フリー編集者の上松容子さんによる、名前だけ変えたドキュメンタリー連載「介護とゴミ屋敷」。都内でひとりっ子として育った上松さんが、父の急逝にともなって突然認知症を発症した母とどのように向き合っていったのかを綴っている。 義母と同居している上松さんが、認知症の母との同居をようやく許してもらったのは、認知症発症から3年以上経ったあとだった。それまでは母の実姉である伯母に母との同居を頼んでいた。しかし実は伯母も認知症だと後で判明。ふたりの暮らす母の実家はゴミ屋敷と化し、そこから脱却するのにも3年の時間を要したのだった。そこで上松さんが痛感したのは、たとえ発症前に清潔好きでていねいな暮らしをしていても、認知症だと衛生観念が飛び去ってしまうことがあるのだという現状だった。 現在、新型コロナの感染拡大で、介護施設もデイケアサービスをストップするところがある。より自宅での介護が必要となっている方々も多いこ