第4章からは,インタビューの内容に加え,「茶道団体」やその代表者の実際の茶会活動を,事例として大いに取り上げる。 団体としての特殊性 本稿における「茶道団体」は,その代表者や主宰者を中心とした,ごく少人数の集合を指す。 メンバーを増やすこと自体は目的としていないため,団体発足時から現在まで,メンバーもその数も大きく変わっていない。 この点が,会員を増やすことで勢力を増そうとする団体(例えば流派)とは大きく異なる。 実際に,イベントや茶会では数十人から百人単位の参加者を動員するが,運営側の人数はほぼ一定である。 「茶会活動」の企画や運営の中心となるのも,メディアに登場するのも,代表者だけであることが多い。 集団としても特殊な形態をとっている「茶道団体」の催す茶会が,茶道界においてどのように特殊であると言えるのか,まずは個別の具体例を挙げる。 流派との共存 次に,「茶道団体」全体に当てはまる共