サリー・ジョーンズの伝説 (世界傑作童話シリーズ) 作者:ヤコブ・ヴェゲリウス 株式会社 福音館書店 Amazon 物語は今から100年前、熱帯の嵐の夜にはじまる。曽野と、アフリカの熱帯雨林の奥深くでゴリラの女の子が生まれた。月はもちろん、星ひとつまたたかない真っ暗な夜のことだった。それゆえ村の長老は、生まれた子が数々の不幸にみまわれるだろうと、予言した。 こんな書き出しで始まるのは、スウェーデンの作家がゴリラの半生を描いた絵本だ。 お母さんの背中におぶさって移動していたほど幼いころに、密猟者によってとらえられ、競りにかけられたその子は、トルコの象牙商人に買われるのだが、関税の支払いをけちったその商人は、その子を乳母車にいれ、生まれたばかりの赤ん坊に見せかけてヨーロッパ行きの客船に乗せたのだった。 偽造パスポートにはジャングルで行方不明になったアイルランド人宣教師夫婦の娘、サリー・ジョーン