oljikotoushiのブックマーク (455)

  • AI監獄ウイグル - 隠居日録

    ジェフリー・ケインのAI監獄ウイグル (原題 The Perfect Police State)を読んだ。数年前から新疆ウイグル自治区で行われていると言われている著しい人権侵害について書かれているだ。色々な所から入ってくる情報を見ていて、なんとなくわかっているつもりでいたが、このを読んで、一体ウィグルで何が起きているのかよくわかった。そこは正にあのジョージ・オーウェルの「1984」の世界だ。 町中におびただしい数の監視カメラがあり、そのカメラはスタンドアローンではなくネットに接続されて、ほぼリアルタイムで画像処理されている。しかも、当局が必要と判断すれば、一般家庭のリビングにまでカメラが設置できるのだ。これこそまさに「1984」の世界だ。そして、移動の度にIDを確認され、スキャンされる。DNA、血液、顔写真などの身体情報を取得され、拒むと何が起きるかわからない。いつもと違う行動をすると

    AI監獄ウイグル - 隠居日録
  • 女性兵士とフェミニズムの困難な関係 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(三浦みどり訳) - 快適読書生活  

    この不穏な状況を予期したように、先月の書評講座(1000字)の課題書は、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(三浦みどり訳)でした。 戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 前の課題書『同志少女よ、敵を撃て』にも描かれていたように、ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍した。他国のように看護婦などの専門職に限定されることなく、多くの女性が武器を手にして最前線で敵と戦った。 この『戦争は女の顔をしていない』では、そんな女性兵士たちの生の肉声が収められている。彼女たちをそこまで突き動かしたのは、いったいなんだったのか―― 私の書評は以下のとおりです。 ここから――――――――――――――――――――――――――――― (題)〈戦争の英雄〉と〈普通の女性の幸せ〉という集団幻想 『戦争は女

    女性兵士とフェミニズムの困難な関係 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(三浦みどり訳) - 快適読書生活  
  • 『Bedtime for Frances(おやすみなさいフランシス)』【英語絵本】しつこいけれど可愛い寝ない子ども!寝る前の親子の会話を学べる - 本をプレゼントしよう

    人気の絵『Bedtime for Frances』はアメリカです。 いつの時代も、どの国でも、夜になるとなかなか寝ない子どもたち。 寝る前の可愛いキスを交わす親子、子どものしつこい「寝ない」態度と、それに対してひとつひとつ言い聞かせる両親。 眠れなくて、ベッドと両親の元を行ったりきたりウロウロしちゃう子どもの気持ちもわかるし。 けれど、親からすると、子どもは可愛いけれど正直イラっとくる感情もあったりもしますよね(笑)。 どの親子でも経験済みの日常が繰り広げられる絵『Bedtime for Frances』では、親子の日常会話、寝る前の英語表現を学べます。 【英語】『Bedtime for Frances』 リンク 【翻訳】『おやすみなさいフランシス』 【原作】『Bedtime for Frances』 【著者】 Russell Hoban (著), Garth Willia

    『Bedtime for Frances(おやすみなさいフランシス)』【英語絵本】しつこいけれど可愛い寝ない子ども!寝る前の親子の会話を学べる - 本をプレゼントしよう
  • 『王女に捧ぐ身辺調査: ロンドン謎解き結婚相談所』 - かもめもかも

    王女に捧ぐ身辺調査 ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫) 作者:アリスン・モントクレア 東京創元社 Amazon 元腕利き英国諜報部員で頭脳明晰なアイリスと、鋭い観察眼と貴族の人脈を持つ戦争未亡人グウェン。 1948年、まだまだ戦争の爪痕が色濃く残るロンドンで、一見するとあらゆる面で対照的に見える二人が共同でたちあげたのはなんと結婚相談所。 それぞれのスキルを活かして調べ観察し、顧客にふさわしい相手を紹介する仕事は、順調に軌道にのるかと思われた矢先に殺人事件に巻き込まれて経営危機に!? …という事件の詳細が気になる方は、シリーズ第1作ロンドン謎解き結婚相談所を。 ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫) 作者:アリスン・モントクレア 東京創元社 Amazon 無事に事件を解決し、あの事件をきっかけに、結婚相談所の名前は広まり、二人もちょっとした有名人に。 だからだろうか? 英国王妃

    『王女に捧ぐ身辺調査: ロンドン謎解き結婚相談所』 - かもめもかも
  • 銀のさじ  シーボルトのむすめの物語 - 児童書評価のページ

    銀のさじ―シーボルトのむすめの物語 (文学の扉 13) 作者:竹田 道子 金の星社 Amazon シーボルトの娘として混血児という宿命を背負ったイネの物語。父シーボルトのことを聞かされ続け、同時に当時はきわめて少ない混血児として差別され、女医として自立をめざすが、女性ゆえの不利の中で進む姿がていねいに描かれる。イネとシーボルトの再会でラスト。伝記と言うよりは実話をもとにした物語。

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  • 「世界幻想文学大賞」受賞作「おばちゃんたちのいるところ」を楽しみました - 遊びをせんとや生まれけむ

    おばちゃんたちのいるところ-Where The Wild Ladies Are  松田 青子 中央公論新社 自身2冊目の松田青子(まつだ あおこ)。前に読んだのは妊娠子育てのエッセイ「自分で名付ける」。今度は小説「おばちゃんたちのいるところ」。 1年半ほど前、2020年の「TIMESが選ぶ今年の必読書100冊」のなかに、作を含む日の女性作家4人の作品が選ばれていて、松田青子という作家を初めて知る。 そして、昨秋には「おばちゃんたちのいるところ」の英訳版が、「世界幻想文学大賞」の短編集部門で受賞したという快挙の報せ。 例によって事前情報を全く入れずに、そして「世界幻想文学大賞」を受賞していることを失念していて書を読み進めていったら、へぇーファンタジーかと思い、あっホラーでもあるのか?と気づいて、裏表紙のあらすじを読んでそのことをようやく納得。 17編の短編がずらりと並んでいるが、それぞ

    「世界幻想文学大賞」受賞作「おばちゃんたちのいるところ」を楽しみました - 遊びをせんとや生まれけむ
  • 2022年 国際ブッカー賞ロングリスト - トーキョーブックガール

    www.tokyobookgirl.com あっという間に3月。国際ブッカー賞のロングリスト(Women's Prize for Fictionも〜)も発表されました。 thebookerprizes.com ロングリスト入りしたのは13冊。今年はアジア圏の小説が5作品とかなり増えているのが特徴的(去年は残雪のみ、一昨年は小川洋子のみ)。うち2作品は韓国文学で、すでに日語訳が出版されている韓国文学『大都会の愛し方』もノミネートされている。 あとは、2017年に国際ブッカー賞を受賞したイスラエルのデイヴィッド・グロスマンや、2018年に受賞したポーランドのオルガ・トカルチュクの作品も。どちらも、もっと邦訳してほしい……。 Paradais / フェルナンダ・メルチョール(Sophie Hughes訳)スペイン語 『ヘヴン』Heaven / 川上未映子(Samuel Bett & David

    2022年 国際ブッカー賞ロングリスト - トーキョーブックガール
  • 『航路』コニー・ウィリス 臨死体験と死後の世界 - ネコショカ(猫の書架)

    驚愕の超絶展開が楽しめる一作 2002年刊行作品。単行版はソニーマガジンズから。 作者のコニー・ウィリス(Constance Elaine Trimmer Willis)は1945年生まれのアメリカSF作家である。 原著『PASSAGE』は2001年に米国で刊行されている。米国ローカス賞のSF長編部門を受賞。日国内でも、ベストSF2002海外篇の第1位。このミス2002年海外部門17位にランクインしている。 ハヤカワ文庫版は2013年に登場している。表紙のテイストが単行とはかなり変わってしまった。わたし的には単行時代のデザインの方が好み。 航路(上) (ハヤカワ文庫SF) 作者:コニー・ウィリス 早川書房 Amazon 航路(下) (ハヤカワ文庫SF) 作者:コニー・ウィリス 早川書房 Amazon おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5つ) リーダビリ

    『航路』コニー・ウィリス 臨死体験と死後の世界 - ネコショカ(猫の書架)
  • 忘れられない一文 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『お嬢さん放浪記』(2018年)犬養道子作 角川文庫 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ ひっそりInstagramも気まぐれ更新 今日の一冊はコチラ! 大好きで、学生時代にもう何回読み返したことでしょう。 私が読んだのは、中公文庫版でしたが、今は角川文庫なのですね。 中公文庫版は、赤い表紙が不穏な感じで、なぜこの表紙?と印象的だったなあ。そして300円でした(時代!笑)↓ 中公文庫版 さて、内容はというと、 戦後まもない頃に日中を虜にした、時代を切り開いた女性の欧米滞在記! 1948年、米国に留学中だった著者は、サナトリウムで療養しながら「起業」し、そのお金でヨーロッパに旅立った――。渡航が難しい時代に世界を渡り歩いた女性が残した、驚きと発見溢れる旅文

    忘れられない一文 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 「ジャッジメント」 小林由香(ネタバレ:少) - ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

    <考えることが多すぎて> おはようございます!ちくわです。 読書読書会・哲学カフェが好きです。 この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。 今日は、この。 ジャッジメント (双葉文庫) 作者:小林由香 双葉社 Amazon 内容紹介<amazonより> 大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。 凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。 20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日で、新しい法律が生まれた。 それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして 被害者たちを救えるのだろうか。復讐とは何かを問いかける衝撃のデビュー作! ◆このは ボリューム:★★★☆☆(普通) 読みやすさ:★★★☆☆(読みやすい) 感動   :★★★★☆(愛する人を真剣に考える気持ち) 読後の宿題

    「ジャッジメント」 小林由香(ネタバレ:少) - ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ
  • 【コナン・ドイル】緋色の研究 - 文学系心理士の感想部屋

    緋色の研究を読みました〜! シャーロック・ホームズとワトスン博士が出会うよ! アガサ・クリスティーもだけど、コナン・ドイルも全作品読んで感想を書くのが目標! ↓私が読んでいるのはこちらの創元推理文庫の↓ 緋色の研究 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫) 作者:アーサー・コナン・ドイル 東京創元社 Amazon あらすじ 戦争からロンドンに戻った軍医のワトスン。下宿を探していたところ、医学部に出入りしている謎の男であるシャーロック・ホームズを紹介される。偏った知識、不規則な生活、優れたバイオリニスト。そしてひっきりなしに訪れる人々。不思議に思っていたワトスンだが、彼が探偵コンサルタントだと知りー!? 読んでみて 前にも読んだことがあるのにすっかり忘れていた。 冒頭のシャーロックとワトスンが出会うのは割と覚えていたのに、どういう事件でとか、どういう犯人でとかはすっか

    【コナン・ドイル】緋色の研究 - 文学系心理士の感想部屋
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2022/03/19
    ムっくん(id:nmukkun)さん 確かにそうですね💦シャーロック・ホームズ関連の本ってすごく多くてびっくりしています!ちょっとずつ広げていこうかな😅
  • 小学生のころマスターキートンを読んだ私が大人になった今再びマスターキートンを読んだ感想【マンガレビュー】 - 本の虫よりアイをこめて

    私の実家に住んでいた叔母が結婚して家をでていくときにをたくさんおいていった。 私はその部屋を自分の部屋にした。 よくわからないがたくさんあったけど、そのなかに何冊かマンガがあった。 私の住んでいたところは田舎だったのでとにかく娯楽がなかった。 暇すぎて暇すぎて叔母がおいていったマンガを読んでみることにした。 アリオンというマンガもあったと思うが、当時小学生だった難しくて読めなかった。 あとなかなかに刺激的なシーンが多かったような気がする。 それなのになぜかマスターキートンは読むことができた。 漢字がたくさんあって読めないことが多かった。 マンガのキャラの顔をみて話の流れを察することもあった。 特に動物がでてくる話が平易なことが多くよく読み返していた。 あと何話か続いたら完結、という物語形式がよかったのだと思う。 何度も何度も繰り返し読んでいるとあることに気づいた。 「あれ、去年わからな

    小学生のころマスターキートンを読んだ私が大人になった今再びマスターキートンを読んだ感想【マンガレビュー】 - 本の虫よりアイをこめて
  • 「八月の狂詩曲」 1991 - BookCites

    ★★★☆☆ あらすじ ハワイにいる臨終間近の自分の兄だという男に子供たちが代わりに会いに行っている間、長崎で孫たちを預かることになった老女。タイトルの読みは「八月の狂詩曲(ラプソディー)」。 感想 ひと夏の間、孫たちと暮らすことになった老女。子どもたちが自分の兄だというハワイに住む男に会いに行ったからなのだが、自分の兄弟を思い出せないなんてことがあるのかと驚いた。ただ、はるか昔のことだし、10人以上兄弟がいたというから、そんなものなのかもしれない。しかし兄弟が10人以上もいるなんて想像もできない。 そして老女の記憶を蘇らすために、孫たちが協力して様々な昔話を聞き出していく。おとぎ話的な雰囲気も一瞬あったのだが、最終的には長崎の原爆の話が中心となっていく。テーマがテーマなので当たり前だが、中盤は少し真面目というか、堅苦しさがあった。 やがて、老女の夫が原爆で亡くなっていた事を知ったリチャード

    「八月の狂詩曲」 1991 - BookCites
  • 『14歳から考えたい アメリカの奴隷制度』 - かもめもかも

    14歳から考えたい アメリカの奴隷制度 (A Very Short Introduction) 作者:ヘザー・アンドレア・ウィリアムズ すばる舎 Amazon オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)の"Very Short Introductions" (VSI) は、歴史政治、宗教、哲学、科学、時事問題、ビジネス、経済、芸術、文化など、様々な分野の特定の研究領域やテーマを、専門家による分析や新しい見解を盛りこみながら平易に解説する入門書シリーズとして世界で広く知られている。 VSIのは、日でも岩波書店の「一冊でわかる」シリーズや、丸善出版の「サイエンス・パレット」として翻訳出版されているので、1つ2つ読んだことがあるという方もおられるだろう。 すばる舎の「14歳から考えたい」シリーズでもこれまでに『貧困』『優生学』『レイシズム』が翻訳出版されて

    『14歳から考えたい アメリカの奴隷制度』 - かもめもかも
  • 『死の味』P・D・ジェイムズ|ダルグリッシュの過去に一体何が? - 書に耽る猿たち

    『死の味』上下 P・D・ジェイムズ 青木久惠/訳 早川書房[ハヤカワ・ミステリ文庫] 2022.3.15読了 コーデリアシリーズがおもしろかったので、ダルグリッシュ警視ものに手を出してみた。犯人や動機、トリックを探るミステリなのに、私にはどう考えても濃密な文学作品の範疇に思える。過去に読んだコーデリアシリーズ2作と比べて、長さもあるが故に内容も構成もさらに混み入っており、まぁおなかいっぱいになった! 教会の聖具室で、元国務大臣のポール・ベロウン卿と浮浪者ハリー・マックの死体が発見された。殺人なのか自殺なのか。2人を結びつけるものはない。ダルグリッシュ率いる警察のチームは捜査に乗り出す。相棒の2人は、過去にも仕事をしたことのあるマシンガム主任警部と、初登場らしい女性警部ケイト・ミスキン。このミスキンがなかなかカッコいい女性である。 教会の司祭であるバーンズ神父は、ベロウン卿の腕に「聖痕」があ

    『死の味』P・D・ジェイムズ|ダルグリッシュの過去に一体何が? - 書に耽る猿たち
  • 『動物会議』エーリヒ・ケストナー|子どものために戦争をやめよう|トリアーさんの素敵な絵 - 書に耽る猿たち

    『動物会議』エーリヒ・ケストナー ヴァルター・トリアー/絵 池田香代子/訳 岩波書店 2022.3.10読了 ドイツで1949年に出版された絵で、日でもロングセラーとして読まれている。ケストナーさんといえば『飛ぶ教室』『ふたりのロッテ』が有名であるが、この絵のことは知らなかった。の内容も素晴らしいが何よりトリアーさんの絵が素敵すぎる。 これ、人間が行う戦争を批判したもので、動物たちが子どもたちのために戦争をやめさせようと会議を開く話なのだ。ユーモア溢れる語り口だけど実はかなり核心をついた作品。何より現在のロシアウクライナの戦いをリアルタイムで見ているから、当に身につまされる思いになる。 象やキリン、ライオンの親が子どもたちから「何か読んで」とせがまれて近くにある新聞を読み聞かせる場面。戦争のことなんて子どもに聞かせる話ではないと気付く。私には子どもがいないけど、小さな子を持つ世

    『動物会議』エーリヒ・ケストナー|子どものために戦争をやめよう|トリアーさんの素敵な絵 - 書に耽る猿たち
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2022/03/15
    トリアーさんの挿絵素敵ですよね!エーミールと探偵たちの挿絵もすごく可愛らしかったです。「動物会議」を再読したくなりました!
  • 来なけりゃいいのに 乃南アサ レビュー ネタバレあり - mooncatの図書館

    来なけりゃいいのに (祥伝社文庫) 作者:乃南アサ 祥伝社 Amazon 『普通』であることが無意識に求められる日。そんな一見普通に見える女性が主人公である乃南アサ先生の7つの短編集。 熱帯魚 今の職場に満足していない響子は憧れていたアパレルメーカーに転職する。華やかな世界。時代の最先端を行く世界。でも実際に入社してみると、社員に覇気は無く仕事中はただ無言でゆらゆらと水槽を泳ぐ熱帯魚みたい。任される仕事も誰でもできるようなことばかり。そんな現場を友人のみどりに見られて・・・ 外から見る世界と中から見える世界は違う。人生は短いのだから、思っていたのとかけ離れた世界なら私なら辞めちゃうなぁ。響子をバカにするみどりの最後は気の毒だけれども。 自分の身を置く環境には知らず知らず染まっていくから、おかしな環境だと思ったら逃げてもいいんだよ。 最後のしずく 人間は外見ではない。けれど特に10代、20

    来なけりゃいいのに 乃南アサ レビュー ネタバレあり - mooncatの図書館
  • 同志少女よ敵を撃て - 隠居日録

    逢坂冬馬の同志少女よ敵を撃てを読んだ。書は第11回アガサ・クリスティー賞受賞作で、北上ラジオの第40回で紹介されていた。 甘さが微塵もなく非常に緊密な冒険小説『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(早川書房)の登場に驚愕すべし!【北上ラジオ#40】 - YouTube アガサ・クリスティー賞というのが存在しているのも知らなかったし、それがもう10回以上の続いていることも知らなかった。北上氏はこの賞の選考委員でもあるようだ。アガサ・クリスティーの名を冠してるが、純粋なミステリーだけではなく、冒険小説、スパイ小説、サスペンス等も対象となっているようで、書はどちらかというと冒険小説の範疇なのだろう。復讐の物語でもあるが。 物語の時代は第二次世界大戦中であり、ソ連で大祖国戦争と呼ばれている、対ナチス・ドイツとの戦争の時代の女性狙撃兵小隊の物語だ。主人公のセラフィマはモスクワの近くにあるイワノスカヤ村

    同志少女よ敵を撃て - 隠居日録
  • 思春期に読みたい珠玉の短編集 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『真夜中の電話』(2014年)ロバート・ウェストール著 原田勝訳 徳間書店 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ ひっそりInstagramも更新中 前回に引き続き、今回もウェストール! 今日の一冊は、大人はもちろん、思春期(特に男子)に差し出したい短編集。 短編集ってあまり普段読まないのですが、ああ、ウェストールは好きだなあ。 人間の負の部分も割と描くから、読んでいて“人生楽しい!最高!”とはならないんだけれど、思春期ってそういう世界もきちんと見せないと、“きれいごとばっかり......”と感じがち。だからか、ウェストール読むと“うんうん、分かってる~”、ってなる気がするんですよね。 特に思春期男子におススメと書きましたが、男子の気持ちが分からない女子や女

    思春期に読みたい珠玉の短編集 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 「星落ちて、なお」 澤田瞳子(ネタバレ:少) - ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

    <天才と呼ばれた親を持つと。> おはようございます!ちくわです。 読書読書会・哲学カフェが好きです。 この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。 今日は、この。 星落ちて、なお 作者:澤田 瞳子 文藝春秋 Amazon 内容<amazonより> 【第165回直木賞受賞作!】 鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とは――。 父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。 不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。 暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうも

    「星落ちて、なお」 澤田瞳子(ネタバレ:少) - ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2022/03/12
    気になります!