携帯電話機向けに開発されたAndroidは、GUIを備えた組み込み機器の開発を変える可能性がある。ハードウエアの開発と、ソフトウエアの開発がAndroidの登場によって完全に分離できるからだ。パソコン黎明(れいめい)期にオープンなプラットフォームとして現れ、瞬く間に標準となった「IBM PC」。これによって、それまでプラットフォームごとに異なるソフトウエア開発が一本化した。同様にAndroidというオープンなプラットフォーム上で自由な開発が可能になる未来も近い。 Androidがライブラリを統一 従来の組み込みLinuxではライブラリの選択肢が豊富にあったため、かえって開発力が分散してしまっていた。Androidは開発力を集中する。 使いやすくて高機能な機器を、小さくて安価に――ここ数年で組み込み機器の開発は様変わりした。特に携帯型機器は製品サイクルが短くなり、開発期間が短縮される