【ソウル=加藤達也】韓国最大の財閥「サムスングループ」は、中核企業である「サムスン電子」の社長に李健煕(イ・ゴンヒ)グループ会長(68)の長男、李在鎔(イ・ジェヨン)副社長(42)を今月、昇格させた。同時に経営参謀組織としてグループ内に「未来戦略室」を開設、いずれは企業群を率いる若いオーナーを支える仕組みも整えた。グローバル企業としては異例の“3代世襲”体制を目指すサムスンの経営に注目が集まっている。 今回の人事は、迅速な意思決定と、参謀組織による大胆で緻密な投資戦略を同時に備え、新興国の追い上げなどで競争が激しいビジネス環境の中で生き残るための、サムスンの世界戦略とみることができる。 3代世襲の動きについては一時、韓国内で批判も出たが、サムスンが「韓国経済の象徴といえる存在」(外交通商省関係者)になったいま、注目点は、新体制で今後どのように事業展開していくかに移っている。 李在鎔氏はソウ