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第80期棋聖戦と囲碁将棋に関するokadaicのブックマーク (19)

  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (9) 終盤を読むコンピュータ

    午後4時過ぎから小一時間対局室にこもったが、羽生さんが40分以上の長考で△6五桂を指しただけだった。ときおり「うん、そうか」とひとりごち、正座とあぐらを繰り返しながら、羽生さんはこんこんと考え続けていた。 控室に戻ったら、金子さんからこんなメッセージが届いていた。 『悪い手を指すとすぐに負けてしまうゲームなので、たまに良い手を指せても全体としてはまだまだだと思います。とはいえ、偶然でも、たまにでも、良い手を指せると嬉しく思います。』 そして、木村さん渾身の受けの手▲4八金に対するGPS将棋の指し手も届いた。 『4八金の後の局面です。途中までは△8九飛その後65桂に変わりました。評価値が後手に傾いてきています。 -725 △6五桂▲5六歩△8九飛▲6一飛△7九飛成▲4一飛成△3一歩▲4六歩△5七銀▲4七玉△2九龍▲4五歩△4八銀成▲3六玉△2八龍▲2四桂』 いまは、△8九飛で木村さんが考えて

    【梅田望夫最終局観戦記】 (9) 終盤を読むコンピュータ
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (8) その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちる

    「これは検討通りに、一直線に行ってしまうかもしれないねえ」 という棋士たちの声を背に、午後3時に対局場に入った。木村さんが32分の長考の末、検討通りの▲7三歩成を指したところだった。消費時間は、両者ほぼ130分ずつと均衡している。まだまだ時間はたっぷり残っている。 木村さんは傍目にもちょっとつらそうに見える。やはり生身の人間だから、表情やしぐさやときおり発する声で、その感じが盤側にいてもわかる。対局者同士は、傍で想像する以上に、相手がどう考えているかを感じ合いながら、戦っているのだろう。 『羽生名人は1時間4分考えて▲2三歩と垂らしてきた。この長考中は当に苦しい時間だった。▲2三歩でも▲5二金でも私が悪そうで、光は全く見えない。こんな時は平静を装うだけでも疲れる。羽生名人が席を外す度に私は大きくため息をついたり、頭を抱えたりしていた。控室や大盤解説場のモニターには映っているが対戦相手にだ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (8) その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちる
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した!

    【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した! 「この手にどう指すんですかねえ」 屋敷さんが笑いながら、 「これ、しびれてますかねえ」と言う。 この手とは、GPS将棋がしきりに読み筋として指摘していた△4五桂を、ここで指してみたらどうかということである。いまは67手目▲9一桂成に羽生さんが長考しているさなか。 △4五桂について、控え室の棋士たちの直感は、3三の桂はそのままにして、後手は右辺の駒をさばいていくべき、という棋士の感覚に、コンピュータの感覚はちょっと違う、と言うのだ。 しかし、屋敷さんと勝又さんが68手目△4五桂を真剣に検討したところ、「いやあ△4五桂で、玉頭がめちゃめちゃ厳しいじゃないですか。コンピュータならではの先入観のない発想が良かったかもしれない」という話になった。 そこで羽生さんの手がモニター上にあらわれ、指した

    【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した!
  • 棋聖戦中継 plus: 【梅田望夫最終局観戦記】 (6) 昼食休憩時の形勢:微差で後手が指せるのではないか

    さて、コンピュータ対人間の話はさておき、羽生棋聖対木村挑戦者の形勢、という今日の質に話を戻そう。 昼休憩に入った局面で、三浦さんは「NHK杯戦のような短い時間の将棋なら、相当後手が勝ちやすいでしょう」と、形勢についての感想を述べた。先手の3八金と2八銀の形が悪いうえ、後手は玉が堅く、7筋から銀を繰り出しての攻めもあるので、先手が長い時間を持って細かく対応していけない場合(短い時間の将棋だと)、後手が勝ちやすいのではないか。でも今日の午後いっぱいかけての長い将棋なので、まだまだどうなるかわからないとのこと。 また立会人の屋敷さんも「微差で後手が指しやすいと思う」とのこと。勝又さんも同意見。後手がいまわずかながらも良さそうなのは、羽生さんの構想力による、先手の馬の働きがそれほどでもなく、8筋の守りに右側の金を使わずに玉側に寄せて囲いを堅くしていく羽生さんの構想力が、2八銀の代償に馬を作った

    棋聖戦中継 plus: 【梅田望夫最終局観戦記】 (6) 昼食休憩時の形勢:微差で後手が指せるのではないか
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (5) x-dayは果たしていつ?

    朝からの両者のあまりにも早い指し手に促されて、怒涛のように(2)から(4)までの更新をした。 そして午前11時、対局室の中に再び入った。そこでやっと落ち着いて(2)から(4)までで書いたことを振り返る余裕を持ちながら、未踏領域の将棋をこんこんと考えふける二人の姿を眺めていた。 「コンピュータに不向きな将棋」が人間対人間(羽生木村)の戦いで選択されたとはいえ、正直なところ、トッププロとコンピュータの差がここまではっきりした形であらわれるとは、私は思っていなかった。 木村さんの▲8四歩にノータイムで羽生さんが△8二歩と指し、木村さんが▲6六馬と指したところまで観て、控え室に戻った。そして、私がそんなコンピュータ将棋と人間の差についての感想を口にしたら、 「終盤は間違えませんよ。第四局の木村さんの終盤での大ポカみたいなことはコンピュータには絶対にありません。」と勝又さんは言う。 「でも、トッププ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (5) x-dayは果たしていつ?
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (4) △5二金なら負けちゃうね

    勝又さんの依頼を受けたGPSの金子さんから連絡が入った。 『45手目8五歩の局面です -87 △5二金▲6八銀△6四歩▲5五馬△6三金▲3四飛△5四歩▲同馬△6二銀▲6四馬△4五角▲2四飛△6四金▲同飛互角の評価値です。△5二金が何かの狙いを防いでいるのか単に囲いを崩しただけなのか分かりません。』 46手目のコンピュータ将棋の「次の一手」は、玉の囲いの価値を上げる△5二金だった。しかし、 「△5二金とは、羽生さんは絶対に指しませんね。一手パスですしね。△5二金なら、木村さんに絶対に負けちゃうね。」 とは勝又さんの評価だ。そして、金子さんが送ってくれた手順を見て、 「相当でたらめな手順だなあ。コンピュータはこの局面で何をすべきなのか、まったくわかっていないんです。」 こんなやり取りをしていたところで、羽生さんは△5二金ではなく、△3一玉と指した。

    【梅田望夫最終局観戦記】 (4) △5二金なら負けちゃうね
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (3) 時速40手の研究のぶつかりあい

    両者、ものすごいスピードで手を進めている。 勝又さんによれば、この将棋は、去年8月の渡辺高橋戦を踏まえ、元祖8五飛戦法の中座七段が改良を加えて指した、今年2月20日の飯島中座戦(竜王戦)とまったく同じ展開で43手目(▲6五角成)まで進んでいる。 「両者、この将棋の先の先まで研究していますよ。木村さんは馬を作って指せると見ている。羽生さんは先手の▲2八銀が悪い形だから指せると考えている。研究のぶつかりあいになりましたね。」 と勝又さんは言うが、まさに(2)コンピュータに不向きな将棋」で紹介した渡辺さんの述懐通りの展開になっている。 コンピュータの課題は、この43手目まで来られるかどうかなのだと、勝又さんは言う。この「時速40手で進む展開」の裏には百科事典並みの変化があり、それを全部コンピュータに正しく入れるのは無理だから(結論が日々変わるから。最近は定跡に依存しようとするソフトが負けやすい状

    【梅田望夫最終局観戦記】 (3) 時速40手の研究のぶつかりあい
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (2) コンピュータに不向きな将棋

    振り駒の結果、最終局は先手木村挑戦者、後手羽生棋聖に決まった。 午前9時の対局開始から、二人はほぼノータイムで、横歩取りの将棋へと進んでいった。 「コンピュータに不向きな将棋になりましたね。」 と勝又さんが言う。 「手の狙いがちょっと目にわかりにくい将棋は、コンピュータには難しいんです。先手・木村さんは5八玉と3八金の形で、8七歩を打たずに頑張るぞという意志を示して、後手の8五飛を拒否したんですが、それで羽生さんは8四飛から2四飛とした。羽生さんのほうは、先手に2八銀という悪い形を強要するために、2四飛から8四飛に戻して二手損をしているわけです。たとえば「5八玉と3八金」の狙いの意味がわかるのは相当先ですね。「8四飛から2四飛」の効果、つまり先手の壁銀が先手にとってマイナスになるかどうかは、コンピュータ的には相当先にならないとわからない。つまり、相手の手を拒否する狙いの効果がずっと先に出る

    【梅田望夫最終局観戦記】 (2) コンピュータに不向きな将棋
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (1) コンピュータ将棋には指せない手を指して勝つのがトッププロ

    私は、ある対象に惹かれ、でもその素晴らしさが広く知られていなかったり、構造の複雑さゆえに一般にあまりその魅力が認識されていないとき、この手で何とかしてみたいと、いつも心がうずく。自分が面白い、楽しいと感ずる気持ちを、一人でも多くの人に伝えたいと思って、居てもたってもいられなくなる。そして文章を書く。シリコンバレー、無から有のベンチャー創造、アントレプレナーシップ(起業家精神)、グーグル、ウェブ進化が社会を変える可能性。専門の世界で私は、出合って惹かれた魅力的な対象に対し、二十年にわたってそんなことをやり続けてきた。 昨年の夏頃から、さまざまな有難い出会いや勝負の帰趨に誘われて、私は将棋と棋士の世界にどっぷりと浸かることになった (拙著「シリコンバレーから将棋を観る」)。ここ数年働き過ぎた反省から、昨年春、モノを書くことについてのサバティカル(長期休暇)に入ったはずなのに、私は、対象となるテ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (1) コンピュータ将棋には指せない手を指して勝つのがトッププロ
  • 棋聖戦第1局 - お仕事ブログ

    棋聖戦の中継は初めてだったのですが、皆さんによくしていただきました。当に楽しくお仕事できました。 ここで書きたいことや伝えたいことはたくさんあるのですが、まだシリーズの途中なので、印象に残った言葉だけいくつか紹介します。 【羽生棋聖】「ありがとうございました。お世話になりました。ありがとうございました」(宿を出るとき、マイクロバスの車内から何度も宿の方々に、お辞儀をしながら) 【木村八段】「うん、うん。どうもありがとう。お疲れ様。当にありがとう」(打ち上げ終了後の控え室で、ネット中継のブログと棋譜コメントを丹念にチェックしたあとに) 【梅田望夫さん】「僕ら、とてもいい仕事が出来たんじゃないかな?」(帰りの燕三条駅にて) 【小暮克洋さん】「君はもっともっと、色々な意味で力を付けてくれ。出来れば俺が生きているうちに」(対局翌日の大浴場にて) 【深浦王位】「はじめてネット中継の解説をやらせて

    棋聖戦第1局 - お仕事ブログ
    okadaic
    okadaic 2009/06/11
    ごとげんさん。中継すごくよかったです。おつかれさまでした!
  • 【梅田望夫観戦記】 (9) 一致していた両対局者の大局観

    午後5時半に対局室に入ったときは、木村さんが97手目▲9四歩を指したところだった。 そこから約2時間後の午後7時29分、木村さんは一分将棋まで頑張り続け、最後に50秒、1-2-3まで読まれたところで、駒台に手を置いた。 終局後、いちばん興味があったのは、控え室で大きく割れた大局観について、対局者二人がどう考えていたかであった。 羽生、木村、二人の大局観は、先手有利でぴったりと一致していた。 勝者・羽生棋聖の感想第一声は、 「駒が偏り過ぎて、攻め味がなくなって、作戦負けだった。仕掛けられてダメでしょう。先手の銀二枚のおかげで動けなくなってしまった。」 だった。 敗者・木村挑戦者のほうは、 「▲6八角で十分やれそうだと思ったし、序盤もまずまずだったのに、そのあと乱れてしまった。相手の端攻めはそこしかないと思ったけれど、意外にうるさ かった。王さまがのこのこ出て行って、結局はダメだったけれど、そ

    【梅田望夫観戦記】 (9) 一致していた両対局者の大局観
  • 【梅田望夫観戦記】 (8) 「ねじり合い」の入り口

    午後4時、控え室での30分の真摯な検討内容をだいたい頭に入れて対局室に入った。71手目▲3五歩に対して、羽生棋聖が長考に入っているところだった。 そこから77手目▲6八角が指された(激しい▲3五角ではなく)ところで、控え室に戻った。「攻める木村の誕生だ」と盛り上がっていた検討陣は、▲6八角を見て、「やはり木村さんは木村さんだった」と総括していた。 「▲3五歩から▲6八角までの指し手は木村さんにしか指せない手でしょう。これで「ねじり合い」の入り口に入ったと言えるでしょうね」とは深浦王位。 「とにかく『▲3五歩から▲6八角』という一連の手順は、控え室では少なくとも候補に挙がらない手でした。僕のイメージしている『ねじり合い』というのは、一つのイメージですけど、お互いせめぎあってる感じ、どろどろした感じ。力と力の比べ合いというか。木村さんがどこまで意図的かわかりませんけど、簡単には攻めつぶせない羽

    【梅田望夫観戦記】 (8) 「ねじり合い」の入り口
  • 【梅田望夫観戦記】 (7) 揺れ動く局面、割れる大局観、そして膠着状態か

    藤井九段と飯塚六段は大盤解説で「先手の模様がいい」と断言して控え室に戻ってきた。 ここまでここで報告してきた、深浦王位と、自宅からメール参加の渡辺竜王の後手良しという大局観と真っ向からぶつかっている。「勝敗は置いておくとして、模様だけなら先手がいいですね。でも、穴熊は勝敗にこだわる戦型だからね」「渡辺君は穴熊が当に好きなんだねえ」「羽生さんはここは難しいと思ってました、ってあとで絶対に言うよ」とは、藤井九段。 そして、「後手がいいって、具体的に何がいいのか言ってくださいよ」と藤井九段が言い、深浦王位、青野九段を交えて、羽生棋聖が穴熊を完成させた64手目の局面から、検討に熱が入ってきた。 羽生さんの言葉 『でも、将棋の局面というのは、つねに揺れ動き続けているようなものなんですよ。或るプロ棋士に訊いてこっちが良いと言っても、違うプロ棋士は自信がない、と言う。タイトル戦に限らず、大部分の対局は

    【梅田望夫観戦記】 (7) 揺れ動く局面、割れる大局観、そして膠着状態か
  • 棋聖戦始まる

    ブログは下記URLに引っ越しました。 https://www.toyama-shogi.com/ 日将棋連盟棋士。 今日は昨日も書いたように棋聖戦の開幕局。 羽生棋聖ー木村八段戦。 振り駒で木村八段が先手となり、後手の羽生棋聖が急戦矢倉を採用しました。 この急戦矢倉はまさにあの竜王戦と全く同じ。逆を持って採用しているわけですから羽生棋聖も有力と見ているわけです。 その辺りの話は当時対局者だった渡辺竜王のブログを参照。 中継は棋聖戦中継サイトで そして梅田望夫さんによるウェブ観戦記も。 朝PCを開けたらば早くも第2回まで更新されていて驚きました。 そして現在14時で早5回目まで更新されています。 MSN産経ニュース 棋聖戦中継 plus のどちらでも読む事が出来ます。 今回は前2回と比べて随分と文章の感じが変わった気がします。 あまり他の世界の話や比較が無く、将棋の話に基づいてストーリーが

    棋聖戦始まる
  • 【梅田望夫観戦記】 (6) 急戦矢倉の新しい地平について深浦王位に聞く

    -------------------------------------------- 梅田 お伺いしたいのは、急戦矢倉の歴史観です。深浦さんの「最前線物語」シリーズの最新補足版のようなお話を伺いたいのです。羽生さんの「変わりゆく現代将棋」連載が終わったあとしばらくして、急戦矢倉はあまり指されませんでした。しかし、先日の竜王戦の第6局、第7局、久しぶりに渡辺さんの新手が出ましたね。△3一玉と、△3三銀。この二つの新手は、後手から急戦矢倉にしたけれど、ふっと玉を囲う、あるいは守るという手だったように見えました。そこから急戦矢倉の新しい流れが出たというふうに考えていいのでしょうか。今日も、後手番の羽生さんは、△2二玉、△4二金右と、急戦矢倉に誘導しながら、なおかつ玉を堅くしていますね。これは過去からの歴史で観たときに、ものすごく新しい進化の流れなのでしょうか? 深浦 そうですね、局の現局面

    【梅田望夫観戦記】 (6) 急戦矢倉の新しい地平について深浦王位に聞く
  • 【梅田望夫観戦記】 (4) 必見、新たなる急戦矢倉の展開

    対局室から戻ってきたら、渡辺竜王のブログが珍しく午前中に更新されているではないか。 『……将棋のほうは9時32分現在18手目△5三銀右まで。例の急戦矢倉スタートの局面です。 以下は補足情報。5月29日の王位リーグ▲渡辺-△羽生名人では△5三銀右に▲5七銀右と指しました。この手は前例が10ほどあって新手ではないのですが、僕が竜王戦で新手を指してからの、新たな急戦矢倉の歴史としては新研究のつもりでした。……』 (渡辺明ブログ「日棋聖戦第1局、明日対局。」) ちょっと控え室で休もうと思っていたところなのであるが、これを紹介しないわけにはいかない。 今日の羽生さんは、竜王戦第七局の渡辺側を持って30手まで指していたが、木村さんが31手目で、竜王戦で先手を持っていた羽生さんが指した▲7九角ではなく▲5七銀上と指して、竜王戦第七局から別れを告げた。さっきは羽生さんが何だか嬉しそうにしていたが、ブログ

    【梅田望夫観戦記】 (4) 必見、新たなる急戦矢倉の展開
  • 【梅田望夫観戦記】 (3) 木村八段はなぜ着物で勝てないのか?

    午前9時40分、急戦矢倉と決まって、私は再び対局室に入った。 羽生棋聖の手は早く、木村挑戦者は小刻みに時間を使っている。羽生さんは何だか嬉しそうににこにこしている。何かを思い出して楽しんでいるようにも見える。今の段階でこの将棋は、昨年12月の永世竜王を賭けた竜王戦第七局の激闘の、渡辺竜王の側を羽生さんが持っているのだ。ひょっとすると羽生さんは、竜王戦第七局での渡辺竜王との激闘を思い出して、嬉しそうにいるのかもしれない。 午前10時、おやつ(フルーツ盛り合わせとコーヒー)の時間が来た。木村さんは丁寧に、仲居さんに「ありがとうございます」と御礼を言った。盤面に没頭している対局者は、おやつが届いたって、別に見向きなんてしなくたっていい。木村さんは気配りのいい人だなあと思うと同時に、親友・野月七段の一昨日の言葉を思い出した。私は、日に着いた翌日(一昨日)、木村さんについての話を聞くために、野月さ

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  • 【梅田望夫観戦記】 (2) 羽生棋聖の急戦矢倉か?

    午前8時47分、着物姿の木村挑戦者が先に入室。明るく大きな声で「おはようございます」。そしてすぐに瞑想に入った。2分後に羽生棋聖が入室して、3分ほどかけて駒を並べ終わった。記録係・天野貴元三段の振り駒でと金が三枚出て、木村挑戦者の先手が決まった。立会人・藤井猛九段の発声で、対局開始。木村挑戦者の▲7六歩に対して、羽生棋聖少考で△8四歩、そして木村挑戦者の▲6八銀で、すらすらと矢倉戦に向けての駒組みが進んでいる。 深浦王位は言う。 「羽生さんは先週の名人戦第五局のストレスを抱えていると思うんです。あんな将棋を二局続けてはやりたくない、という気持ちが強いと思います。昨日の羽生さんの「面白い迫力のある将棋を指したい」という言葉は、ああいう将棋にはしたくない、という意味だと思いますよ。だから羽生さんは、今日は主導権を握るべく積極的にいく決意でいると思います。羽生後手で矢倉戦ですから、昨年の竜王戦第

    【梅田望夫観戦記】 (2) 羽生棋聖の急戦矢倉か?
  • 【梅田望夫観戦記】 (1) 将棋界は「これからの10年」抜群に面白くなる

    ただいま午前3時45分。寝静まった新潟岩室温泉高島屋の控え室である。 昨日午後1時、上越新幹線ホーム集合で、対局者、観戦者とともに、棋聖戦第一局の開催地・新潟にやってきた。羽生善治棋聖対木村一基挑戦者という現代将棋最高カードの五番勝負が、まもなく幕をあける。 羽生さんはいま四冠(棋聖、名人、王座、王将)を保持している。2008年度はすべてのタイトル戦に出場したうえ、名人戦の激闘と並行しての棋聖戦開幕である。 羽生さんは今年度に入ってから、11戦4勝7敗(0.364)、名人戦も郷田挑戦者に2勝3敗とカド番に追い込まれ、珍しく羽生不調説がささやかれている。 私は、この観戦記を書くために、先週土曜日にシリコンバレーから日にやってきた。「羽生さんは元気なんだろうか」、どんなに凄い人だって、ときには疲れだって出るわけだしと、じつはずっと心配していたのだ。 しかし昨日新幹線ホームに現れた羽生さんは、

    【梅田望夫観戦記】 (1) 将棋界は「これからの10年」抜群に面白くなる
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