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第80期棋聖戦に関するokadaicのブックマーク (25)

  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (9) 終盤を読むコンピュータ

    午後4時過ぎから小一時間対局室にこもったが、羽生さんが40分以上の長考で△6五桂を指しただけだった。ときおり「うん、そうか」とひとりごち、正座とあぐらを繰り返しながら、羽生さんはこんこんと考え続けていた。 控室に戻ったら、金子さんからこんなメッセージが届いていた。 『悪い手を指すとすぐに負けてしまうゲームなので、たまに良い手を指せても全体としてはまだまだだと思います。とはいえ、偶然でも、たまにでも、良い手を指せると嬉しく思います。』 そして、木村さん渾身の受けの手▲4八金に対するGPS将棋の指し手も届いた。 『4八金の後の局面です。途中までは△8九飛その後65桂に変わりました。評価値が後手に傾いてきています。 -725 △6五桂▲5六歩△8九飛▲6一飛△7九飛成▲4一飛成△3一歩▲4六歩△5七銀▲4七玉△2九龍▲4五歩△4八銀成▲3六玉△2八龍▲2四桂』 いまは、△8九飛で木村さんが考えて

    【梅田望夫最終局観戦記】 (9) 終盤を読むコンピュータ
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (8) その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちる

    「これは検討通りに、一直線に行ってしまうかもしれないねえ」 という棋士たちの声を背に、午後3時に対局場に入った。木村さんが32分の長考の末、検討通りの▲7三歩成を指したところだった。消費時間は、両者ほぼ130分ずつと均衡している。まだまだ時間はたっぷり残っている。 木村さんは傍目にもちょっとつらそうに見える。やはり生身の人間だから、表情やしぐさやときおり発する声で、その感じが盤側にいてもわかる。対局者同士は、傍で想像する以上に、相手がどう考えているかを感じ合いながら、戦っているのだろう。 『羽生名人は1時間4分考えて▲2三歩と垂らしてきた。この長考中は当に苦しい時間だった。▲2三歩でも▲5二金でも私が悪そうで、光は全く見えない。こんな時は平静を装うだけでも疲れる。羽生名人が席を外す度に私は大きくため息をついたり、頭を抱えたりしていた。控室や大盤解説場のモニターには映っているが対戦相手にだ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (8) その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちる
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した!

    【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した! 「この手にどう指すんですかねえ」 屋敷さんが笑いながら、 「これ、しびれてますかねえ」と言う。 この手とは、GPS将棋がしきりに読み筋として指摘していた△4五桂を、ここで指してみたらどうかということである。いまは67手目▲9一桂成に羽生さんが長考しているさなか。 △4五桂について、控え室の棋士たちの直感は、3三の桂はそのままにして、後手は右辺の駒をさばいていくべき、という棋士の感覚に、コンピュータの感覚はちょっと違う、と言うのだ。 しかし、屋敷さんと勝又さんが68手目△4五桂を真剣に検討したところ、「いやあ△4五桂で、玉頭がめちゃめちゃ厳しいじゃないですか。コンピュータならではの先入観のない発想が良かったかもしれない」という話になった。 そこで羽生さんの手がモニター上にあらわれ、指した

    【梅田望夫最終局観戦記】 (7) 意表のコンピュータの指し手を控え室で検討。おっ、その手を羽生が指した!
  • 棋聖戦中継 plus: 【梅田望夫最終局観戦記】 (6) 昼食休憩時の形勢:微差で後手が指せるのではないか

    さて、コンピュータ対人間の話はさておき、羽生棋聖対木村挑戦者の形勢、という今日の質に話を戻そう。 昼休憩に入った局面で、三浦さんは「NHK杯戦のような短い時間の将棋なら、相当後手が勝ちやすいでしょう」と、形勢についての感想を述べた。先手の3八金と2八銀の形が悪いうえ、後手は玉が堅く、7筋から銀を繰り出しての攻めもあるので、先手が長い時間を持って細かく対応していけない場合(短い時間の将棋だと)、後手が勝ちやすいのではないか。でも今日の午後いっぱいかけての長い将棋なので、まだまだどうなるかわからないとのこと。 また立会人の屋敷さんも「微差で後手が指しやすいと思う」とのこと。勝又さんも同意見。後手がいまわずかながらも良さそうなのは、羽生さんの構想力による、先手の馬の働きがそれほどでもなく、8筋の守りに右側の金を使わずに玉側に寄せて囲いを堅くしていく羽生さんの構想力が、2八銀の代償に馬を作った

    棋聖戦中継 plus: 【梅田望夫最終局観戦記】 (6) 昼食休憩時の形勢:微差で後手が指せるのではないか
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (5) x-dayは果たしていつ?

    朝からの両者のあまりにも早い指し手に促されて、怒涛のように(2)から(4)までの更新をした。 そして午前11時、対局室の中に再び入った。そこでやっと落ち着いて(2)から(4)までで書いたことを振り返る余裕を持ちながら、未踏領域の将棋をこんこんと考えふける二人の姿を眺めていた。 「コンピュータに不向きな将棋」が人間対人間(羽生木村)の戦いで選択されたとはいえ、正直なところ、トッププロとコンピュータの差がここまではっきりした形であらわれるとは、私は思っていなかった。 木村さんの▲8四歩にノータイムで羽生さんが△8二歩と指し、木村さんが▲6六馬と指したところまで観て、控え室に戻った。そして、私がそんなコンピュータ将棋と人間の差についての感想を口にしたら、 「終盤は間違えませんよ。第四局の木村さんの終盤での大ポカみたいなことはコンピュータには絶対にありません。」と勝又さんは言う。 「でも、トッププ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (5) x-dayは果たしていつ?
  • daichanの小部屋

    無事、準備できたので、日からブログ再開します。 新館はこちら 文にも書きましたが、これからはより将棋を中心にして、続けていきたいと思っています。 将棋に関しても、ウェブのことに関しても、自分自身にとっての勉強という気持ちもあります。 エイプリルフールにならないように、頑張ります。 リニューアル直後で、まだ慣れないこともいろいろあるかと思いますので、その際は教えていただければ幸いです。 順位戦最終局は、相手の急戦矢倉を受ける展開。 珍しい形と思いましたが、あるいはこれから増えてくる指し方かもしれません。 ずっと攻められっぱなしで自信はなかったですが、まあまあの内容で勝つことができました。 なんとか勝ち越しで終えることができて良かったです。 これで今年度の対局は終了。 ここ数年では、一番マシな成績だったので、来年度はもっと巻き返せるように、頑張っていきたいです。 特に竜王戦のクラスがずいぶ

    daichanの小部屋
    okadaic
    okadaic 2009/07/17
    中島さん経由
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (4) △5二金なら負けちゃうね

    勝又さんの依頼を受けたGPSの金子さんから連絡が入った。 『45手目8五歩の局面です -87 △5二金▲6八銀△6四歩▲5五馬△6三金▲3四飛△5四歩▲同馬△6二銀▲6四馬△4五角▲2四飛△6四金▲同飛互角の評価値です。△5二金が何かの狙いを防いでいるのか単に囲いを崩しただけなのか分かりません。』 46手目のコンピュータ将棋の「次の一手」は、玉の囲いの価値を上げる△5二金だった。しかし、 「△5二金とは、羽生さんは絶対に指しませんね。一手パスですしね。△5二金なら、木村さんに絶対に負けちゃうね。」 とは勝又さんの評価だ。そして、金子さんが送ってくれた手順を見て、 「相当でたらめな手順だなあ。コンピュータはこの局面で何をすべきなのか、まったくわかっていないんです。」 こんなやり取りをしていたところで、羽生さんは△5二金ではなく、△3一玉と指した。

    【梅田望夫最終局観戦記】 (4) △5二金なら負けちゃうね
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (3) 時速40手の研究のぶつかりあい

    両者、ものすごいスピードで手を進めている。 勝又さんによれば、この将棋は、去年8月の渡辺高橋戦を踏まえ、元祖8五飛戦法の中座七段が改良を加えて指した、今年2月20日の飯島中座戦(竜王戦)とまったく同じ展開で43手目(▲6五角成)まで進んでいる。 「両者、この将棋の先の先まで研究していますよ。木村さんは馬を作って指せると見ている。羽生さんは先手の▲2八銀が悪い形だから指せると考えている。研究のぶつかりあいになりましたね。」 と勝又さんは言うが、まさに(2)コンピュータに不向きな将棋」で紹介した渡辺さんの述懐通りの展開になっている。 コンピュータの課題は、この43手目まで来られるかどうかなのだと、勝又さんは言う。この「時速40手で進む展開」の裏には百科事典並みの変化があり、それを全部コンピュータに正しく入れるのは無理だから(結論が日々変わるから。最近は定跡に依存しようとするソフトが負けやすい状

    【梅田望夫最終局観戦記】 (3) 時速40手の研究のぶつかりあい
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (2) コンピュータに不向きな将棋

    振り駒の結果、最終局は先手木村挑戦者、後手羽生棋聖に決まった。 午前9時の対局開始から、二人はほぼノータイムで、横歩取りの将棋へと進んでいった。 「コンピュータに不向きな将棋になりましたね。」 と勝又さんが言う。 「手の狙いがちょっと目にわかりにくい将棋は、コンピュータには難しいんです。先手・木村さんは5八玉と3八金の形で、8七歩を打たずに頑張るぞという意志を示して、後手の8五飛を拒否したんですが、それで羽生さんは8四飛から2四飛とした。羽生さんのほうは、先手に2八銀という悪い形を強要するために、2四飛から8四飛に戻して二手損をしているわけです。たとえば「5八玉と3八金」の狙いの意味がわかるのは相当先ですね。「8四飛から2四飛」の効果、つまり先手の壁銀が先手にとってマイナスになるかどうかは、コンピュータ的には相当先にならないとわからない。つまり、相手の手を拒否する狙いの効果がずっと先に出る

    【梅田望夫最終局観戦記】 (2) コンピュータに不向きな将棋
  • 【梅田望夫最終局観戦記】 (1) コンピュータ将棋には指せない手を指して勝つのがトッププロ

    私は、ある対象に惹かれ、でもその素晴らしさが広く知られていなかったり、構造の複雑さゆえに一般にあまりその魅力が認識されていないとき、この手で何とかしてみたいと、いつも心がうずく。自分が面白い、楽しいと感ずる気持ちを、一人でも多くの人に伝えたいと思って、居てもたってもいられなくなる。そして文章を書く。シリコンバレー、無から有のベンチャー創造、アントレプレナーシップ(起業家精神)、グーグル、ウェブ進化が社会を変える可能性。専門の世界で私は、出合って惹かれた魅力的な対象に対し、二十年にわたってそんなことをやり続けてきた。 昨年の夏頃から、さまざまな有難い出会いや勝負の帰趨に誘われて、私は将棋と棋士の世界にどっぷりと浸かることになった (拙著「シリコンバレーから将棋を観る」)。ここ数年働き過ぎた反省から、昨年春、モノを書くことについてのサバティカル(長期休暇)に入ったはずなのに、私は、対象となるテ

    【梅田望夫最終局観戦記】 (1) コンピュータ将棋には指せない手を指して勝つのがトッププロ
  • B級2組開幕戦 ▲先崎学八段△飯塚祐紀六段 - 梅田望夫のModernShogiダイアリー

    棋士たちとの個人的な付き合いが始まるまで、中堅棋士の将棋を並べるということを、あまりきちんとしたことがなかった。最近でこそ中継が充実してきたからA級以外の将棋にも簡単な解説がつくようになったけれど、それ以前はなかなか解説付きの中堅棋士の棋譜と出合う機会がなかったからだ。 飯塚さんとは、去年の11月の羽生王座就位式のときが初対面で挨拶したが、会った瞬間に「この人は好きだ」と多くの人が感じるはずの、人柄のじつにいい人だった。棋聖戦第一局の副立会人が飯塚さんだと知って再会を楽しみにしていたが、二泊三日の旅であれこれと話をする機会があり、その人柄に改めて感じいった。 それで今、B級2組開幕戦の飯塚さんの将棋を、将棋盤に向かって並べてみた。 先崎八段先手での力戦型の将棋。「飯塚さん、ああ見えて(じつにいい人なのにの意)、将棋当にねちねちしていて嫌なんですよ・・・」と棋聖戦に同行した棋士の誰かが言

    B級2組開幕戦 ▲先崎学八段△飯塚祐紀六段 - 梅田望夫のModernShogiダイアリー
    okadaic
    okadaic 2009/06/14
     ちなみに私はもうすっかり飯塚先生ファンです!
  • 棋聖戦ウェブ観戦記を補足する(1) たまたま同じ局面 - 梅田望夫のModernShogiダイアリー

    (4) 必見、新たなる急戦矢倉の展開 http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2009/06/4-fd1e.html で紹介した渡辺明ブログ(http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/54c62462648a475502e3adc989034ff8)のこの言葉。 5月29日の王位リーグ▲渡辺−△羽生名人では△5三銀右に▲5七銀右と指しました。この手は前例が10ほどあって新手ではないのですが、僕が竜王戦で新手を指してからの、新たな急戦矢倉の歴史としては新研究のつもりでした。 という部分は、「シリコンバレーから将棋を観る」の羽生さんの次の言葉に呼応している。 梅田 将棋というものが進化していくプロセスというのが、すごく楽しみなんですね。先程から話題に上っている「物語」としての将棋の楽しみ方、それも一局一局の物語とはまた別にある、将棋の進化

    棋聖戦ウェブ観戦記を補足する(1) たまたま同じ局面 - 梅田望夫のModernShogiダイアリー
  • 第80期棋聖戦第1局大盤解説会in新潟県岩室温泉に行ってきました - 640PLUS跡地(記事保管庫)

    今回ばかりはネット中継で我慢しようと思っていましたが、「タイトル戦+羽生木村戦+立会解説藤井九段」という豪華な組み合わせにいろいろと我慢できず、結局行ってきました。 エントリはそのときの印象に残ったお話などを、(あまり読者のことを考えずに)つらつら書き起こしたものです。解説会は午後2時からはじまって終わりが午後8時過ぎでしたので、エントリも相応に長いです。 局の概要や棋譜などについてはこちらからどうぞ↓ ☆http://live.shogi.or.jp/kisei/(棋聖戦中継サイト) ☆http://sankei.jp.msn.com/culture/shogi/kifu/kisei/080/080yosen_5-1.htm(再現棋譜) ☆http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/(中継ブログ) なおエントリ中に登場する方の発言や行動の記述は主に俺のメモと記憶

    第80期棋聖戦第1局大盤解説会in新潟県岩室温泉に行ってきました - 640PLUS跡地(記事保管庫)
    okadaic
    okadaic 2009/06/12
    <キャーフジイサーン>腹筋いてえwww/そして↓梅田さんに呼ばれて私がブクマ二番手、というこの事実に自分で自分がキモイ。
  • ものぐさ将棋観戦ブログ : 「将棋マニアバージョン」梅田望夫さんの棋聖戦ウェブ観戦記感想 2

    2009年06月11日19:34 カテゴリ棋聖戦 「将棋マニアバージョン」梅田望夫さんの棋聖戦ウェブ観戦記感想 2 棋聖戦中継plus 梅田望夫氏、棋聖戦第1局リアルタイム観戦記 2 大局観 去年の竜王戦第一局でも、梅田は羽生と渡辺の大局観の違いについて、突っ込んだ取材と考察を行っていた。 【梅田望夫観戦記】 (12) 佐藤康光棋王、現代将棋を語る 【梅田望夫観戦記】 (13) 羽生名人、大局観の勝利 普通ならどう考えても渡辺良しと思う展開で、実は自分が戦えることを見切っていた羽生の不思議で秀逸な大局観が話題になった一局である。解説の佐藤康光が、世代による大局観、将棋観の違い、現代将棋の欠点と関連させて説明していた。 今回は、後手の羽生の急戦矢倉に対して、木村が中央に位をはり、それを銀二枚で支える伸び伸びとした陣形を敷き、一方後手の羽生はまるで渡辺のように穴熊に組み替えてひたすら玉を堅く囲

    ものぐさ将棋観戦ブログ : 「将棋マニアバージョン」梅田望夫さんの棋聖戦ウェブ観戦記感想 2
    okadaic
    okadaic 2009/06/11
    新ジャンル「ウェブ観戦記のウェブ解説者」。重奏的。<梅田さん、ようこそ将棋の底知れぬ魅惑の泥沼の世界?へ>
  • 棋聖戦第1局 - お仕事ブログ

    棋聖戦の中継は初めてだったのですが、皆さんによくしていただきました。当に楽しくお仕事できました。 ここで書きたいことや伝えたいことはたくさんあるのですが、まだシリーズの途中なので、印象に残った言葉だけいくつか紹介します。 【羽生棋聖】「ありがとうございました。お世話になりました。ありがとうございました」(宿を出るとき、マイクロバスの車内から何度も宿の方々に、お辞儀をしながら) 【木村八段】「うん、うん。どうもありがとう。お疲れ様。当にありがとう」(打ち上げ終了後の控え室で、ネット中継のブログと棋譜コメントを丹念にチェックしたあとに) 【梅田望夫さん】「僕ら、とてもいい仕事が出来たんじゃないかな?」(帰りの燕三条駅にて) 【小暮克洋さん】「君はもっともっと、色々な意味で力を付けてくれ。出来れば俺が生きているうちに」(対局翌日の大浴場にて) 【深浦王位】「はじめてネット中継の解説をやらせて

    棋聖戦第1局 - お仕事ブログ
    okadaic
    okadaic 2009/06/11
    ごとげんさん。中継すごくよかったです。おつかれさまでした!
  • ものぐさ将棋観戦ブログ : 「将棋マニアバージョン」梅田望夫さんの棋聖戦ウェブ観戦記感想 1

    2009年06月10日19:14 カテゴリ棋聖戦 「将棋マニアバージョン」梅田望夫さんの棋聖戦ウェブ観戦記感想 1 棋聖戦中継plus 梅田望夫氏、棋聖戦第1局リアルタイム観戦記 1 急戦矢倉をめぐって 「シリコンバレーから将棋を観る」は、羽生善治の「変わりゆく現代将棋」の話から始まる。矢倉の序盤で、従来はある程度、定跡手順を自動的になぞって指す事が多かった。それに対して、羽生は序盤の当の入り口の段階の手順、5手目に▲7七銀とすべきか▲6六歩とすべきか、それに対して後手がどのような対策を取ることが可能なのかを、徹底的にこの連載で再検証した。いわば、自明とされる常識的な矢倉の序盤が、当に棋理を追求したものになっているかを、一度白紙に戻して徹底的に疑い、矢倉戦法の質を問い直そうという試みである。 そして、後手番で普通に矢倉の駒組みに追随するのでなく、先手の初手からの数手をとがめようとする

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  • 【梅田望夫観戦記】 (9) 一致していた両対局者の大局観

    午後5時半に対局室に入ったときは、木村さんが97手目▲9四歩を指したところだった。 そこから約2時間後の午後7時29分、木村さんは一分将棋まで頑張り続け、最後に50秒、1-2-3まで読まれたところで、駒台に手を置いた。 終局後、いちばん興味があったのは、控え室で大きく割れた大局観について、対局者二人がどう考えていたかであった。 羽生、木村、二人の大局観は、先手有利でぴったりと一致していた。 勝者・羽生棋聖の感想第一声は、 「駒が偏り過ぎて、攻め味がなくなって、作戦負けだった。仕掛けられてダメでしょう。先手の銀二枚のおかげで動けなくなってしまった。」 だった。 敗者・木村挑戦者のほうは、 「▲6八角で十分やれそうだと思ったし、序盤もまずまずだったのに、そのあと乱れてしまった。相手の端攻めはそこしかないと思ったけれど、意外にうるさ かった。王さまがのこのこ出て行って、結局はダメだったけれど、そ

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  • 【梅田望夫観戦記】 (8) 「ねじり合い」の入り口

    午後4時、控え室での30分の真摯な検討内容をだいたい頭に入れて対局室に入った。71手目▲3五歩に対して、羽生棋聖が長考に入っているところだった。 そこから77手目▲6八角が指された(激しい▲3五角ではなく)ところで、控え室に戻った。「攻める木村の誕生だ」と盛り上がっていた検討陣は、▲6八角を見て、「やはり木村さんは木村さんだった」と総括していた。 「▲3五歩から▲6八角までの指し手は木村さんにしか指せない手でしょう。これで「ねじり合い」の入り口に入ったと言えるでしょうね」とは深浦王位。 「とにかく『▲3五歩から▲6八角』という一連の手順は、控え室では少なくとも候補に挙がらない手でした。僕のイメージしている『ねじり合い』というのは、一つのイメージですけど、お互いせめぎあってる感じ、どろどろした感じ。力と力の比べ合いというか。木村さんがどこまで意図的かわかりませんけど、簡単には攻めつぶせない羽

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  • 【梅田望夫観戦記】 (7) 揺れ動く局面、割れる大局観、そして膠着状態か

    藤井九段と飯塚六段は大盤解説で「先手の模様がいい」と断言して控え室に戻ってきた。 ここまでここで報告してきた、深浦王位と、自宅からメール参加の渡辺竜王の後手良しという大局観と真っ向からぶつかっている。「勝敗は置いておくとして、模様だけなら先手がいいですね。でも、穴熊は勝敗にこだわる戦型だからね」「渡辺君は穴熊が当に好きなんだねえ」「羽生さんはここは難しいと思ってました、ってあとで絶対に言うよ」とは、藤井九段。 そして、「後手がいいって、具体的に何がいいのか言ってくださいよ」と藤井九段が言い、深浦王位、青野九段を交えて、羽生棋聖が穴熊を完成させた64手目の局面から、検討に熱が入ってきた。 羽生さんの言葉 『でも、将棋の局面というのは、つねに揺れ動き続けているようなものなんですよ。或るプロ棋士に訊いてこっちが良いと言っても、違うプロ棋士は自信がない、と言う。タイトル戦に限らず、大部分の対局は

    【梅田望夫観戦記】 (7) 揺れ動く局面、割れる大局観、そして膠着状態か
  • 棋聖戦始まる

    ブログは下記URLに引っ越しました。 https://www.toyama-shogi.com/ 日将棋連盟棋士。 今日は昨日も書いたように棋聖戦の開幕局。 羽生棋聖ー木村八段戦。 振り駒で木村八段が先手となり、後手の羽生棋聖が急戦矢倉を採用しました。 この急戦矢倉はまさにあの竜王戦と全く同じ。逆を持って採用しているわけですから羽生棋聖も有力と見ているわけです。 その辺りの話は当時対局者だった渡辺竜王のブログを参照。 中継は棋聖戦中継サイトで そして梅田望夫さんによるウェブ観戦記も。 朝PCを開けたらば早くも第2回まで更新されていて驚きました。 そして現在14時で早5回目まで更新されています。 MSN産経ニュース 棋聖戦中継 plus のどちらでも読む事が出来ます。 今回は前2回と比べて随分と文章の感じが変わった気がします。 あまり他の世界の話や比較が無く、将棋の話に基づいてストーリーが

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