限りなく低い、まさに天文学的な確率ではあるけれど、"理論上" 何とか起こりうる事象というものが、驚くなかれ、この世には確かに存在している。ある要因によって偶然引き起こされ、しかし起こってしまえばそれが喜劇であろうと悲劇であろうと、まさにそれ以外起こり得ることはありませんでしたよ、とでも言いたげな必然の顔をして横たわるのである。 そんな、俄には信じがたい不運や奇跡が起こると、人間はいかにしてそれが生じたのか、その原因の所在を明らかにせしめようとするのだ。しかしながら結局、誰かを責め立てることも、あるいは誰かを讃え奉ることも出来ず、困り果てた末に神の仕業へと仕立て上げるのである。 そしてここにもまた、神の仕業に左右された若者がいる。 ***** ボーッと生きているので、叱られると思う。 考えることはもう辞めてしまった。感じたものを言葉にするという行為は、レンズのf値を絞るも同然のことだった。僕