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ブックマーク / infinitytopos.wordpress.com (4)

  • 収穫と蒔いた種と

    2014年11月13日,20世紀最大の数学者とも言えるA.Grothendieckが亡くなった.自分は学生時代吸い込まれるように彼の数学に惹かれた人間の一人であるので思うところが多く,この記事を書くことにした.少し客観性に欠くかもしれないが,個人的な意見だとして了承されたい. ●「収穫と蒔いた種と」 思えば,自分がGrothendieckという数学者に強い興味を持ったのは彼の著書である「収穫と蒔いた種と」を読んでからだと思う.とても意外なのが,学生の間に(教員の間ですら),あまり読んだ人が居ないという事実だ.というのも仕方ない理由もあり,とにかくなんといっても長い.そして,数学の話もそれなりにするので,それなりに知識がないと何を言っているか分からないという事だ.(自分も数学に関しては理解していないところも多い.) その中でGrothendieckが述べている事を簡単にまとめると「彼の数学

  • 圏論の基礎

    圏論の教科書として、一つの定番と呼ばれるMacLaneのCategories for the Working Mathematician(邦訳:圏論の基礎)だ。このは自分自身にとっても大学に入ってから最初に読みふけり、読み切ったとしてとても親しみ深いである。しかし、先日久しぶりに手に取って眺めなおしてみると、少し物足りないと感じるところや良くないと感じるところも多くある。そこで「圏論の基礎(以下CWM)」について今の立場から思う所をレビューしてみようと思う。 ●MacLaneのスタイル まず、CWMに限らずMacLaneの書く(例えばHomology)は特徴がある。それは「具体から抽象へ」という流れを明確に意識している点だ。例えば、随伴関手の説明をするとする。すると、一般的な話をする前に自由ベクトル空間と忘却関手の話をする。自由グラフの話をする。それらの構造を意識しながら、共通

    omega314
    omega314 2020/10/06
    “...というのも「すべての概念はKan拡張である」という文言に惹かれて圏論を学んでいたのは事実なのだから!そう本当に自分にとって「はじまりはKan拡張」だったという訳なのです。”
  • 数学系YouTubeコンテンツ

    最近数学系の動画コンテンツについて調べてみたところ、意外にも既に多くのYouTuberが存在するということが判明した。我々もYouTubeのチャンネルは作ったところで、今後足りないジャンルのコンテンツは強化していきたいと考えているが、既に教育的な活動をなさっている方々のコンテンツを有効活用するのは先決だろう。全部調べきれたわけではないが、ここではシェアもかねて紹介したい。 ●龍孫江の数学日誌 in YouTube チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCO34XpHxdG8P2n5aTPXSaZQ まずは、私が久々に数学を見るきっかけになった龍孫江さんのチャンネルである。主に群・環・体といった代数学について丁寧な解説がされており、「数学用語くらいはわかるが、実際の数学の証明や計算に慣れていない」人を対象にした内容だと思われる。一つ一つの動画は10~3

    数学系YouTubeコンテンツ
  • はじまりはKan拡張

    最近少し報告が出来ていなかったので、Mathpedia運営1ヵ月の続きの報告をしようと思う。結論からいえば、結構事務手続きで色々と面倒ごとが続いて大変だった。 ●源泉徴収・消費税 まず、実は先月の会計報告は間違っていた。というのも、源泉徴収や消費税という概念が登場していなかったからだ。この辺は事務局長が税務署への問い合わせをしながら判明して、既に対応済みだ。若干詳しく説明すれば、この事業は「数学市民化プロジェクト」から各執筆者(個人・個人事業主)に対する「業務委託」となり、その対価には源泉徴収や消費税(これは執筆者側が個人事業として納税義務が存在)が発生するのだ。源泉徴収に関しては、手取りが2万円になるように額面を22,046円に修正し、差額を既に納税している。また消費税についても、執筆者に2年前の課税収入が1000万円を超えている方はいないため、これは消費税の納税義務は発生せず、こちらも

    はじまりはKan拡張
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