうか? 開沼博氏(以下開沼氏):新聞やテレビで「こんなに悪いことがある。変わらなければいけな

    フクシマを「支配するまなざし」 ローカルな「正義のあり方」
    njamota
    njamota 2012/10/22
    「今求められるのは、「多局的な正義」があるという認識を持ち、社会に正義が一枚岩に存在しているというようなある種の純潔思想を捨てること…ローカルに存在する他者の正義に敬意を払わなければなりません」
  • なぜ人は20ミリシーベルトを許容できないのか 『安全』でも『安心』できない心の問題を探る

    なぜ人は20ミリシーベルトを 許容できないのか 『安全』でも『安心』できない心の問題を探る 同志社大学・中谷内一也教授インタビュー 「安全」さえ確保できれば、人々の「安心」が得られるわけではない。 福島第一原発の事故後、国は1年間の放射線量が20ミリシーベルトを超えるかどうかを目安に避難等を促してきた。日は平常時の一般公衆の線量限度を年間1ミリシーベルトに定めていたため、事故により20ミリシーベルトまで基準を「緩和」したという報道がなされ、一般の人たちは不安に陥った。 4月19日には、文部科学省が福島県の校舎・校庭の利用判断について、暫定的な考え方として年間20ミリシーベルト、校庭・園庭では毎時3.8マイクロシーベルトという基準を示した。これに対して、29日には内閣官房参与を務めていた小佐古敏荘・東大教授が「年間1ミリシーベルトで管理すべきだ」と涙ながらに抗議し、辞任。その後文科省は年間

    なぜ人は20ミリシーベルトを許容できないのか 『安全』でも『安心』できない心の問題を探る
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    njamota 2012/06/12
    「二重過程理論(群)(Dual process theories)」
  • 除染 「年間1mSv」の呪縛 ゼロリスクの罠

    この記事は、WEDGE6月号第2特集 『除染・津波 ゼロリスクの罠』 第1章を無料で公開したものです。 東京電力福島第一原子力発電所から南へ20~30キロの位置に広がる福島県広野町。事故直後、町長の判断で全町避難を実施し、役場を含む多くの住民がいわき市内の仮設住宅などで生活を送ってきた。役場は3月から機能を回復したが、町民5300人のうち完全に戻ったのは300人ほど。町は全町民の帰還を目標に掲げるが、その前提となるのが除染。まず8月までに住居など生活圏の除染を進め、2学期に学校を再開。その後農地なども含めた全町規模の除染を年内に終わらせる計画だ。目標としては、今回はまず空間線量率半減、最終的には追加被ばく線量年間1mSv(ミリシーベルト)以下を目指す、としている。 “徹底除染”を求める住民 町は3月から毎週土曜日に地区ごとに除染作業の住民説明会を実施してきた。4月28日、最後の回となる説明

    除染 「年間1mSv」の呪縛 ゼロリスクの罠
  • 京都送り火に見る日本人の「放射線ゼロリスク志向」

    「福島県内で製造された生理用品から高放射能」という情報が17日から18日にかけてtwitterで拡散しました。「サーベイメータで測定したら高かった」と情報を出した人がおり、「私も測定してみた」「そういえば、かぶれた」などと大騒ぎ。しかし、発信源らしき人が公開していたサーベイメータによる測定写真を見た専門家が「使い方間違っているよ」と指摘し、騒ぎは一気に収束しました。もともと、高いとされた数値もごく低く、誤差の範囲のものでした。 どうも、放射線パニックとも言える状況です。京都の「五山送り火」での岩手県陸前高田市の薪を燃やすかどうかをめぐる騒ぎも、実態は小さなリスクなのに非科学的な京都市の判断によって、逆に市民の不安が煽られてしまいました。 やっぱり、放射線のリスクが理解されていません。そして、「危ない」と声高に叫ぶ人たちの声ばかりが目立って、科学的に妥当な情報が市民に届いていません。改めて説

    京都送り火に見る日本人の「放射線ゼロリスク志向」
  • セシウム牛 農家の責任と全頭検査の弊害

    牛肉の放射性セシウム汚染が次々に明らかとなっています。「牛肉が汚染されているならば、ほかの肉も」と市民の不安は拡大し、「検査で品の安全を確認して」という声が高まっています。しかし、家畜によって飼料や飼育方法はまったく異なり、ほかの品も生産工程はさまざまで、牛肉汚染を理由にすべての品を疑えるものではありません。そして、検査には限界があり、全頭検査には弊害もあります。また、ガイガーカウンターで品を調べるような消費者の動きは科学的には意味がありません。 今回の問題は、「国はけしからん」「全頭検査で安全を」で済ませられるほど単純な話ではありません。詳しく説明しましょう。 セシウムに汚染された稲わらが牛に 牛肉の放射性セシウム汚染は、東京都の7月11日の発表でまず、明らかとなりました。福島県南相馬市の牛の肉で、放射性セシウムが2300Bq/kg検出されたのです(暫定規制値は500Bq/kg)

    セシウム牛 農家の責任と全頭検査の弊害
    njamota
    njamota 2011/08/01
    牛肉のCs汚染の原因と、現実に可能で有効な対策について。「重要なのは、農家の理解としっかりとした生産工程管理です。検査は、そのことを確認する手段」「政治家は、大衆受けを狙ってそうした対策を講じがち」
  • 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない

    岩手県釜石市では、市内の小中学生、ほぼ全員が津波の難を逃れた。多くの人たちは、これを「奇跡」と呼ぶ。しかし、そうではない。教育で子どもたちが身につけた対応力が「想定外」を乗り越えさせた。★英訳版はこちら ⇒ http://p.tl/UDIF 死者の声に耳を傾ける 最初にある少女のことを書かせていただきたい。私は、岩手県釜石市の小中学校で先生方とともに防災教育に携わって8年になる。「どんな津波が襲ってきてもできることがある。それは逃げることだ」と教えてきた。特に中学生には「君たちは守られる側ではなく、守る側だ。自分より弱い立場にある小学生や高齢者を連れて逃げるんだ」と話していた。今回の震災では、多くの中学生が教えを実践してくれた。 ある少女とは、私が教えた中学生の一人だ。彼女は、自宅で地震に遭遇した。地震の第一波をやり過ごした後、急いで自宅の裏に住む高齢者の家に向かった。そのおばあさんを連れ

    小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない
    njamota
    njamota 2011/04/23
    「どれだけハードを整備しても、その想定を超える災害は起きうる。最後に頼れるのは、一人ひとりが持つ社会対応力であり、それは教育によって高めることができる」その実践と成果。今後の防災対策のあり方のモデル。
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