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早川書房の検索結果81 - 120 件 / 1976件

  • 「男性が男性に弱みを見せて、茶化しなしにケアしてもらうのはかなり難しい」のでは、という話に共感の声

    難波優輝 @deinotaton 男性が男性に弱みを見せて、茶化しなしにケアしてもらうのはかなり難しい。たんに本人のプライドの問題とかではなく、男の文化のケアの項目にはどうも、一緒に騒ぐとか上手いこと言って茶化し笑い飛ばすみたいな対処療法系しか記載されていない感がある。 2021-06-22 23:33:43 難波優輝 @deinotaton ぼくはかなり意識的に心理療法などからケアの技法を勉強しないと無理と思って勉強し続けていて、そこそこ効力を感じる。男の友人達がちょっと元気になったりするのをみると安心する。けど自分は特例で、男性一般はケアの技法を高めるモチベーションをあんま見出さなさそうで、何か要因がありそうな感じ 2021-06-22 23:38:19 難波優輝 @deinotaton 実際、男性の弱みの見せられなさから生まれるセルフネグレクトはある種の性的魅力につながっているように

      「男性が男性に弱みを見せて、茶化しなしにケアしてもらうのはかなり難しい」のでは、という話に共感の声
    • ブックオフが深刻な在庫不足で切実な買い取り企画開始 「『本ねぇじゃん』と言ってたら本当になくなりました」

      ※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 中古本や中古家電販売のブックオフが8月27日、「本気のお願い」とする切実な買い取りキャンペーンを開始すると発表しました。CMで「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」と冗談半分で言っていたところ、本当に本が足りなくなってきたとのこと。そんなギャグみたいなことあるか? ノリがおかしい告知動画 「ブックオフなのに本ねぇじゃーん」 「と、CMで言っていたら、本当に本が足りなくなりそうです」。えぇ…… 特に小説などの文庫本が不足しているとのことで、文庫本3冊買い取りごとに商品が当たる「ブッくじ」を8月31日~9月13日まで東京都と神奈川県のブックオフ店舗限定で実施します。景品と当選人数は以下の通り。 S賞:図書カード1万円分……30人 A賞:ブックオフなのに本ねぇ~ジャン……3人 B賞:ブックオフお買い物券1000円分……200人 C賞:ブックオ

        ブックオフが深刻な在庫不足で切実な買い取り企画開始 「『本ねぇじゃん』と言ってたら本当になくなりました」
      • 《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書

        息吹 作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行本 傑作揃いの短篇集 今年のSFでまず中心的に語っておきたいのは*1、素晴らしい短篇集が多数出たことだ。たとえばテッド・チャン『息吹』は著者一七年ぶりのSF短篇集で、『メッセージ』の題名で映画化された短篇を含む前作『あなたの人生の物語』を上回る密度を誇る傑作ぞろい。中でも表題作「息吹」は我々の世界とは仕組みが異なる異世界の生活や原理を緻密に描き出しながら、一人の科学者の脳科学・物理学の追求を通して世界の真実に至ろうとする物語で、三〇ページほどの中に世界を探求することの喜びが緻密に織り込まれている。この一〇年で読んだ中で最上の一篇である。 ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF) 作者:グレッグ イーガン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/31メディア: Kindle版他、外

          《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書
        • 「能力主義」が社会を分断 マイケル・サンデル氏 米ハーバード大教授 - 日本経済新聞

          テレビ番組「ハーバード白熱教室」で知られる哲学者、マイケル・サンデル米ハーバード大教授の新刊邦訳「実力も運のうち 能力主義は正義か?」(鬼澤忍訳、早川書房)が14日、刊行される。人は出自によらず、努力と才能次第で成功できるという考え方が暴走し、エリートに傲慢を、その他大勢に屈辱と怒りを生んでいると指摘する。社会を分断しかねない状況にどう向き合うか、著者に聞いた。――執筆のきっかけは。「トラン

            「能力主義」が社会を分断 マイケル・サンデル氏 米ハーバード大教授 - 日本経済新聞
          • 女神の乳に導かれる民衆 - 本しゃぶり

            この絵は「おっぱいに導かれる民衆」を表現している。 honeshabri『民衆を導く乳』2019年, Ptengine 民衆とはフランス市民のことではない。 我がブログの読者である。 本記事では、このネットユーザーを活用したアートについて解説する。 人は芸術のどこを見るのか 人は芸術作品と向き合った時、どの部分に惹かれるだろうか。それは題材によって違う。だが自信を持って予想できることがある。 「おっぱいがあると、人はおっぱいに惹かれる」 あなたはどこを見る? 芸術作品を見て最高に素晴らしいと感じた時、脳内のデフォルトモードネットワーク*1が活性化するらしい。だが、そんな部位よりも扁桃体と視床下部を活性化させる方が簡単そうだ。この2つの部位は本人が意識しなくても動いており、扁桃体は感情的に反応し、視床下部は性的興奮を引き起こす。 言ってしまえば、本能によっておっぱいに注目すると考えたのである

              女神の乳に導かれる民衆 - 本しゃぶり
            • ヒューゴー&ローカス賞受賞の、対話が可能なのかすらもわからぬ相手との決死の外交を描く宇宙・ファーストコンタクトSF──『平和という名の廃墟』 - 基本読書

              平和という名の廃墟 上 帝国という名の記憶 (ハヤカワ文庫SF) 作者:アーカディ マーティーン早川書房Amazonこの『平和という名の廃墟』は、前作『帝国という名の記憶』で長篇デビュー作ながらもヒューゴー賞を受賞したアーカディ・マーティンの第二作にして二部作の後篇となる。前作は書名に「帝国」と入っているように、宇宙をまたにかける銀河帝国と、その宮廷で繰り広げられる皇帝の跡継ぎ問題なども関わってくる陰謀劇を中心に描き出す、いわばスペース・ポリティカル・サスペンスとでもいう作品であった。 著者は大学でビザンツ帝国史の博士号を取得し、別の大学で都市計画の修士をとるなど専門的背景のある人物だが、まさにそうした専門性や知識を活かして、前作では宇宙帝国とその在り様を生き生きと、美しく描き出していた。宇宙帝国ならではの特殊な文化・概念の書き込み、帝国とそれが実質的に植民地支配した周辺諸国との微妙な力関

                ヒューゴー&ローカス賞受賞の、対話が可能なのかすらもわからぬ相手との決死の外交を描く宇宙・ファーストコンタクトSF──『平和という名の廃墟』 - 基本読書
              • ポイ活はITが苦手な人ほど挑戦する価値がある - 本しゃぶり

                ポイ活の真の価値はポイントがザクザク手に入ることではない。 世の中の流れについていけるようになることだ。 ポイ活を学習機会として捉え直せ。 ポイ活はお得か 最近、興味深い記事を読んだ。ポイ活はやめた方がむしろお得であるという記事だ。 記事の著者はポイ活に挑戦したが、アプリの導入に挫折、さらに大手の囲い込み戦略に拒否感を持ったことでポイ活と距離を置くことにした。その結果、より「お得な生活」を送れるようになったという。 1つめの記事で挙げられていたのは、主に精神面のメリットである。店や商品をポイントで選ぶ必要がないという行動の自由を得られ、さらにポイ活の情報収集に時間とエネルギーを費やす必要がなくなった、と。 2つめの記事で挙げられていたのは、より金銭的なメリットだ。ポイントがもらえないことで商品が割高に感じられるため、購入することに躊躇するようになった。その結果、財布から出ていくお金が減った

                  ポイ活はITが苦手な人ほど挑戦する価値がある - 本しゃぶり
                • われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書

                  運動の神話 上 作者:ダニエル E リーバーマン早川書房Amazonこの『運動の神話』は、『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』などの著作や、身体活動に関する研究で知られる人類学者ダニエル・E・リーバーマンによる、運動についてのノンフィクションである。書名に「運動の神話」とついているのは、本書が運動にまつわる神話とその実態を紐解いていく本だからだ。 たとえば、運動の神話のひとつに「私たちは運動をしたがって当然だ」というものがある。われわれはもともと狩猟採集民で、日頃ずっと歩いたり走ったりと身体活動が活発な状態にあったわけだから、体を動かすのが当然なのだと。そうやって運動を推奨し、運動は薬だ、老化と死期を遅らせる魔法の薬だ、と吹聴しつづける人たちもいるが、著者はそうした人たちのことを”エクサシスト”(exercist)と呼んでいる。 運動なんてしたくなくて当然だ 実際のわれわれは

                    われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書
                  • 【年末年始】2021年の「年間総合はてなブログランキング」トップ100と「はてな匿名ダイアリー」トップ50、一挙公開! - 週刊はてなブログ

                    みなさんにとって2021年はどんな一年だったでしょうか? 週刊はてなブログでは、毎週月曜日にはてなブログ・はてな匿名ダイアリーの記事を対象としてはてなブログ独自の集計を行い、「今週のはてなブログランキング」を公開。ランキングにはそのときどきの注目記事が集まっています。 今回は、その総決算として2021年にもっとも注目を集めた「年間総合はてなブログランキング」トップ100の記事と、「はてな匿名ダイアリー」トップ50の記事を発表します!*1。集計期間は2021年1月1日~同12月22日です。 # タイトル/著者とブックマーク 1 東大が無料公開している超良質なPython/Data Science/Cloud教材まとめ (*随時更新) - Digital, digital and digital by id:touya_hujitani 2 高卒新人に資産運用を説明する - やしお by id

                      【年末年始】2021年の「年間総合はてなブログランキング」トップ100と「はてな匿名ダイアリー」トップ50、一挙公開! - 週刊はてなブログ
                    • 会社が進化したので「Teamsの先生」をすることになった - 本しゃぶり

                      ウイルスが弊社にTeamsをもたらした。 環境が変化すると、組織も急速に進化するのである。 結果、俺は「先生」となった。 Teamsの導入 弊社にMicrosoft Teamsが導入された。 もともと導入に向けて動いていたようだが、ここにきて一気に展開された。おそらくコロナの影響だろう。通常時ならば、もっと時間がかかったのではないかと思う。既に多くの人が言っているように、「ウイルス進化」という言葉が頭に浮かぶ。与えられる「新しい生命能力」が、弊社の場合はTeamsであるのか、と*1。 だがツールというものは、使われてこそ価値がある。しかもTeamsのようなグループチャットの場合、一部の人間だけが使っている状態では意味がない。「メトカーフの法則」によれば、ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗に比例する。組織の全員が利用してこそ真価を発揮するのだ。 No machi

                        会社が進化したので「Teamsの先生」をすることになった - 本しゃぶり
                      • 10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書

                        アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森望・伴名練編)は野崎まどの笑撃作「第五の地平」から小川一水による数学SFの傑作「アリスマ王の愛した魔物」、ベテランから新鋭まで幅広く取り揃えたアンソロジーだ。 2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア: 文庫今年は海外編も前回の年代別傑作選から十八年ぶりに『2000年代海外SF傑作選』、『2010年代海

                          10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書
                        • 朝日新聞社編『危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』』(徳間書店)取材原稿完全版 - shinichiroinaba's blog

                          朝日新聞の連載企画を基に先般刊行された朝日新聞社編『危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』』(徳間書店)に寄稿した拙文(インタビューのフォーマットに合わせて編集者に合いの手を入れてもらった以外は当方の書下ろしである)は、紙面でもまた単行本でも大幅に縮減されたものである。徳間書店のご厚意によってここに原型を復元し公開する。 =================== ――研究者としての著書も多数あるなかで、稲葉さんの最初の著書は『ナウシカ解読 ユートピアの臨界』(1996年刊、2019年に増補版を刊行)です。稲葉さんは、今この作品をどう評価しますか。 宮崎駿のまんが『風の谷のナウシカ』はすでに古典になっています。古典になっている、ということの意味は色々ありますが、ひとつには後進にとっての模範、ベンチマークを提供している、というところです。これについては後に詳しく述べましょう。もうひとつは、もう

                            朝日新聞社編『危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』』(徳間書店)取材原稿完全版 - shinichiroinaba's blog
                          • 【ネタバレなし解説】「三体」入門:“再現性”が崩壊する世界で科学者たちは何を見るか? | Fan's Voice | ファンズボイス

                            世界で爆発的なヒットを記録した劉慈欣によるSF小説「三体」(早川書房)。SF界のノーベル賞と呼ばれるヒューゴー賞(長編部門)をアジア圏作品として初めて受賞し、その累計発行部数は2,900万部に上る。「世界で最も売れたSF小説の1つ」と呼んでも過言ではないだろう。かくいう筆者も原作小説の大ファンの1人で、翻訳版が発売されたその日は直ちに徹夜が確約されてしまうくらいには夢中になって読んだ。本当に尋常じゃないレベルで面白いのだ。 原作を読んだことのない人にこの面白さをどうにかして伝えたいとき、私はこんな喩え話をよくする。人類の行く末を、現代のテクノロジーが行き着く先を見たいと思ったことはないだろうか?仮にここに、人類が2024年以降に経験する出来事が記載された未来日記があるとする。その日記には10年後、100年後の人類が開発する新たなテクノロジーや、襲来する厄災について、全てが詳細に書かれている

                              【ネタバレなし解説】「三体」入門:“再現性”が崩壊する世界で科学者たちは何を見るか? | Fan's Voice | ファンズボイス
                            • ブランドやメーカーで買う大人になってしまった - 本しゃぶり

                              気がつけばブランドやメーカーで選ぶ大人になっていた。 世界の複雑さは人間の認知能力を超えているので。 俺が買うべきものは、きっと誰かが知っている。 Amazonで上手く買い物するには 『ドングリFM』#822で、「上手くAmazonで買い物をする方法」についての話があった。 Amazonは便利だが、近年はマーケットプレイスにクソみたいな商品が溢れかえり、慣れない人が値段とレビューを見て買うと失敗してしまう。だから上の番組でも紹介されたサクラチェッカーに需要があるし、Togetterでも定期的にクソ商品を見極めるまとめが作られる*1。 そんな「Amazonが使いにくくなった」という嘆きに対し、「Amazonの外で商品を選び、Amazonの役割は購入のみにすれば良い」という解が番組で提示される。そうすればマーケットプレイスのハズレを引くことは無い。中でもよく知っている分野の商品ならば、「決まっ

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                              • 【SFマガジンで話題沸騰】特別対談:宇多田ヒカル×小川哲 全文を無料公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)

                                ベストアルバム『SCIENCE FICTION』を発表した宇多田ヒカルさんと、ハヤカワSFコンテスト出身の直木賞受賞作家・小川哲さんによる、SFマガジン史上に残る豪華対談が話題となり、発売前にもかかわらず増刷なったSFマガジン2024年6月号。本欄では、その対談全文をなんと無料で公開いたします! SFマガジン2024年6月号 定価:1320円(税込)早川書房特別対談:宇多田ヒカル×小川哲撮影:古谷勝/Styling:小川恭平/Hair and Make-up:稲垣亮弐「Automatic / time will tell」での鮮烈なデビューから25 年――初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』を発表した宇多田ヒカルと、ハヤカワSF コンテストからデビューし『地図と拳』での直木賞受賞も記憶に新しいSF 作家・小川哲の特別対談が実現。二人のアーティストを育んだ「SF」そして「文学

                                  【SFマガジンで話題沸騰】特別対談:宇多田ヒカル×小川哲 全文を無料公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)
                                • 今年も早川書房が海外SF作品の電子書籍セールをはじめたので、新刊を中心におすすめをピックアップ! 2019年版 - 基本読書

                                  ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 作者:ウィリアム ギブスン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/30メディア: Kindle版この数年は毎年の恒例となっている早川書房の海外SF作品電子書籍セールが今年も(2019年)このぎりぎりの年の瀬に始まったので、SFマガジンの海外SF書評欄の連載担当として今年もおすすめをピックアップいたします。全体は下記参照。 www.hayakawabooks.com 毎年セールの顔ぶれが違うのでおすすめする作品もがらっと変わってくるのだけれども、今年ありがたいのはウィリアム・ギブスンによるサイバーパンクの金字塔『ニューロマンサー』や『クローム襲撃』や『ディファレンス・エンジン』が入っていることかな。他、アシモフのファウンデーションシリーズや、ヴォネガットやクラークやディックの諸作品など、有名どころが勢揃い。 特にギブスンの作品はどちらかと

                                    今年も早川書房が海外SF作品の電子書籍セールをはじめたので、新刊を中心におすすめをピックアップ! 2019年版 - 基本読書
                                  • アンジェラ・ネイグル 著『リア充を殺せ! ―― 匿名掲示板とカウンターカルチャーは、いかにしてオルタナ右翼を育て上げたか』(2017年)/80点 - リベラルアーツの扉:海外教養書を読む

                                    紹介(評者・田楽心 Den Gakushin) 原題 著者について はじめに オバマの希望からハランベの死まで 第一章 リーダー不在のデジタル反革命 第二章 逸脱のオンライン・ポリティクス 第三章 オルタナ右翼のグラムシ主義者たち 第四章 ブキャナンからヤノプルスまでの保守文化戦争 第五章 「Tumblr」からキャンパス・ウォーズへ:美徳のオンライン経済における希少性の作り方 第六章 「男性圏」を覗いてみると 第七章 よくいる女、リア充、マスゴミ 結論 「ネタだよ」と言われてももう笑えない 評価(評者・田楽心) お知らせ ★その1 サイト運営者の一人、青野浩の翻訳書が出ます。 ★その2 友人が最近本を出したので、よろしくお願いします。 紹介(評者・田楽心 Den Gakushin) 2016年のトランプ当選を受けて、アメリカ人の多くが、2008年のオバマ当選時との「不可解なギャップ」に首を

                                      アンジェラ・ネイグル 著『リア充を殺せ! ―― 匿名掲示板とカウンターカルチャーは、いかにしてオルタナ右翼を育て上げたか』(2017年)/80点 - リベラルアーツの扉:海外教養書を読む
                                    • 『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』 - 基本読書

                                      三体X 観想之宙 作者:宝樹早川書房Amazonこの『三体X』は、劉慈欣による中国SF最大の話題作である《三体》三部作の、宝樹による公式外伝(スピンオフ)である。公式外伝といっても種類はたくさんあるが、本作が描き出すのは基本的には『三体』の第三部で起こっていたことの裏側になる。 三体の第三部はそれまでの第二部とは異なって極めてスケールが大きくなったこともあって、小さなことは置いてけぼりに物語が進行していった。本作(『三体X』)はそのあたりの拾われなかったSF設定を広げたり、キャラクタ間のありえたかもしれないやりとりを補完したりといった、二次創作的な色の強い作品となっている*1。扱い的にも正史の中に組み込まれているわけではなく、あくまでもパラレルワールドだ。 《三体》三部作は楽しんだけど二次創作はええかな〜という人もいるだろうし、僕も読み始める前はその気持ちがあったが、読み終えてみればそうも

                                        『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』 - 基本読書
                                      • マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 紙屋研究所

                                        才能も努力もガチャだと思う 親ガチャが話題であるが、才能はガチャだと思う。 本人が努力して得たものもあるだろうけど、努力できるのも才能の一つだ。ロールズの次の意見は正しい。 努力しよう、やってみよう、そして通常の意味で称賛に値する存在になろうという意欲さえ、それ自体が恵まれた家庭や社会環境に左右される そして、先天的なものだけに限らず、生まれてからどんな社会資源を利用できたか、利用できる環境にあったかも重要である。生まれつきと、みんなで寄ってたかってつくったものと、わずかばかりの自分の努力が「私の才能・能力」だ。 マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読んでそういう気持ちになった。 実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル サンデル 早川書房 Amazon いや、上に述べたことは実は、サンデルが本書で言おうとしていることの中心軸ではない。だけど、本書を読んで、

                                          マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 紙屋研究所
                                        • 「おすすめの本を教えて」という雑な質問に対する解 - 本しゃぶり

                                          「おすすめの本を教えて」という雑な質問がある。 趣味や目的などの前提を抜きに訊いてくるやつだ。 そういう相手には本をぶつけて反応を見るに限る。 人に本を勧めるのは難しい 『ゆる言語学ラジオ』#59で、「人に本を勧めるのは難しい」という話があった*1。 www.youtube.com これはYou Tubeやブログでやるような、不特定多数に向けた話ではない。一対一の対人戦の話だ。面識はあるが、どういう本を読んでいるかは知らない。そもそも読書習慣が無さそう。そんな相手から「おすすめの本を教えて」と訊かれたら身構えてしまう、と。 その気持ちは実によく分かる。本を勧めることは問題ない。問題なのは、どのような本が最適かは人によって異なることである。さら言えば、同じ相手でも何を求めているかによって、勧めるべき本が変わってしまう。読書の習慣がある人ほどそのことを理解しているので、コンテキストの無い「おす

                                            「おすすめの本を教えて」という雑な質問に対する解 - 本しゃぶり
                                          • 大ヒット中国SF『三体』を生んだ劉慈欣「私の人生を変えた5冊の本」

                                            <2015年にヒューゴー賞を受賞し、世界的なベストセラーとなった『三体』の著者、劉慈欣が綴る「自分をSF作家の道へ歩ませた5冊の書物」。意外にも、その1冊はSFではない。本誌「人生を変えた55冊」特集より> 書籍が各人に与える影響はさまざまだが、自分の人生の道を決定する本こそ最も重要である。一人のSF作家として、私は自分をSFの道へ歩ませた書物を紹介したい。 まずジュール・ベルヌの大機械小説。ベルヌのSF小説はその対象から大きく2つに分類できる。1つは科学探検小説、もう1つは大きな機械を描写する小説。後者はよりSF的内容を備えており、私に最も大きな影響を与えたのが『海底二万里』である。 『海底二万里』 ジュール・ベルヌ[著] 邦訳/岩波書店ほか (※画像をクリックするとアマゾンに飛びます) このタイプの小説に現れる大機械は、等しく18〜19世紀の蒸気技術と初期の電気技術を基礎としている。お

                                              大ヒット中国SF『三体』を生んだ劉慈欣「私の人生を変えた5冊の本」
                                            • 東京創元社のSF小説50%割引の電子書籍セールがきたので、オススメを紹介する - 基本読書

                                              創元SF文庫が創刊60周年ということで、創元SF文庫総解説などいろいろな企画が動いている。その流れのひとつで、ゴールデンウィークに合わせて創元SF文庫作品が中心にKindleで50%オフセールがはじまっているので、今回は僕の個人的なオススメを中心に紹介していきたい。このブログでは早川書房セールはよく紹介しているけど東京創元社セールの紹介ははじめてなので、掘り出し物もあるだろう。 Amazon.co.jp: 東京創元社: Kindleストア まずは豊富な海外のテーマ・アンソロジーから スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選 (創元SF文庫) 作者:ケン・リュウ,桜坂 洋,アンディ・ウィアー,デヴィッド・バー・カートリー,ホリー・ブラック,チャールズ・ユウ,チャーリー・ジェーン・アンダース,ダニエル・H・ウィルソン,ミッキー・ニールソン,ショーナン・マグワイア,ヒュー・ハウイー,コリ

                                                東京創元社のSF小説50%割引の電子書籍セールがきたので、オススメを紹介する - 基本読書
                                              • マイケル・サンデル「左派が恐れる“愛国心”を右派はきわめて有効に政治利用してきた」 | 「国境」と「移民」に代わるアイデンティティが必要だ

                                                30年ほど前、ハーバード大学教授のマイケル・サンデルは1990年代の“黄金の仮面”に隠されたものを暴いた。 冷戦終結後に訪れた繁栄と陶酔の仮面をはぐと、そこには不安があふれていた。サンデルの耳に届いたのは、エリート層が推進するグローバル化に反対する人たちの声だった。 彼らの意見を集めて1996年に出版されたサンデルの著書『民主政の不満 公共哲学を求めるアメリカ』(勁草書房)は、古典として読み継がれている。いまこの本を再読すると、すでに現在の状況を予感させる記述がいくつも見られる。 また、サンデルは2020年に出版した著書『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(早川書房)のなかで、能力主義を解体し、生まれや環境の平等が欠如していることが真の能力主義の普及を妨害している、と指摘する。 能力主義が生んだ格差によって大きな被害を受けた労働者階級が、怒りを覚えるのは当然だ。サンデルは『民主政の不満』

                                                  マイケル・サンデル「左派が恐れる“愛国心”を右派はきわめて有効に政治利用してきた」 | 「国境」と「移民」に代わるアイデンティティが必要だ
                                                • 株価の下落がタイムセール祭りに見える - 本しゃぶり

                                                  「ねえねえ株価が記録的に下がっているけど今どんな気持ち?」 この質問に対してはこう答える。 「タイムセール祭りが始まった!」 株価がタイムセール 世界各地で株価が下落している。 ちょうど資産運用記事*1がアホほどブクマされた*2タイミングで起きるのが面白い。というのも、ブコメで株価が大幅に値下がりしたことをネタに煽る奴が出てきたからだ。 彼らは言う。「一生懸命積み立てているみたいだが、一気に下落して今どんな気持ちだ」と。 これに対し、一生懸命積み立てている一人として言っておこう。今の事態はタイムセール祭りにしか思えない。 つまり、普段買っているものがどれだけ安く買えるのか、ワクワクして仕方ないということだ。 未来を信じる 俺のポートフォリオのメインは大人気の「eMAXIS Slim米国株式」、つまりS&P500指数連動のインデックスファンドである。 Overjive / CC BY-SA,

                                                    株価の下落がタイムセール祭りに見える - 本しゃぶり
                                                  • TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優

                                                    TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて はじめに資本主義の終わりを想像するより世界の終わりを想像する方が簡単だ。 ――フレドリック・ジェイムソン「アメリカのユートピア」 (フレドリック・ジェイムソンほか著、スラヴォイ・ジジェク編(田尻芳樹/小澤央訳)『アメリカのユートピア:二重権力と国民皆兵制』書肆心水、2018年、13頁) 資本主義を飼いならすことはできないし、資本主義の外に出ることも決して容易ではない。2021年3月に放送が終了したTVアニメ『弱キャラ友崎くん』(以下『友崎くん』)は、そんなことを教えてくれる傑作である。 本作の主人公・友崎文也は、友達も彼女もいない「陰キャ」で「ぼっち」の高校生だ。しかし、その裏の顔は家庭用格闘ゲーム「アタックファミリーズ」(通称「アタファミ」)のレート一位、日本最高峰

                                                      TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優
                                                    • アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書

                                                      遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― 作者:キャスリン・ペイジ・ハーデン新潮社Amazon近年、遺伝子研究が進展してきたことで身長や顔といった見た目の要素だけでなく、「学歴」のような生涯収入やそれに伴う生活の質に直結する部分も遺伝子の影響を受けることがわかってきた。しかしそうしたデータは気軽に世に出すと、何度否定されても議論が絶えることのない優生学や、何をもってして社会は「平等」や「公平」といえる状態になるかといった、簡単には答えのでない議論を呼び込むことになる。 しかし、実際に遺伝子によって学習能力や最終学歴に差が出るのであれば、議論が難しいからとか、遺伝による差が明らかになると優生学に結びつく可能性があるからと危惧し「遺伝的な差異をなかった/見なかった」ことにするのは間違っているのではないか。それ──遺伝的な差異による富の格差──がある前提で、平等についての議論を進める必要があるの

                                                        アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書
                                                      • 小説の新人賞受賞作が激論の末改題→賛否の声が続出。改題の意図とは。何故否定的意見が散見するのか

                                                        奥村勝也 @kokumurak 第8回ハヤカワSFコンテスト〈優秀賞〉『電子の泥舟に金貨を積んで』ですが、著者・竹田人造さんとの激論の結果、 『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』 に改題します。略称は「#10億ゲット」です。現金輸送車を狙い、違法カジノから奪い、マフィアを出し抜く、テクノ犯罪SF。11/19発売。 pic.twitter.com/q19HZYEKRc 2020-10-15 17:01:06

                                                          小説の新人賞受賞作が激論の末改題→賛否の声が続出。改題の意図とは。何故否定的意見が散見するのか
                                                        • アメリカ大統領選挙の支持地盤で読む、アメリカ文学リスト - ボヘミアの海岸線

                                                          2020年アメリカ大統領選挙は激戦だった。2016年大統領選挙以降、世界中で、共和党と民主党それぞれを支持する「支持州」と「支持層」に注目が集まったように思う。 アメリカの大統領選挙は、人口ごとに選挙人数が割り振られ、州ごとにどちらかの政党を選ぶ「勝者総取り方式」が大半だ。そして州ごとにどちらかの政党を選ぶ傾向があり、この傾向は「土地」と「社会構成」を反映するため、多くのニュースやエッセイが問いを投げかける。 各政党の支持地盤はどんな地域か、どんな歴史があるのか、どんな人たちが住んでいるのか? この問いにたいする論考やエッセイ、書籍はすでにたくさんあるが、「アメリカ文学」もこの問いにたいして答えのひとつを持っている、と思う。 文学は、土地と社会と人によって育まれる。「どんな人たちなのか」「その人たちが生きる土地はどんな場所か」「その土地はどんな歴史を持っているのか」を知るには、うってつけだ

                                                            アメリカ大統領選挙の支持地盤で読む、アメリカ文学リスト - ボヘミアの海岸線
                                                          • ゆる言語学ラジオというロバストなコンテンツ - 本しゃぶり

                                                            ネットでは長く活動できた者が強い。 ではどうしたら長く活動できるのか。 頑強さを生み出す『ゆる言語学ラジオ』の振る舞いが参考になる。 ジャパンポッドキャストアワードでW受賞 このブログでも何度かネタにしている『ゆる言語学ラジオ』が、JAPAN PODCAST AWARDSの「ベストナレッジ賞」と「リスナーズチョイス」を受賞した。 #ポッドキャストアワード 授賞式、無事終わりました!!! 結果は、リスナーズチョイスとベストナレッジ賞のダブル受賞でした!! この後21時からライブ配信で感想喋り倒すよ! pic.twitter.com/OzeKbjQfTr— ゆる言語学ラジオ (@yuru_gengo) March 17, 2022 チャンネル登録者数が10万人を突破するなど勢いがあったので、何かしら受賞するだろうとは思っていた。だがダブル受賞するとは普通に凄い。この受賞をきっかけに人気をさらに

                                                              ゆる言語学ラジオというロバストなコンテンツ - 本しゃぶり
                                                            • 芸人・ヒコロヒーの本棚代わりの1箱と、何度も読み返したくなる本 | ブルータス| BRUTUS.jp

                                                              繰り返し会いたくなる、本は一番身近な娯楽 というのも、20代の頃の貧乏生活が長すぎて、本というものを持てるような生活ではなかったんです。本当にお金がなかったので(笑)。でも読書は好きだったので、本は買うものではなく図書館で借りて返すもの。だから本棚を置く必要性もなくて。その延長線上で生活が続いているので、今でも本は買っても読み終わったら売ることが多い。もしくは後輩や友人が家に遊びに来た時にあげる。 「好きなの持っていっていいよー」と言うと、気づくとなくなっていたり。自分が読んで面白かった本は、もっと読みたい人の元に届いてほしいと思うんです。だったら小学校とかに寄贈した方が世間の役に立ちそうではあるけれど、なんだかそれはすごく厚かましいような気がして。 そんな生活の中でも繰り返し読みたくなる本というのがあるわけで、どうしているかといえば、ベッド脇に積んであったり、段ボール箱に詰めて置いておい

                                                                芸人・ヒコロヒーの本棚代わりの1箱と、何度も読み返したくなる本 | ブルータス| BRUTUS.jp
                                                              • やはり日本は特殊? 「アバター」続編、日本のみ初登場3位の衝撃…ここから巻き返しはなるのか(斉藤博昭) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                2022年最後の世界的な話題作として、全世界ほぼ同時に公開された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。世界興行収入で今もナンバーワンの位置にある、2009年の『アバター』続編ということで、その期待は大きなものだった。 多くの国と同じく12/16に公開された日本では、国内史上最多となる1466スクリーンで上映。記録に残っている過去の最多では、2012年の『アメイジング・スパイダーマン』の1092スクリーンなので、いかに『アバター』続編への期待が高かったかがわかる。ただそもそもIMAX 3D、4DX、ドルビーシネマ/アトモス、2D、日本語吹替などバージョンが多種にわたるので、スクリーン数が増えるのは必然なのだが。 このスクリーン数から、当然ながら公開週の週末動員ランキングで、『アバター』続編のナンバーワンが予想されたが、残念ながら3位となった。1位は『THE FIRST SLAM DUNK』

                                                                  やはり日本は特殊? 「アバター」続編、日本のみ初登場3位の衝撃…ここから巻き返しはなるのか(斉藤博昭) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                • 記事の公開停止につきまして

                                                                  11月15日に弊社noteに掲載した記事「差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!」につきまして、読者の皆様から様々なご意見を頂いております。出版社がなんらかの差別に加担するようなことがあってはならず、ご指摘を重く受け止めております。 掲載した巻末解説は本文とあわせて読まれることを前提に書かれ、ポストモダニズムの三つのフェーズ、カッコつきの〈社会正義〉といった本文のキー概念にはあえて触れていません。そうしたテキストのみを、本文と切り離した形でウェブ公開すること自体が不適切でした。 つきましては、当該記事の公開を本日停止しました。 弊社はあらゆる差別を許容せず、それを大前提としたうえで多様な出版活動を行なってまいります。ウェブ・SNS上での情報発信に関して編集部内でのチェック体制を新たに整えるとともに、熟慮を重ね、不適切な情報

                                                                  • 現代人は本当に思想に飼われている - シロクマの屑籠

                                                                    president.jp リンク先の文章は、拙著『人間はどこまで家畜か』を一部引用しつつ、ひとまとまりの読み物として再編成しプレジデントオンラインさんに載せていただいたものだ。私たちは資本主義にいいように飼い馴らされ、その資本主義をますます充実させるための資本の乗り物、それか家畜として使役されちゃっていませんか? といった話が中心になっている。 だが、現代人のマインドに根を下ろし、現代人をいいように飼い馴らし、現代人を動機づけている思想は資本主義だけでもあるまい。 ぜんぶ挙げようとするときりがないが、『人間はどこまで家畜か』では、現代人を飼い馴らす思想として、資本主義に加えて個人主義と社会契約、それから功利主義を挙げている。思想などという実体のないものに何ほどの力があるのか? と疑う人もいらっしゃるだろうし、そうした思想をつくりだしたホッブズやルソーやベンサムといった思想家の重要性は実感し

                                                                      現代人は本当に思想に飼われている - シロクマの屑籠
                                                                    • 2021年冬開始の新作アニメ一覧

                                                                      年4回ある番組改編期がやってきました。2020年12月~2021年2月ぐらいの間に始まるアニメの本数は60本弱。新型コロナウイルス感染症の影響で放送が延期されていた作品が放送される事例もあるため、一概に「制作本数が増えている」とはいえないものの「減っていない」のは確かなので、どの作品を見るのか、事前にしっかりチェックしておかないと、見たかった作品のスタートに気付かないことも……。ただ、配信でカバーできる作品も少なからずあるので、希望は捨てずに、ぜひ1本でも多くの作品を追いかけてみてください。 以下、リストは放送・配信が近いものから順に並んでいます。作品名の頭には◆をつけています。また、記事内容は情報解禁などに合わせて随時更新していきます。 ◆OBSOLETE(EP7-EP12) ・放送情報 YouTube:12/1(火)~ ・作品情報 2021年。アメリカ合衆国をはじめとした先進工業諸国に

                                                                        2021年冬開始の新作アニメ一覧
                                                                      • 『火星の人』の著者最新作にして、宇宙SF&宇宙生物学SFの傑作長篇──『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 - 基本読書

                                                                        プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonこの『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、火星に一人取り残されてしまった男の決死のサバイブを描くハード・宇宙開発SF『火星の人』でデビュー&大ヒットした、(リドリー・スコットの映画も傑作だった)アンディ・ウィアーの最新作。本国では売上も評価もよく、ビル・ゲイツの今年の5冊に選ばれ、映画化権も取得されライアン・ゴズリング主演の映画化も進行中など、すでにヒット・ロードに乗っている。 今回はすでに英語版での評判が漏れ伝わってきていたし、日本での(版元の早川書房の)プロモーションも気合入っているな(翻訳SFとしては珍しい単行本での刊行)と思っていたので最初から高まっていたのだが、読んでみればいやはやこれが期待通りの作品である。扱うテーマや題材、舞台そのものは『火星の人』と大きく異なっていて、新たな領域を開拓しているが(

                                                                          『火星の人』の著者最新作にして、宇宙SF&宇宙生物学SFの傑作長篇──『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 - 基本読書
                                                                        • 『SFマガジン』「読みたくても高騰していてなかなか読めない幻の絶版本を、読んだことのない人が、タイトルとあらすじと、それから読んだことのある人からのぼんやりとした噂話だけで想像しながら書いてみた特集」に|樋口恭介|note

                                                                          『SFマガジン』「読みたくても高騰していてなかなか読めない幻の絶版本を、読んだことのない人が、タイトルとあらすじと、それから読んだことのある人からのぼんやりとした噂話だけで想像しながら書いてみた特集」について 私は頻繁にSNSで炎上するのだが、最近も不可解な炎上を経験したので記録に残しておく。 『SFマガジン』の企画として「読みたくても高騰していてなかなか読めない幻の絶版本を、読んだことのない人が、タイトルとあらすじと、それから読んだことのある人からのぼんやりとした噂話だけで想像しながら書いてみた特集」という特集を進めていた。これは2021年の3月にTwitterに投稿したネタがバズったことから生まれた企画である。途中、同様にTwitter上でバズって生まれた企画「異常論文」の編集作業などで忙しくなったこともあり、放置していたのだが、2021年の9月に企画を動かそうと執筆者の募集や打診をか

                                                                            『SFマガジン』「読みたくても高騰していてなかなか読めない幻の絶版本を、読んだことのない人が、タイトルとあらすじと、それから読んだことのある人からのぼんやりとした噂話だけで想像しながら書いてみた特集」に|樋口恭介|note
                                                                          • オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                                                            Executive Summary トマス・ピンチョンのオーウェル『1984年』序文は、まったく構造化されず、思いつきを羅列しただけ。何の脈絡も論理の筋もない。しかもその思いつきもつまらないものばかり。唯一見るべきは、「補遺;ニュースピークの原理」が過去形で書かれていることにこめられた希望だけ。だが、考えて見れば、ピンチョンはすべて雑然とした羅列しかできない人ではある。それを複雑な世界の反映となる豊穣な猥雑さだと思ってみんなもてはやしてきた。だが実はそれは、読者側の深読みにすぎないのかもしれない。そしてその深読みが匂わせる陰謀論が意味ありげだった時代——つまり大きな世界構造がしっかりあって、裏の世界が意味をもった60-80年代——にはそれで通ったのに、1990年代以降はもっと露骨な陰謀論が表に出てきてしまい、ピンチョン的な匂わせるだけの陰謀論は無意味になった。それがかれの最近の作品に見られ

                                                                              オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                                                            • 早川書房の2000作品以上が50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書

                                                                              ブラックフライデーに合わせて恒例となっている早川書房の50%割引のセールがきているので、今回も一年以内に刊行された新刊を中心におもしろかった作品を紹介していこうかと。夏頃のセールが2700点がセール対象だったのにくらべて今回は「2000作品以上」ということで、特に直近半年ぐらいの作品はあまりセール対象になっていないようだが、それでもおもしろい本はたくさんあるので観ていこう。 amzn.to 最初はSFから プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon引き続き劉慈欣作品の多く(『三体』三部作からスピンオフの『三体0 球状閃電』や『三体X 観想之宙』や短篇集の『円』など)がセール中なのでまだの人にはひとまずおすすめしておくのと(最新刊の劉慈欣長篇デビュー作『超新星紀元』はセール対象外)、アンディ・ウィアーの傑作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』もセール対象。

                                                                                早川書房の2000作品以上が50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書
                                                                              • 『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記

                                                                                「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン プラックローズ,ジェームズ リンゼイ 早川書房 Amazon 早川書房から翻訳が出版された作家のヘレン・プラックローズと数学者のジェームズ・リンゼイの共著『「社会正義」はいつも正しい』に関して、出版とほぼ同じタイミングで山形浩生による「訳者解説」が公開された。 しかし、公開当初から訳者解説が差別的であるとしてTwitterなどで炎上。そして、公開から数週間が経過した先日に、公開停止が早川書房からアナウンスされた。 11月15日に弊社noteに掲載した記事「差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!」につきまして、読者の皆様から様々なご意見を頂いております。出版社がなんらかの差別に加担するようなことがあってはならず、ご指摘を重く受

                                                                                  『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記
                                                                                • プラックローズ&リンゼイ 著『特権理論:ポリティカルコレクトネス、アイデンティティポリティクス、フェミニズムはいかなる理論的根拠に基づいているのか』(2020年)/90点 - リベラルアーツの扉:海外教養書を読む

                                                                                  はじめに(評者・田楽心 Den Gakushin) 原題 著者について 序論 第一章 ポストモダニズムーー知識と権力における革命 第二章 ポストモダニズムの応用的転回ーー抑圧を見えるようにすること (評者補足)応用ポストモダニズムの各理論について 第三章 ポストコロニアル理論ーー他者を救うために西洋を解体する 第四章 クィア理論ーー「普通」からの解放 第五章 批判的人種理論とインターセクショナリティ ーーいたるところにある人種差別を終わらせるために 第六章 フェミニズムとジェンダー研究ーー洗練された単純化 第七章 障害学と肥満研究ーー支援グループのアイデンティティ理論 第八章 「社会正義」の研究方法と思想、第九章 実践の中の「社会正義」ーー理論はいつも、紙の上では良く見える 第十章 「社会正義」イデオロギーの代わりとなるものーーアイデンティティ・ポリティクス抜きのリベラリズム 評価(評者・

                                                                                    プラックローズ&リンゼイ 著『特権理論:ポリティカルコレクトネス、アイデンティティポリティクス、フェミニズムはいかなる理論的根拠に基づいているのか』(2020年)/90点 - リベラルアーツの扉:海外教養書を読む