診断というと、操作的診断基準を使うと考えがちだが、DSMのようなタイプの診断基準は必ずしも額面通りに機能しているわけではない。試しにDSM-5のADHDの診断基準から、不注意の項目を見てみよう。 診断基準:DSM-5より (1)不注意:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6カ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである。 注:それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。青年期後期および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。 ・学業、仕事、または他の活動中に、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする (例:細部を見過ごしたり、見逃してしまう、作業が不正確である) ・課題または遊びの活動中に、しばしば注意を持